ファッション小噺vol.91 大画面で観たい“着るアート”

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『落下の王国』 -(C) 2006 Googly Films, LLC. ALL Rights Reserved
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ユニークで斬新な映像表現で、その才能を見せ付けた『ザ・セル』のターセムが久々に新作『落下の王国』を発表しました。構想26年。撮影期間4年。常人には想像もつかない情熱を込めて、24か国、世界遺産13か所で撮り上げたという壮大な作品です。

ロサンゼルスの病院を舞台に、アレクサンドリアという少女とロイという男性との出会いを軸に、2人が物語の世界へと想いをめぐらせていくさまを描いた幻想的な物語。そのファンタジックな世界を支えるのは、日本が誇るコスチュームデザイナー、石岡瑛子さん。『ザ・セル』に続き、今回も彼女に衣裳デザインを依頼したターセム監督は石岡さんの大ファンなのだそう。先日、監督来日に合わせて行われたトークショーで石岡さんは「私の武器である“視覚言語”を欲してくれる監督はとても少ない。それを深く求めてくれる人のためならいくらでもやろうと思いました」と語っています。信頼し、尊敬し、理解し合える2人の関係は、素晴らしい限りです。

ここで、ちょっと石岡瑛子さんについてご紹介しておきます。東京芸術大学美部卒業後、資生堂在籍中に女性で初めて日本宣伝美術会賞を受賞。広告の世界でデザイナーとして才能を発揮しました。1980年代よりニューヨークに活動拠点を移し、活躍はさらに世界規模に飛躍。

映画『MISHIMA』の美術監督(第38回カンヌ国際映画祭芸術貢献賞受賞)、マイルス・デイヴィスのアルバム「TUTU」のアートワーク(第29回グラミー賞受賞)、映画『ドラキュラ』の衣裳デザイン(第65回アカデミー賞受賞)と、仕事のほんの一部を取り上げただけでこの華々しさ。アート、映画、舞台とジャンルの枠も軽々と超えています。つい先日閉幕した北京オリンピックの開会式でコスチュームを手がけたのも彼女。「どうりで!」と、“洗練”の理由に大きく納得した方も多いのではないでしょうか。

彼女の手がける衣裳はまさに“着るアート”。そんな石岡さんの作品をじっくり堪能するためにも、『落下の王国』は、ぜひ大画面で楽しみたい一作なのです。

《text:June Makiguchi》

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