がんばれ、おじさん。おじさんアクション花盛り! vol.3 50歳、タンゴでハッスル

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経験者ならご存知でしょうが、ダンスというものは、優雅な見た目と違い、かなりハードなものです。私も元バレリーナ(信じるも信じないもご自由に…)。そのことを重々承知しております。そこで、今回の「おじさんアクション」の題目はダンス。しかも、熟年ムードたっぷり漂うタンゴでございます。

「でも、ダンスはアクションじゃないよね」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、いえ、実は両者は同じようなもの。その証拠に、「アクションは、コレオグラフィー(振り付け)があるのでダンスのようなもの」とヒュー・ジャックマンが言っていたけれど、となるとその逆もアリ。さらに、年をとればとるほどに、体を頑張って動かすことはアクションさながらの挑戦に他ならないのです。
 
と、勝手な理屈をつけたところで本題に。「がんばれ、おじさん!」と思わず応援したくなるような主人公、50歳のジャン=クロードが登場するのは、フランス映画『愛されるために、ここにいる』。12月公開とちょっと先のお話ですが、これが珠玉の名作でして。

ジャン=クロードは、人生に大した喜びも見出せず、もうすぐ51歳になろうというバツいち男。ものすごい色男でも外交的でもないだけに、ただ淡々と毎日を過す孤独な司法執行官。息子とも、偏屈な父親とも、上手く意思疎通ができない彼が、体のためにと、オフィスの向かいにあるタンゴ教室に通い始めるところから話がスタート。そして、1人の魅力的な女性に出会うのです。

ダンスをきっかけに人生に喜びを見出すあたり、わが国の『Shall We ダンス?』を彷彿させるかもしれないけれど、なかなかどうして、“フランスならでは”なエピソード満載。寂しい中年男の人生ドラマなんてモチーフ自体、そもそもとってもフランス的。しかも、相手はくたびれた中年女性などではなく、笑顔の素敵な美女フランソワーズ(推定38歳)なのですから。

フランス映画らしい恋愛劇、ぎこちなくも官能的なダンスシーンに、おもわず「がんばれ、ジャン=クロード!」と心の中で何度叫んだことでしょう。それにしてもタンゴって、まるで動物の求愛ダンスのようであり、愛の交感のようでもあり、なんだかおじさんには命がけの行為に見える。このまま心臓発作をおこしはしないかと、別の意味でハラハラしながら、最高にロマンティックなどきどきを体験させてもらったのでした。このどきどきハラハラ感覚、下手なサスペンス・アクション映画でも味わえないレベルのものかもしれません。

なんとも、甘美な余韻を残すこの作品、鑑賞後には感動の涙ではなく、あまりの感慨深さに文字通り体が震えてしまった私。でも、ひとつ心配が。こういう素敵なドラマを見て、「僕にも可能性が?」なんて、変な勘違いをするちょいキモおじさんが続出しないといいのだけれど。相手あっての恋愛ですので、一人で突っ走ったりしませんように、日本のおじさま達。

《text:June Makiguchi》

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