【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day4

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【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day4
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25日、日曜日。本日も晴れ! 4時間寝たので、昨日よりはマシだ。今年の序盤は例年以上にバタついてしまっているけれど、今日くらいから安定軌道に乗せたいな…。とりあえず、眠いこと以外は絶好調なので、気合い入れて外へ。

9時に事務局に着き、懸案事項の処理。

10時半に劇場に行き、コンペ『スリー・オブ・アス』の監督ビデオメッセージを紹介する前説を5分。笑いが起きて嬉しい。

事務局に戻り、懸案事項の処理の続き。

11時45分に劇場に向かい、パノラマ部門『KAMPAI! For the love of Sake』の上映後Q&A司会へ。パノラマ部門の司会をすることはあまりないのだけれど、本作がとてもウェルメイドなドキュメンタリーだったので、自ら申し出たのでした。こうやって自分の首を自分で締めていくわけだけれど、それだけの甲斐はやっぱりあって、とても楽しい場だった!

小西未来監督がこの映画を作るきっかけになった話や、登場人物たちのエピソード、そして酒造「南部美人」の久慈氏の熱い語りなど、20分の短い時間ながらとても内容の凝縮された充実のトーク。会場も熱いし、疲れが吹っ飛ぶ。ただ、残念なことに、この後に予定されていた日本酒テイスティングイベントに行けなくなってしまった…。快晴の秋の空の下で飲む日本酒はさぞかし美味しいことだろうに…。(立ち会った同僚に後から聞いたら、大層盛り上がったとのこと。うらやましい!)

いやあ、元気出たなあ、と事務局に戻り、弁当を食べ、13時から内部ミーティングが2件。

14時に劇場に行き、「スプラッシュ」部門『アレノ』の舞台挨拶司会へ。越川道夫監督、山田真歩さん、渋川清彦さん、川口覚さん。渋川さんは『下衆の愛』の主演に続いて2本目の「スプラッシュ」登場で、大車輪の活躍! 連日お会いできるのは幸せ。そして山田さんの隠れファンである僕としては、ご挨拶出来てとても幸せ。

50歳にして監督デビューを果たした(プロデューサー歴は長い)越川さんを祝福するかのような、素敵な雰囲気に包まれた舞台挨拶で、とてもよかったのではないかな? 僕としては、ゲストのみなさんにまず挨拶のお言葉を頂いて、それから各人に1問ずつ質問をし、笑いを取り(ウソ)、さらにマスコミのフォトセッションもこなし、予定の15分内にぴったり収まったので、おー、やれば出来るではないか、と自画自賛。こういう現場では、こういう小さな自己満足が大事なのだよな、うん。(いや、司会だったら予定の時間内におさめるのは当たり前ではないか、とのお叱りの声も聞こえるのだけど…)

続いて15時15分から、コンペ『ニーゼ』のQ&A。監督のホベルト・ベルリネールさんとは、壇上で初対面。プロデューサーのホドリーゴ・レチエルさんとともに、ブラジルに実在したニーゼという偉大な人物について語ってくれる。この作品のストレートなメッセージは日本の観客にもしっかり届いたようで、確かな手ごたえを感じる。ホベルト監督、外見はとても穏やかで、そして優しそう。しかし、タフな状況にある人物を好んで映画にするようで、実はとても芯が強そう。とても魅力的な人物なので、もっとお近づきになろう。

続いて16時45分に、コンペの日本映画第2弾、『残穢 - 住んではいけない部屋』の上映前舞台挨拶。中村義洋監督、竹内結子さん、橋本愛さんの3名が登壇する、緊張物件。やはり、日本の大物人気女優をお迎えするのは緊張する。なにしろ、粗相があってはならない(他の場合でもダメだけど)。

上映前挨拶は15分しか用意されておらず、英語通訳も入るとなると、本当に時間が短い。竹内さんや橋本さんが挨拶すると、会場から応援の声が飛ぶ。さすが。僕は映画祭の司会しか基本的には知らないけれど、メジャー映画の完成披露などはこのような雰囲気なのだろうな。勉強になります。

つつがなく舞台挨拶は終わり、続いて17時30分からコンペ『スナップ』の記者会見司会へ。クーデターが起き、戒厳令が敷かれた背景が映画に占める重要性、コンデート監督の写真に対する考え方、監督の女ごころの描写の正確さ、などなどについて。充実の30分。

事務局に戻り、チキン弁当だったかな? を食べて、19時に『残穢』の上映後Q&Aへ。中村義洋監督をお迎えしてのQ&Aなんて、滅多に出来るものではない。これは本当に貴重な機会だ。中村監督は怪奇現象と言われる現象は全て科学的に証明できると思っている派だそうで、これは原作の小野不由美さんもそうなのだそうな。だから怖い世界を描けるのかなあ。恐怖映画を撮っていて、実際に怪奇現象に出会ったことはない、とのことなのだけど、唯一撮影中にクビが曲がらなくなったことがあるそうで、それは長時間運転のせいだとの説明だったけれど、本当かな…。

