【MOVIEブログ】4日・5日/パリからベルリンへ

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またまた移動していますが、4日と5日の動きを:

【4日(火)】
パリはなんだか拍子抜けするくらい寒くなくて、1月でこんなことって最近あまり記憶がないくらい。僕は寒いときは寒いのが好きなので、なんだか気合いが入らないなあ。

今朝も9時にUGCのシネコンに行き、9時から『Pret a tout』というフランスの恋愛コメディーへ。映画祭やマーケットで扱われることがあまりない商業コメディーで、こういう作品もむしょうに見たくなる…。予想どおり、かなりどうしようもない内容なのだけど、まあ、これはこれでしょうがないか。

場所を少し移動して、MK2 Beaubourgというアート系のミニシネコンに行き、ジャック・ドワイヨン監督の目下の新作『Mes seances de lutte』(写真)へ。昨年のベルリンでプレミア上映された本作を、ずっと見逃したままであったのが、ようやく一般公開でキャッチアップできた。そして、ああ、素晴らしい。

その奔放な演技と存在感とで、近年のフランス映画の話題をさらっていたサラ・フォレスティエ(昨年の東京コンペの『ラブ・イズ・パーフェクト・クライム』で、マチュー・アマルリックを誘惑する女子大生の役も記憶に新しい)が主演する、「肉体映画」。

男女二人が、果てしない会話と取っ組み合いのケンカごっこを経て、徐々にアクロバティックでバレエのような激しいセックスに突入していく様を描く内容。これはもうドワイヨンにしか出来ない演出であり、彼のあまりにも厳しい要求に応えられるサラ・フォレスティエという稀有な女優を得て初めて実現可能だった作品だ。徹底して極端な、見たことのないような映画。俳優は肉体だ、というドワイヨンの執念が漂う。凄い。

話題をさらったといえば、日本でも『女っ気なし』が一部で熱狂的な支持を得たギヨーム・ブラック監督の新作『Tonnerre』が公開されていたので、13時15分の回に慌てて飛び込む。『女っ気なし』に続いて、現在のフランス映画で最もホットな存在と言っても過言ではない俳優、ヴァンサン・マケーニュの主演作。

とにかくヴァンサン・マケーニュの勢いはすさまじい。昨年のカンヌでは出演作が3本も公式部門に入り、その後も引っ張りだこの活躍で、ほとんど時の人と化している感じ。ダメ男の風貌を最大限に活かした抜群の演技力で、異色のスター像を確立しつつある…。

今作では田舎の実家に戻ったロック・ミュージシャンに扮し、年下の女性への愛に翻弄される単純といえば単純な物語ながら、盟友ギヨーム・ブラック監督の世界観に見事に溶け込んで、これまた素晴らしい出来。ブラック監督の、まるでフィルムのような陰影のある(むしろ暗めの)画面作りが映画的な快感を刺激して、至福の映画体験。

ドワイヨンとブラックという連続至福に浸ってしまっては、もはや他の映画を観る必要もなく(というか実際にもう見るべきものがなかったのだけど)、少し散歩をしてから、知人と合流してクスクスをお腹がはち切れるくらい食べて、宿に戻って即ダウン。

あ、そういえば、フランスは今年から14歳以下は映画料金が4ユーロになるとのこと。約500円。いいなあ、と羨むと同時に、若者の映画離れがフランスでも進んでいる結果かと思うと、複雑な気分にもなる…。

【5日(水)】
移動日。午前中はパソコンで仕事をして、昼にパッキング、シャルル・ドゴール空港に向かい、15時の便でベルリンへ。

17時に、無事ベルリンのテーゲル空港に到着。ベルリンも、さほど寒くないな。タクシーで常宿に向かい、チェックイン。ダッシュでマーケット会場の関係者受付に行き、パスやらカタログやらを受け取り、ホッと一息。

20時半に東京からやってきた同僚と合流し、久しぶりの再会を祝しながら、打ち合わせ。

のんびりしていたロッテルダムから、しばしの休暇のパリを経て、いざベルリン映画祭。いよいよ、本格的に業務モードに大転換だ。海外出張も本日で2週間を越え、おかげさまで体調も絶好調。明日から、気合いを入れ直してがんばろう。収穫がありますように!
《矢田部吉彦》

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