【文豪を演る】インタビューvol.4 佐藤隆太 as 梶井基次郎  陰への意外な(?)共感

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「檸檬」 -(C) 日本文学シネマ製作委員会
  • 「檸檬」 -(C) 日本文学シネマ製作委員会
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昨年放送のTBS系「ROOKIES」、現在放送中のフジテレビ系「まっすぐな男」など快活なキャラクターのイメージが強い俳優、佐藤隆太が、打って変わった「陰」の部分をさらけだす演技に挑んだ。TBSで放送され、BS-TBSでも3月6日(土)に放送されるオムニバスドラマ「BUNGO-日本文学シネマ-」の第3話、梶井基次郎原作の「檸檬」だ。

同ドラマは、「文豪を演る」をテーマに、旬の若手俳優陣を主演に据えて近代日本文学の作家たちの短編小説を映像化したもの。佐藤さんは、肺結核を患い31歳で夭逝した梶井の自伝的作品で代表作に挑戦している。肺病を患い、正体不明の憂鬱に苛まれて好きだったものへ興味を失った主人公の「私」が、果物屋で魅惑され買い求めた檸檬に束の間の幸福感を得るが、書店の書棚に置いて立ち去るストーリー。病んだ心身の煩悶や青春の焦燥を体現する難役だった。
「ある種、怖さもありました。監督と話をさせていただいて、『檸檬』の中の梶井という人は読む人によって絶対、違う表情をしているのではないか、と。掴みどころのない人間で、小説を読んだ色々な方々が想像をめぐらせている。それがメチャメチャ強い作品。そこを自分の体を使って表現してしまうのは凄く…そういう怖さがあったんです」。それほどの難易度に加え、これまでのイメージを覆す役どころに「みなさんが俺に対して持ってくださっているイメージとは大分違って、内面にこもる役柄なので、ぜひとも挑戦したい」と俳優魂がうずいた。

これまでのような“陽”の部分ではなく、自身の“陰”の部分を引き出す作業をじっくりとこなすことで、梶井の心情に寄り添った。
「あそこまでの狂気じみたものは持っていないにしても、自分にも暗い思いってある。自分を見つめ直して掘り下げていく、向き合う、そういう作業でした。共感って言ったらおかしいかもしれないけど、自分の中で何か落ち着かない、どこかどんよりして晴れない部分がどんどん見つかって、そこからイメージが広がっていった感じです」。

結果、“自分”も再確認できたよう。
「やりたいことがどうしてもうまくいかないとか、変なループや悪循環にはまって、好きなことでもテンション上がらない、歯車が合っていない感じ…そういう経験はある。仕事でもプライベートでも、変なタイミングが重なって傷つくこともある。そうすると、どうがんばろうとしても、最悪、時間をかけないと復活できないことも。そのとき、梶井のように血を吐く、ではなくても体調が悪いと本当にどんよりします。それって日常にあると思えた。自分の中の明暗、暗い部分に気付かされて、最終的には俺、暗い人間なのかな? って(笑)」。

素顔は、ナイーブで不器用だと笑う。
「本当に人一倍ナイーブですね。不器用な方なので爆発しそうな感情をどうコントロールするのが自分にとって一番いいのかってことも今回考えて。うまく散らせればいいんですが溜めて一気に出しちゃうから、時として(周囲に)強く当たっちゃうこともあるし、常に(言いたいことを)言っていられれば強くならないところを、ずっと我慢して我慢してそれでも我慢できなくなったときに言う、って時々あるから。それは反省しています」。

繊細な感性が、梶井と重なる印象だが? と尋ねると「どうなんですかね、うーん…でも全く似てないです(笑)」とキッパリ否定し、梶井の人物像を分析してみせた。
「多分、不安は誰もが持っていて、どれだけその瞬間そちらに傾くか。そのときの精神状態がそちらにいっちゃっているか。僕はデリケートで繊細になっていっちゃう瞬間が多かったりする、かもしれない。まさに梶井さんには、そういう振り幅を感じます」。

梶井に幸福感をもたらしたのが檸檬なら、佐藤さんには何が? 「スニーカーです! よくスニーカー見て(劇中の梶井が檸檬を愛でる演技をしつつ)ニヤリってやっています。全く同じ、ドンピシャです。『俺あの形が好きだ〜』って言いますからね。多くはNIKE(ナイキ)です」。

ところで読書については、活躍目覚ましいことからもうかがえる通り、多忙ゆえに最近はなかなか時間が取れない様子。
「学生のときは好きだーって思ったものをいろいろ読んでいたんです。あの頃読んだものがいま、ひきだしになっていたりするから、もう一回そういう時間を持つようにしたいですけど」。

先月27日には30歳の誕生日を迎えた。私生活では昨年、結婚し一児のパパにもなった。心境の変化は? 「この質問されたときは正直に答えると決めているので、答えは全く同じになっちゃうんですけど」と前置きをし「明確に守るべき存在が1人増えたので、気合が入りますね。違う気合ってことではなくますます、という感じ。純粋にそうなんです」と実直な言葉。檸檬と私生活を糧に、演技への情熱をこれまで以上に大きく熱く燃やしている。



© 日本文学シネマ製作委員会

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「グッド・バイ」水川あさみインタビュー coming soon

<BS-TBS>
毎週土曜放送中/全6話・各話30分予定
「檸檬」は3月6日(土)18:30より放送

BUNGO-日本文学シネマ- 檸檬 DVD
価格:2,993円(税込)

BUNGO−日本文学シネマ− DVD-BOX
価格:13,125円(税込)
発売日:6月19日(土)

公式サイト:http://www.bungo.jp
《text:Yoko Saito》

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