【MOVIEブログ】2016東京国際映画祭 Day2

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(c)2016TIFF
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5時就寝10時起き、とてもゆっくり休めた気がする! シャワー浴びて外に出ると、快晴で、暑いくらい? 昨日の雨と寒さは一体何だったのだと思いつつ、思い通りに行かないのが人生、晴れの天気を満喫するモードに切り替えて事務局へ。

本日の流れを確認し、早めの昼食弁当を頂く(中華弁当ウマし!)。本日夜の上映後に、超限定のサプライズ・プレゼント大会を考えたので、その抽選くじを作る。数字を書いた紙をプリントアウトして、チョキチョキ切る。うまくいくといいなあ。

続いて1件打ち合わせ会議。

13時半になり、インドネシア特集「カラフル・インドネシア」の中で上映される『三人姉妹』のQ&Aを見学にいく。今日の昼のコンペにはゲストがまだ来日していないので僕は司会業が無く、こうやって他部門の作品を覗きに行けるのが嬉しい。けど、こういうことができるのも今日だけかな? 壇上には、監督、キャスト、司会、通訳、全員女性でまさに絢爛。

続いて、インドネシアが優れた女性監督を次々と輩出していることに注目したパネル・ディスカッションが行われ、その様子も一部見学。パネリストのひとりのモーリー・スリア監督は、『愛を語るときに、語らないこと』(’13)が世界中の映画祭を巡った才能で(同作はTIFFでも上映)、僕もとても注目している存在。自分はインドネシアの女性としては例外的な存在であると語り(髪を隠さないなど)、映画の中で表現の自由を追求する姿勢が実にカッコいい。今年は彼女の08年のデビュー長編『フィクション。』を上映するので、こちらも注目です。

事務局に戻ると、『シェッド・スキン・パパ』のチームが事務局を訪問しており、絶叫に包まれている! さっきはいささか疲れ気味のスタッフの顔が、俄然輝いている。うわあ、これは序盤の素敵なサプライズ!

僕も思わず興奮し、それからパソコンに向かい、書類仕事と、ブログを少し書く。

16時劇場に向かい、本日最初の司会は、日本映画スプラッシュの『太陽を掴め』。上映前の舞台挨拶で、中村祐太郎監督、髭野プロデューサー、脚本の木村暉さん、主演の吉村界人さんと、共演の松浦祐也さんが登壇。中村監督はここ数年の学生映画界でにわかに注目を浴び、一気に商業映画を狙えるポジションに飛躍し、エネルギーのほとばしる吉村界人さんを迎え、勢いのある新作を完成させた。粗削りの部分はあるけれども、エネルギーで押し切る映画があっていい。吉村界人という次代スターを祝福する場であってもいい。ここから飛び出せ! という意味では文字通り「スプラッシュ」な作品と呼びたくなる。

中村監督の個性と、吉村さんのオーラが重なって、素敵な舞台挨拶になったのではないかな? 2014年のスプラッシュ出品の『知らない町』でも印象的な役を演じられた松浦祐也さんが来て下さったことも僕には嬉しく、若さの緊張が支配する場の空気を、松浦さんの不思議にリラックスした物腰が和ませてくれて、楽しい。

舞台挨拶終了し、スクリーンを移動して、17時から『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』のトークを見学に行く。これは僕はノータッチなので、満席のスクリーン7の客席からメンドーサ監督、行定監督、クオリーカー監督が登壇するお姿を拝見。

17時40分くらいに事務局に戻り、鳥の天ぷら? の美味弁当を3分で食べ、『太陽を掴め』Q&A司会へ。中村監督とサシでしゃべりまくり、面白い内容になったのではないかな? 途中から松浦さんも合流し、本音トークもボロボロ出るし、淀みのない刺激的な時間になった! スプラッシュのトークはコンペとはまた違った楽しみがあって、楽しいのだなあ。

トーク終わり、フォトセッションタイムに入ったので、僕はそこで退場し、別の場所で打ち合わせ。日本映画監督協会の新人賞を受賞した松永大司監督の『トイレのピエタ』が上映され、上映後に松永監督と、「Variety」誌のアジア部門のチーフ・クリティックであるマギー・リーさんとの対談が予定されていたので、マギーさんとは旧知の仲である僕が打ち合わせに参加し、内容の確認など行う。でも、別に僕が行く必要はなく、松永監督とマギーさんは数年来の知り合いであったことが分かり、とても良い雰囲気で打ち合わせが進行。そのまま本番に突入し、僕は2人を壇上に呼び込んだだけでお役御免。

そして直ちにシネマズを出て、今年の映画祭で初めて使用することになるEXシアターへ初移動。司会のはしごが多いので、合間にどのくらいの移動時間を見るべきなのかが僕の個人的な大テーマになっていたのだけど、下見で測ったところ、4分半で移動できる。これならば楽勝!

