【MOVIEブログ】2017ベルリン映画祭 Day4

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A Fantastic Woman
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12日、日曜日。6時半起床でバタバタと外に出ると、寒さが少し和らいでいる。2~3度くらいかな? 東京は雪と聞いているけど、東京のほうが寒いのかも。

本日も9時からコンペのプレス試写で、日本では『太陽と月に背いて』や『敬愛なるベートーベン』などで知られる(もちろんワイダ作品の脚本家としても高名な)ポーランドのベテラン、アニエスカ・ホランド監督の新作で『Pokot』。期待が高かったのだけれど、いささか落胆してしまった。狩猟を良しとする環境に反発する女性の物語で、冒頭から展開が散漫でなかなか映画の方向性が定まらない。そして複雑な様相のわりには終盤の落としどころが単純で、手練れの脚本家の仕事としては首をひねってしまう…。んー。

続いて11時から会場を移動して、メキシコ映画の新作プレゼン企画を見に行ってみる。今年のベルリン映画祭はメキシコにスポットが当てられていて、この企画もその一環。完成間近のメキシコ映画が5本紹介されて、それぞれ監督が登壇してクリップ映像を流しながら簡単にコメントをしていく。そのうちの1本にとても興味を惹かれたので、終了後に監督に挨拶をして名刺を渡し、完成したら是非見せて下さい、と挨拶。こういう機会は極めて貴重なので、とてもいい企画だ!

プレゼン企画は12時半頃に終わり、モールの簡易中華屋さんで炒め野菜系などを頂く。長期出張ではいかに野菜を食べるかが課題になるので、ここぞとばかりにいんげんやブロッコリーを摂取。味は、まあまあかな…。

13時半から16時までは各社とミーティング。日本でも人気の某若手監督の新作が秋に完成するので、東京に持ってこられるかどうかの痺れる相談があったりして、なかなかに緊張する。

少し時間が空いたので、ホテルに戻ってパソコンを開こうと思ったら、昼寝をしてしまった…。

すっきり回復して、17時45分に上映に戻り、「パノラマ部門」のアメリカ映画を鑑賞するものの、いまひとつ響かず。

続いて19時半から、「フォーラム部門」のアルゼンチン映画で『Rustlers』という作品へ。60年代のアルゼンチン南部で圧政を働いたことで悪名の高いイシドロ・ベラスケスという政治家に関する映画を作ろうとして、いかに実現しなかったかを監督が語っていく一種のセルフ・ドキュメンタリー。とにかく監督のナレーションが早口で続いていくので、字幕を追うのに精いっぱいになってしまうのだけど、それは意図的なことだと分かってくると俄然面白くなる。

もともとの企画を持ち込んだ先が現代アルゼンチン映画界の中心人物であるプロデューサーのリタ・スタンティックで、彼女とのやり取りの経緯などはアルゼンチン映画に興味がある者にとってはたまらない。ナレーションと無数の画像や映像のコラージュが合わさるインスタレーション作品のようでもあり、父との関係を語るプライベート映画でもあり、まさに映画祭でしか見られないタイプの作品で、満足。

続いてメイン会場に行き、22時からのコンペ上映で『A Fantastic Woman』(写真)というチリの作品へ。前作『グロリアの青春』が2013年のベルリンで主演女優賞を受賞したセバスチャン・レリオ監督の新作。ネタバレが怖いので多くを書くのは控えるけれど、本作も女優が素晴らしい。とてもシンプルな物語を、余計な小細工なしにストレートに描く姿勢に好感が持てる。上映後の場内の拍手もとても大きく、ダイレクトに観客の胸に響いたみたいだ。僕は少しだけ気になる点があるので、諸手を挙げての絶賛までには至らないのだけど、それでもヒロインが主演女優賞候補であることに異存はなし。昨日の『Felicite』の女優さんとの一騎打ちになるか? いやいや、まだまだ映画祭も前半戦、今後も楽しみにしよう。

宿に戻って0時半。ブログ書いて1時半。今日は(昼寝したのに)早めに寝ます!
《矢田部吉彦》

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