永瀬正敏&水崎綾女、河瀬直美監督『光』クランクアップで魂の涙「終わっちゃったな」

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『光』クランクアップ (C)「光」製作委員会
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  • 『光』(C)「光」製作委員会
永瀬正敏が『あん』の河瀬直美監督と再びタッグを組む映画『光』。制作発表後、早くも注目を集める本作がこのほどクランクアップとなり、永瀬さん、そしてヒロインを務めた水崎綾女が魂を込めた作品に熱い涙を見せていたことが分かった。

“映画”というもうひとつの人生を観客と共有するべく、音声ガイドの制作にたずさわる美佐子(水崎さん)。あるとき、視覚障碍者向け映画のモニター会で弱視のカメラマン、雅哉(永瀬さん)と出逢う。映画の光に導かれるように、2人は音声ガイドの製作過程で衝突を繰り返しながらも、互いの心をゆっくりと通わせていく――。

世界最高峰のカンヌ国際映画祭にて、新人監督賞カメラドールを受賞した1997 年の『萌の朱雀』、その10年後の2007年に審査員特別大賞グランプリを受賞した『殯の森』に続き、10年周期のジンクスとなる来年2017年に、河瀬監督のオリジナル脚本の最新作として送り出される本作。

撮影は、「日本の四季の中で光が一番美しく降り注ぐ、この季節に撮影をしたい」という監督の思いのもと、今年10月16日から自身の創作拠点である奈良でスタート。約1か月の撮影を経て、11月14日19時半ごろに京都文化博物館にて無事クランクアップを迎えた。

河瀬監督は「明日起きたら、明後日起きたら、奈良にもう雅哉も美佐子もいないのだと思うと、なんだか身を裂かれるような想いがするのです。それほど登場人物たちと一緒に生きていたな、という気がします」と、撮影を終えたばかりの心境をコメント。「クランクインが満月で、とても重要な雅哉と美佐子のシーンを撮った日が新月で、そして今日、クランクアップの日がまた満月。光もすべて味方につけた、俳優たちこそが、スペシャルだと思っています!」と、永瀬さんらキャストたちをねぎらった。

河瀬監督と『あん』以来2度目のタッグとなる永瀬さんは、“弱視のカメラマン・中森雅哉”に完全になりきった状態で、目の焦点を合わせずに演技をしていたため、共演者である水崎さんの顔をきちんと見ることがないほどに役にのめり込んだという。「終わったな…終わっちゃったなって感じです。なかなか言葉にするのが難しいのですが、魂よりももっと大きなものをフィルムに焼き付けられたらと思いながら日々過ごしていました」と、永瀬さん。

「弱視から目が見えなくなっていく過程の苦しみや、実際に目の不自由な方々の苦しみを、極力うそがないようにしたくても、実際の僕は目が見えています。でも少しでも近づきたいと出来る範囲の最大限の事をやり、自分自身に足枷をはめ、視力を失ってからはほとんど食事を取らず雅哉として生きてきました。実際に目の不自由な方々の気持ちを考えたら、僕らの小さな悩みや絶望というのは、大したものではない…そんな風に世の中の観方がこの作品で変わるきっかけにもなったらと思っています」と、その役ヘの没頭ぶりと、真摯な思いを口にする。

そして、「1人でも多くの方にこの河瀬監督が伝えようとしている『光』が届くことを願っています」と語り、「やっぱり僕にとって河瀬組はスペシャルでした」と撮影をふり返った。

また、“バリアフリー映画を手掛ける尾崎美佐子”として、撮影前から奈良に住み始め、約1か月もの間、24時間、役になりきって生活し、作品づくりに没頭する日々を過ごした、監督に見出された新たなヒロイン・水崎さん。「1か月以上、“美佐子”として暮らしていたので、先ほど監督に『水崎綾女!』と名前を呼ばれ、急に現実に戻された感じです。私だけ、最初の1週間は台本がないまま演じていて、やがて1日分の台本をいただくようになり、10日前にようやく台本を1冊貰って読ませていただきました。もう、8割、9割のところまで進んでいて、『あと数ページしかない!』という状況でしたが、そこから作品のヤマが続き、ようやく2日前頃(ゴールという)“光”が見えてきた感じがしました」と、撮影の過程を明かす。

さらに、「役になりきるために、もの凄く苦しくて大変だったのですが、撮影が終わってしまうのが本当に寂しい…。まだ河瀬組に身を置いていたいし、美佐子でありたいという気持ちがいまは強いです」と熱い言葉を寄せた。

魂を込めて演じ続けた日々を思い、クランクアップを迎えた永瀬さんと水崎さんの瞳からは熱い涙がこぼれていたという本作。この2人、そして河瀬監督自身の“離れがたさ”が、この作品が放つ“光”の強さを物語っているようだ。

『光』は2017年、全国にて公開。
《text:cinemacafe.net》

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