1913年パリ。ココ・シャネルはカペルという名の裕福な男性に夢中であり、仕事においても多忙を極めていた。一方、イゴール・ストラヴィンスキーは「春の祭典」のリハーサルを行っていた。革新的な不協和音に満ちた曲を作り出すイゴールの創造性は、過激なファッションデザイナーとしてのココの方向性に類似していた。しかし7年後の1920年、ココは意中のカペルを交通事故で亡くし悲しみに暮れる。一方、イゴールはロシア革命後、無一文となりパリに亡命していた。そしてふたりは出会う――。シャネルの全盛期に誕生したNo.5と、その影に隠された宿命を描く真実のドラマ。
ヤン・クーネン