とはいえ、EXシアター内の裏導線がわからないので、移動は早くても到着してから建物内で迷う。これはやばい。2020年の東京オリンピックに、方向音痴選手権が正式種目に採用されたら、僕は男子の部で日本代表入りは確実でメダルも期待される存在なので、とにかく移動には慎重にならないといけない。

しかし、2度ほどドアを間違えただけで、無事にEXシアターの楽屋に到着。19時40分から、コンペ『7分間』のメイン上映Q&A司会。初会場での司会は、独特の緊張感が新鮮でいいですね。僕はまだ客席で作品を見ていないのだけれど、スクリーンも大きいし、音響設備もよさそう。『7分間』の緊張感がちゃんと会場に漂っているので、とても安堵しながらQ&A開始。

昨日の上映もそうだったけれど、スリリングでシビアな社会派ドラマ『7分間』のあとの、このトークの楽しさは一体どういうわけだろう? オッタビア・ピッコロさんの素晴らしい人格が場を支配するのと、若手のアンブロ・アンジョリーニさんの奔放な魅力があいまって、なんとも幸せな気分になる。客席からの質問も、硬派のものから柔らかいものまで含み、オッタビアさんたちの返しも軽妙で、笑いに包まれつつも、シリアスな部分も決して失わない。いやあ、いいQ&Aだったなあ。

EXシアターでもこの雰囲気が出せることが分かって、とにかく安堵。しかし、時間が足りないことは変わらない…。

もう、これは永遠の課題なのだけど、シネマズのスクリーン7でも、EXシアターでも、メインとなる会場ではコンペを夜に2本上映したい。ワールド・プレミアであれば、土日、あるいは平日の夜に組みたい。でも平日だと、会社勤めの方のことを考えると、どうしても17時台スタートは避けたい。せめて18時開演にしたいのだけど、そうすると、上映2時間として終演20時、30分Q&Aをやって20時半、キャパが大きいので入れ替え時間が最低でも30分ないとまずいので、次の作品の開場が21時、開演21時30分、となると終演が23時半となり、Q&Aを30分やると0時になってしまう…。これだと終電がやばい。なので、Q&Aは本当に時間との戦いで、でも、気が遠くなるような交渉過程を経て来日してくれたゲストたちを目の前にして、時間切れでQ&Aを切り上げるのは、本当に腸を断つ思いがする…。

20時15分に終わり、シネマズへ戻る。劇場内の一角で、なんとプロのカメラマンから写真を撮ってもらうことになっていた。いきさつの詳細を分かっていないのだけど、僕の身の丈をはるかに超えたプロフィール写真が出来るかも? どういうものが出来てくるか、ちょっと恐ろしいけれど、もちろんちょっと楽しみ。

10分で撮影は終わり、「コンペティション」部門と「アジアの未来」部門のゲストをお招きするプライベート・パーティーへ。1時間くらいしかいられなかったけど、ウーロン茶片手に数組のゲストとお話しし、全員に向かって大声で歓迎のあいさつをしてカンパイし、滞留時間ほぼ1時間で、後ろ髪をひかれるように退出。

22時半にEXシアターに移動し、本日、のみならず、もしかしたら今回の映画祭全体で最大かもしれない緊張物件、『シェッド・スキン・パパ』の上映後トーク司会!

このあまりにもユニークで奥深いコメディーを見たとき、ワールド・プレミアで招待できたら何と素敵になことになるだろうと夢想したのだけど、まさか実現するとは! いや、この仕事をしていてまさかとは思ってはいけないのだけれど、どんなに楽観的な人でも、フランシス・ンとルイス・クーが揃って来日してくれると本気で思える人なんて、いないのではなかろうか?

