ジャック・オーディアール監督(フランス)『DHEEPAN 』 ステファン・ブリゼ監督(フランス)『THE MEASURE OF A MAN 』 ヴァレリー・ドンゼリ監督(フランス)『MARGUERITE & JULIEN』 マイケル・フランコ監督(メキシコ)『CHRONIC』 マッテオ・ガローネ監督(イタリア)『TALE OF TALES』 トッド・ヘインズ監督(アメリカ)『CAROL』 ホウ・シャオシェン監督(台湾)『THE ASSASSIN』 ジャ・ジャンクー監督(中国)『MOUNTAINS MAY DEPART』 是枝裕和監督『海街diary』 Justin KURZEL監督(オーストラリア)『MACBETH』 Yorgos LANTHIMOS監督(ギリシャ)『LOBSTER』 MAIWENN 監督(フランス)『MON ROI』 ナンニ・モレッティ監督(イタリア)『MY MOTHER』 Laszlo NEMES監督(ハンガリー)『SON OF SAUL』 ギヨーム・ニクルー監督(フランス)『VALLEY OF LOVE』 パオロ・ソレンティーノ監督(イタリア)『YOUTH』 Joachim TRIER監督(デンマーク)『LOUDER THAN BOMBS 』 ガス・ヴァン・サント監督(アメリカ)『THE SEA OF TREES』 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督(カナダ)『SICARIO』
正真正銘の初監督作品が、ハンガリーのLaszio Nemes監督の『Son of Saul』。僕もこの監督の名前は知らないです。あのグザヴィエ・ドランでさえ、コンペに入るまで5本を要したのに(それを5年で達成したということが彼の異次元の天才性なわけだけど)、1本目がカンヌのコンペに入るとは、一体Laszio Nemesとは何者なのか。これは本当に注目でしょう。彼の存在こそが、今年のカンヌの変化へのチャレンジを象徴していると言えます。
デンマークのJoachim Trierも、日本ではまだ無名と言っていいかな。2011年の『Oslo, 31.August』がカンヌの「ある視点」部門に入り、それが2本目の長編作品だったので、今回3本目となる『Louder Than Bombs』でコンペ入り。同じトリアーである、ラース・フォンと同様に、かなりヘヴィーなパンチを繰り出してくる監督な印象があります。さて、今作はどうか。
モニカ・ベルッチが主演した『ストーン・カウンシル』(05)が日本でも公開されているフランスの中堅監督ギヨーム・ニクルーも、コンペは初めて。どころか、ひょっとしてカンヌ自体が初めての参加ではないかな? とはいえ、現在絶好調なので、初カンヌで初コンペということに驚きはないです(最初は驚いたけど)。2013年の『La religieuse』はベルリンのコンペに出品された秀作だったし、特に2014年の『The Kidnapping of Michel Houellbecq』が秀逸で、作家のミシェル・ウェルベックが失踪した実際の事件を、彼が誘拐されたのではないかという仮説のもとに本人に主演させて映画を作るという、破天荒な面白さを持つ傑作だったのです。ということで、ジェローム・ドパルデューとイザベル・ユペールを迎えた最新作『VALLEY OF LOVE』で、いよいよ満を持してのカンヌのコンペ。これは本当に楽しみ。