竹内結子さんからどのような新たな面を引き出そうとしたかについて、彼女のローキーのナレーションとその効果について、音の演出について、怖さの強弱の付け方について、小野不由美さんからのひとつのアドバイスによって悩みが解消されたことについて、終わったと思わせて最後に映画を観客の方へじわじわとにじり寄らせる意地の悪い演出について、などなど。まさにあっという間の30分。いやあ、面白い。

20時に事務局にもどり、席に座ると、抗いきれない眠気に襲われ、席でしばらくうたた寝。

20時半に、作品ゲストと海外マスコミと日本映画監督協会の合同パーティーへ。またまたウーロン茶片手に、あっちをウロウロ、こっちをウロウロしながら、色々な人とお話し。今年のコンペは面白いね! と言われることもあり、とてもありがたくて勇気が沸くのだけど、去年はつまらなかったのかなあ、と少し寂しい気分にもなる…。なかなか素直に喜べない性分なので、損な性格だ…。

あ、そういえば、「つまらなかったら、お代を返します」と少し前のブログで書いていた『タンジェリン』、めちゃくちゃ評判いいみたいだ! よっしゃ、やっぱり通じた! あまり頻繁にチェックしていないツィッターで『タンジェリン』を検索してみたら、もう絶賛に次ぐ絶賛で、悪いコメントが1件もない。僕にクレームを言ってくる人も、いない。素晴らしい。ということで、配給会社募集中です!

閑話休題。パーティーでは、マイクを握って、来場している映画人を紹介するために大声を張り上げたり、中締めでこれまた大声で挨拶したり、なかなか忙しい。あー、早くのんびりウーロン茶以外のものが飲みたいもんだなあ。


大盛況のパーティーを22時15分に抜け出し、劇場に向かい、22時25分から、コンペの『フル・コンタクト』のQ&A司会へ。監督のダビッド・フェルベーグさんとは、もう数日話をしているので、もはやすっかり慣れた中。とても親しみやすくて話やすいナイスガイだ。
そして、主演の俳優のグレゴワール・コランも来日! いやあ、まさかグレゴワール・コランと普通に話をする日が来るとはね。僕にとって、クレール・ドゥミ監督、グレゴワール・コラン主演の『美しき仕事』は、人生で最も大切な映画の1本なので、その本人と普通に会話を交わしていることがとてもシュール。しかも、(うわさには聞いていたけど)めちゃくちゃ普通のめちゃくちゃいいヤツなので、くらくらする。

ただ、ふたりとも壇上では少し硬かったかな。もっとも、ダビッドは本気でスクリーン7の上映に感激していたようで、Q&A終了後「これほどの大きな画面で、こんなにも大勢で熱心な観客の前で映画を上映したことは一度もない」と繰り返し言っていた。映画祭を催す側で、これほど嬉しい言葉がほかにあるだろうか?

スクリーン7の客席が改装になって、中央に巨大な豪華シートが設けられているのは、まあいいとしても、全体として壇上と客席の距離が遠くなってしまった気がする。司会席から見て、例年よりお客さんが遠い。いつもはもっと反応が伝わってくるのだけど、今年はまだ新しい環境に慣れていないので、少し進行がぎこちないかも。

で、『フル・コンタクト』はさすがに歯ごたえがある作品なので、みな咀嚼するのに時間をかけているのだろうという雰囲気は感じられた。それでも質問の手はすぐに上がり、やはりすぐに話したい、という気持ちを喚起する作品でもあるのだな。ダビッドが映画の解釈の余地について、例を挙げながら話してくれる。『フル・コンタクト』の作品理解に役立つかどうか、というよりも、ダビッド・フェルベークという映画監督の思考経路を把握するためのコメントといったほうがいいかな。とても興味深いのだけど、ちょっとコメント長いよダビッド(笑)!

23時を回ったので、少しためらったのだけど、もう1問受けることにした。すると最後列の青年から、自分のこういう解釈についてどう思うか? というストレートな質問が来たので、僕はとても嬉しくなった。僕の感想も彼のものに近かったこともあるのと、ストレートな思考を恐れない若々しい姿勢が会場の空気を瞬時に変えた気がした。

客席の構造がどうなろうと、Q&Aは楽しいなあ。明日も素敵な瞬間がありますように。

事務局戻って0時。余った弁当をもらってほおばり、何故か夜になると訪れる(小規模な)荒波に巻き込まれ、本日もそろそろ4時半。いったい今年はどうなっているのだろう? いや、毎年こんなもんだっけ? まあいいや、このペースに慣れてしまおう。とはいえ、そろそろ帰ります!

(写真は『フル・コンタクト』のD・フェルベーク監督とG・コランさん)
《矢田部吉彦》

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