【インタビュー】『メイジーの瞳』オナタ・アプリール×監督 6歳の少女に学ぶ現代の家族愛

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オナタ・アプリール(メイジー役)&スコット・マクギーとデヴィッド・シーゲル(監督)/『メイジーの瞳』-(C) 2013 MAISIE KNEW, LLC. ALL Rights Reserved.
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  • 『メイジーの瞳』-(C) 2013 MAISIE KNEW, LLC. ALL Rights Reserved.
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身勝手な大人の世界を、6歳の少女の目線で描いた『メイジーの瞳』。アカデミー賞4部門にノミネートされた『キッズ・オールライト』のスタッフが、再び現代の新しい家族を描いた感動作だ。

離婚した両親の家を10日間ずつ行き来することになった少女・メイジーは、大人の事情に振り回されながらも、涙を見せず健気に自分の居場所を探し続ける。そんな彼女のピュアな心を通して、私たちは大人の未熟さに気づかされることになる。

監督は、チームで活動しているスコット・マクギーとデヴィッド・シーゲルの2人。主人公・メイジーを演じたのは、撮影当時は6歳だったという2005年生まれのオナタ・アプリールだ。彼らは日本とも縁が深く、マクギー監督は高校時代に日本に留学経験があり、オナタちゃんは祖母が日本人で鎌倉に住んでいたと言う。となれば、日本は“第二の故郷”と言えるだろう。日本との関係性も含め、本作についてたくさん話を聞かせてもらった。

18歳のときに滋賀県に留学していたというスコット・マクギー監督は、「日本は僕の人格形成に非常に大きな影響を与えた」と話す。「日本文化、日本人のユーモア、もちろん日本の食べ物も非常に近しく思っています。なので日本に来るたびに、自分が若いときに影響されたものと再び繋がることができて嬉しいです」と顔をほころばせる。

となると、やはり日本映画にも影響を受けたのだろうか?

「実は日本映画は、大学生になるまであまり観たことがありませんでしたが、大学院で60年代の日本映画を勉強して好きになりました(カリフォルニア大学バークレー校で映画理論と日本映画史を学んでいる)。デヴィッドと第1作目を作るときに影響を受けた作品は、勅使河原宏監督の『他人の顔』です。ほかにも鈴木清順、野村芳太郎、成瀬巳喜男といった監督たちが好きです。最近では、黒沢清、是枝裕和も好きですね」とかなりの日本映画通のようだ。

『メイジーの瞳』は、1982年に出版されたヘンリー・ジェイムズの小説「メイジーの知ったこと」を現代の設定に置き換えて映画化したもの。シーゲル監督はすでに完成していた脚本を読み、「非常にデリケートな視線で描かれているところに興味を持ち、映画化を希望した」と言う。

「特に6歳の子どもの視点からストーリーが語られるところに、とても惹かれました。原作はやや悲観的に描かれていて、メイジーがシニカルに育っていく話でしたが、映画は希望の見える物語にしたかったんです」。

映画の中のメイジーは、周囲の自分勝手な大人たちよりずっと頼もしく、そして前向きだ。両親や、両親の新しいパートナーたちの孤独や心の機微を感じ取り、そっと寄り添う姿は、きっと誰しもが持っているはずの“人を思いやる心”をストレートに見せてくれ、胸が熱くなる。

これほどまでに子どもの視点をリアルに描いた作品はあっただろうか。マクギー監督は「フランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』に影響を受けたかもしれない」と分析する。「大好きな作品で何度も観ました。あの映画も少年の視点で描かれた作品なので、無意識にリンクしていたのかもしれません」。

「子どもの視点を映し出すために、温かい色合いの照明で子どものイノセントな感じを出しました。また屈託のなさを表現するために、色合い、セットデザイン、壁の色など細かく相談しましたね。メイジーの衣装は、特に楽しい雰囲気を出すために、衣装デザインと話し合いました」。

まさしく本作で目を奪われるのは、メイジーの衣装。日本でも流行した“柄on柄”の細かなテクニックや、手作りのティアラをかぶったり、ガーリーなスカートにちょっとハードなブーツを合わせたりと、大人でも真似したくなるコーディネートばかり(ティアラは厳しいが…)。

衣装デザイナーのステイシー・バタットは、マーク・ジェイコブズに師事し、映画界の“オシャレ番長”ことソフィア・コッポラの作品も手がけている。女子は、メイジーの衣装もぜひチェックしてほしい。

