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妻夫木聡、英語のセリフ回しへの称賛に喜びも「僕は英語は話せません!」

戦前のカナダのバンクーバーを舞台にした映画『バンクーバーの朝日』の上映会が12月17日(水)、カナダ大使館にて外国人特派員協会との共催で開催され、上映後には主演の妻夫木聡、石井裕也監督が質疑応答を行なった。

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妻夫木聡&石井裕也(監督)/『バンクーバーの朝日』上映会 in カナダ大使館
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戦前のカナダのバンクーバーを舞台にした映画『バンクーバーの朝日』の上映会が12月17日(水)、カナダ大使館にて外国人特派員協会との共催で開催され、上映後には主演の妻夫木聡、石井裕也監督が質疑応答を行なった。

史実に基づき、戦前にバンクーバーに渡った日系移民の2世たちによる野球チーム「バンクーバー朝日軍」の活躍、現地での差別や自身のアイデンティティの所在に苦しむ若者たちが野球を通じて葛藤を乗り越えようとしていくさまを描き出す。

本作はバンクーバー国際映画祭でプレミア上映され、「観客賞」に輝いたが、現地に赴いた妻夫木さんは「(日系人への)差別や迫害のシーンもあり、カナダの人たちがそれを見てどう思われるかという不安もありましたが、ジッと見ていただき、その後の野球のシーンでは、僕が初めてバントを決めるところでは手を叩いて笑ってくれて、涙が出るほど嬉しかったです。国や言葉といった次元を超えて結びつきが生まれる瞬間を感じ、生きててよかったと思うほどの感動がありました」と改めて喜びを口にする。

戦前のバンクーバーの日系人社会を描くにあたり、取材を重ね、様々な資料にあたったという石井監督。だがその一方で「(対象を)日系カナダ人に限定してしまうと、固有の独特のものになってしまう。極端に言えば『ニューヨークの朝日』でもベルリンでも東京でもよかった。息苦しさや『なんで自分はここで生まれたのか?』と感じる人々が立ち上がる話です。“生きづらさ”を感じている全ての人に理解し、受け入れてもらえるようにということを心掛けた」と日系人社会を描く上での思いを語った。

「頭で考えるのではなく、その時代の人になり、僕自身が這いつくばることが大事だと思った」と語る妻夫木さん。カナダの日系コミュニティで生きた人々に思いを馳せ、「日本人としての誇りや日本人だという思いもあるけど、カナダのバンクーバーで生まれ育ったという思いもあっただろうし、狭間にある状態だったと思う。差別を受ける苦しみだけじゃなく、野球を通じてささやかな幸せに喜びを感じていたとも思います。あまり差別を意識して演じるということはなかったです」とふり返った。

ここで描かれるチームの様子やリーダシップが、前世紀的な“スポ魂”の熱血ドラマ調ではなく、現代に近いソフトなコミュニケーションの中で描かれている点についても質問が飛んだ。石井監督は「僕が調べた上での想像ですが」と断った上で、「そんなに精神論を振りかざすような2世はあまりいなかったのではないかと思います。アイデンティティの揺らぎといったことも含め、彼らは危うい立場にさらされており、無駄な争いや摩擦を避けて生きていたと思います。(彼らの間で)『しょうがない』という言葉が多用されていたとのことですが、その存在自体、また差別にさらされることも『しょうがない』と受け止め、無駄な抵抗はしなかったのだと思います。生きづらさや閉塞感といったことも併せて、今日の日本や世界に通じるものがあり、だからこそ、いま、この映画を作る意味を見出しました」と熱く語った。

劇中、英語でのセリフを披露している妻夫木さんは大使館での上映ということで「英語のセリフが聞き取ってもらえるか? そこが不安でした」と語るが、絶賛の声にホッとした様子で嬉しそうに何度も頭を下げていた。バンクーバーでの上映の際は、大使館でのレセプションで、劇中の様子から妻夫木さんが流暢な英語を話せると思った現地の人々から次々と英語で話しかけられたそう。妻夫木さんは外国人記者たちを前に申し訳なさそうに「僕は、英語は話せません! すいません(苦笑)」とあくまでセリフとして覚えた英語だったことを強調。客席からは笑いと拍手が沸き起こった。

『バンクーバーの朝日』は12月20日(土)より公開。
《シネマカフェ編集部》

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