交渉初期の段階から、どうやらお2人とも来日に前向きであるとの情報が伝わり、俄然緊張が高まってきた。チケットは早々と売り切れた。香港映画ファンの興奮が伝わってくる。しつこいけど、ルイス・クーとフランシス・ンだ!

そして、本当に来日。僕はもちろんお会いするのは初めて。ルイス・クーさんは、平時でもあまり表情を変えず、常に静か。が、どうやら気難しいのではなく、近づいて来るファンの人を拒むことをしない。徹底したプロだ。フランシス・ンは、少し怖いかな…、という勝手な予想を100%払拭する丁寧でフランクな方で、信じられないことに親しみやすい。そして、どうやらお互いを尊重し合っている様子で、ここまでの大スターどうしだと、舞台裏で口をきかないとか、下衆な想像をしがちだけど、ベタベタはもちろんしないものの、適度にお互い穏やかな会話を交わしているのを見て、ちょっと感動してしまった。

数日前からの懸案事項は、登壇ゲストが6名になること。全員が冒頭で挨拶して、そこに日本語と英語の通訳を交えると、それだけで15分を超えてしまうかもしれない。やはりほとんどの観客がルイス・クーとフランシス・ンのコメントが聞きたいはず。だとしたら僕が司会で質問して、トークという形で進めた方が効率的かもしれない? でもそれだとファンのみなさんはがっかりしてしまう?

と、いろいろなことを考えつつ、トークが23時半を越えてはまずいだろうという事情もあり、客席からの質問はなしにすることを決定。でもその代わり、プレゼントを用意しようということになり(サイン会や握手会、ハイタッチ会に至るまで、検討をずーっと続けていたのだけど、どうしてもうまくいくパターンが見い出せず、その果てに絞り出した案でした)、座席番号を書いたクジを両スターに引いてもらう案を実施することにしたのでした。この日記の冒頭で作っていたクジとは、このこと。

いよいよ緊張のトーク時間開始! 客席から登壇するゲストをお迎えしようと思ったら、僕が自己紹介する前からフランシス・ンが歓声を受けており、息子のフェイマン君(本作に出演しており、実は中国ではリアリティ番組に出演していたことで知らない人のいない有名な子役らしい)を抱きかかえて舞台に上がってきたところで、すべての段取りは崩壊。もう呼び込みの順番も何もなくなり、そもそもフェイマン君登壇予定でなかったから椅子が足りないし、あああ。

でも、こういう前向きなハプニングは楽しいですね。お客さんも喜んでいるし、僕もクリストファー・ドイルが客席を走り回った『壊れた心』のQ&A以来、滅多なことでは壇上で驚かなくなったし、まあともかく盛り上がってよかった。トークは、残念ながら深いところまでお聞きすることはできなかったけれど、そういう場にする必要もなかったとは思うし、よかったのではないかな? とにかく観客の黄色い歓声が本当に本当に嬉しい。

そして、プレゼント・コーナー! 当たった座席の方がもうお帰りになっているというケースが2件続き、何度も両スターにクジを引いてもらうことになってしまってビビったけれど、もうとにかく引いてもらうしかないので引いてもらい、そして無事2名の方にサイン入りポスターと英語パンフレットを彼らから直接お渡しすることができた!

いやあ、盛り上がりましたね。ちょっとドタバタしてしまったけれど、コンペでこういう盛り上がり方をすることもなかなかないので、めちゃくちゃ楽しい場だった! 何よりも、観客があたたかい! 素晴らしい!

スターたちが引き上げていき、スタッフ一同深いため息。深い安堵感と充実感…。

よろよろと事務局に帰り、0時に1個、3時にもう1個お弁当を頂き(すみません)、ブログを書いていたら猛烈な長文になってしまい。ああ、また4時が近い。やばい。上がります。それにしても、なんともすさまじく濃い一日だったことか!

(写真は、クジ引きの行方を見守る壇上! いい写真が撮れました。にこやかなルイス・クー、フランシス・ンと膝の上の息子フェイマン君、クジの箱を持って座る女性の右がロイ・シートウ監督、左が原作の佃典彦さん、そしてクジの行方を不安そうに目で追う司会の僕!)
《矢田部吉彦》

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