そしてそのかわいい衣装を着こなし、見事にメイジーを演じたのはオナタちゃん。シーゲル監督は、観察力や表情など、すべてにおいてメイジー役に必要な要素を持っていた彼女に出会って驚いたと当時をふり返る。

「撮影前2週間と差し迫ったときに、オナタと出会ったんです。オーディションでたくさんの子どもたちに会いましたが、自分の内面、あるいは自分が何を考えているのかを、シンプルに伝えられる能力があるのはオナタだけでした。それに圧倒的な存在感もあったんです。メイジー役には、演劇学校に通う子役ではなく、自然な演技ができる子を求めていたので、オナタはまさに適役でした」。

当人のオナタちゃんに、本作の出演が決まったときの気持ちを聞いてみると…「2年前のことで、まだ小さかったので覚えていません」とあっさり(笑)。映画では大人びた表情をしていても、やはりまだ子どもなのだ。

そして、ロック歌手の母親・スザンヌ役には、オナタちゃんも「素敵な人」と話すオスカー女優のジュリアン・ムーア。スザンヌは、娘・メイジーを愛しながらも、仕事とプライベートの両立ができない。思うようにいかない状況に不満を募らせ、常にイライラ。さらにはパートナーに当たり散らし、自ら大切な関係を壊してしまう不器用な女性だ。ジュリアンは、表面的な強さとは裏腹に、心の奥にある孤独感や迷いを表情に滲ませ、葛藤する母親を見事に演じた。

マクギー監督は「僕たちが脚本が読んだときには、すでにムーアも脚本を読んでいました。正直なところ、彼女が興味を持っていると聞いて、僕たちもこの作品に惹かれたんです。彼女は、映画陣なら誰でも一度は仕事をしてみたいと思う特別な女優です。彼女はどんな難しい役でも、人間らしさを表現できます。どんなにとっつきにくいキャラクターでも、彼女が演じると観客はどこかで共感することができます。特にスザンヌ役にはそれが大切でした。ムーアは、パーフェクトなキャスティングでしたよ」と絶賛。確かにジュリアンの演じたスザンヌは、どうしようもなく勝手で破天荒だが、どこか憎めない母親なのだ。

そしてスザンヌの新しい夫で、メイジーの親友になる心優しいリンカーン役は、いま巷を騒がせている超イケメン、アレキサンダー・スカルガルド。長身で甘いマスクの彼に、メイジーでなくても心奪われてしまった女子は多いことだろう。マクギー監督も「背が高くハンサムな青年が、小さな存在と一緒にいる画が気に入りました」と話す。

「アレキサンダーに初めて会ったときに、温かさとシンプルな優しさを感じました。そしてそのふんわりとした雰囲気を撮影現場に持ってきてくれて、キャラクターにも吹き込んでくれました。オナタとの相性もぴったりで驚かされましたよ。もともと大家族の出身で子どもが好きだと言っていましたが、彼とオナタの築いた関係は本当に特別なものだったので、それがスクリーンの上でも化学反応を起こして素晴らしいものになりました」。

オナタちゃんも「ビーチハウスでモノポリーをしたのが楽しかったです」とアレキサンダーとの共演シーンを一番印象に残ったものと語っている。イケメンな上に子ども好きとあれば、ダメ要素はひとつもない完璧男子! 今後の活躍も見逃せない。

「戦後のアメリカの家族を描いたメロドラマを見て育った」というマクギー監督に、家族をテーマにした本作で伝えたかったメッセージについて聞いてみた。

「『キッズ・オールライト』もそうですが、気づいたら“家族”をキーワードにした映画を作ってきました。現代の家族はとても多様化しています。家族には何が必要なのか、子どもが幸せに育つためにはどんな環境がいいのかについては、いろいろな考え方がありますよね。映画を通して、話し合ったりコミュニケーションを取ることはとても素晴らしいことだと思います。現代の家族はよりオープンになり、さまざまな選択もできます。そして愛情は思いもよらないところから生まれるということを提示したかったんです」。

そして最後に、将来は「いいお母さん」、夢は「女優」というオナタちゃんに、日本の観客にメッセージをもらった。「私がこの映画を作る過程を楽しんだのと同じくらい、みなさんにも楽しんで観てもらいたいです」。
《text:cinemacafe.net》

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