池松壮亮×忽那汐里インタビュー 伊勢の街で、2人でひとつずつ積み上げた想い

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『半分の月がのぼる空』 池松壮亮×忽那汐里
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人はときどき、カタルシスを求めて“泣ける”映画を観たくなり、泣かせようとする映画は数え切れないほど存在する。けれど、キャラクターに自分を重ね合わせ心から泣ける映画、知らない間に涙が溢れてしまう映画は限られている。そのなかで『半分の月がのぼる空』は素朴ながらも自然と感情移入してしまう“泣ける”映画だ。そこで主演の池松壮亮と共演の忽那汐里、若手注目株の2人にこの純愛映画について語ってもらった。

肝炎を患い入院してきた“裕一(池松さん)”。9歳から入院している“里香(忽那さん)”。この2人があるきっかけで知り合うところから物語はスタートする。そして、最初に2人が出会うシーンの演出方法として深川監督が用意したのは、撮影前にできるだけ2人が顔を合わせないことだった。彼らの演技力と監督が用意したその状況によって、初々しさとぎこちなさがフィルムに焼きつけられた。
「最初はお互いあまり話をすることはできなくて…。印象的だったのは汐里ちゃんの目線。海外育ちのせいなのか相手の目をじっと見て話をするんですよね」と、照れくさそうに話す池松さん。本人曰く「人見知り」なのだとか。しかし、忽那さんは「私はそうは感じなかったですよ」と池松さんの目をじっと見つめ、また照れる彼──。ピュアで真っ直ぐな性格の裕一とちょっと気の強い里香という役は、2人にとってハマり役だったようだ。

裕一の性格について「僕はそんなにピュアじゃないですよ。でも、自分と違う性格の主人公を演じることはすごく楽しかったですね」と、はにかみながらこう続ける。
「伊勢という街で真っ直ぐに育ってきた感じとか、まだ高校生なのに自分では大人だと思っている(生意気な)感じとか、演じていて楽しかった。難しかったのは限られた時間で裕一の里香への気持ちをひとつひとつ積み上げていく作業。屋上で初めて出会ってから彼女に生きていてほしいと思うまでの気持ちの持って行き方を(自然に)演じられなければ後半の物語につながらないなと思って…」。

その言葉に同意するようにうなずく忽那さん。
「オファーをもらって台本を読んで、いいシーンもいい台詞もたくさんある、すごくいい話だと思いました。でも、それらを活かすには壮亮くんが言うように後半に向けて自分で気持ちを積み重ねていかなければならなくて。1つも気の抜けない役だなと。“ずっと”という想いをあんなに早い時期に築き上げた2人は素敵だなと思いました」。

そんな2人の変わらぬ想いを演じるにあたって、「伊勢の街並みが力を貸してくれた」と池松さん。
「伊勢はすごく有名な観光地だけれど、この作品に映し出されているのは有名ではない何気ない風景──たとえば冒頭に出てくる商店街は知らない町なのに懐かしい感じがするんです。気をつけたのはそこに自分が立ったときに違和感があってはいけないなと。それは常に意識していました」。また、原作ファンが足を運ぶ聖地とも言える虎尾山がモデルとなった砲台山のシーンも感動的だ。裕一が里香をおぶって山を登る撮影について「壮亮くんは大変だったと思います」と申し訳なさそうにつぶやく忽那さんに「いや、軽かったですよ。逆に軽すぎてしんどいフリをするのが大変だったくらい」と、優しくフォロー。自分と裕一は似ていないというけれど、この優しさあってこそ演じられた裕一のはず。

そして、2人の会話によく出てきたのは「監督との話し合いが楽しかった」という感想。特に忽那さんは「こんなに監督とコミュニケーションをとったことはなかった。テスト撮影であっても芝居が終わるごとに駆けつけて、1回1回詳しく説明してくれるんです」と、監督のアドバイスが安心感、信頼感につながったと語る。

ちなみに一番印象に残っているのは砲台山を登るシーンと病院の屋上で『銀河鉄道の夜』の一節を語り合う場面。どちらも涙を誘うシーンだ。もちろん、2人とも完成した映画を観て泣いてしまったと言う。特に池松さんは「映画会社の試写室で観たんですけど、観に来た方がどんな反応をするかが見たかったのに、その前に自分が号泣してしまって(苦笑)。鼻をすすって泣いている人たちの姿を見たら、自分たちの演技がちゃんと届いているんだと実感できてまた泣けてきちゃったんですよね」と感動を伝える。観客は裕一と里香を通じてかつて高校生だった頃の自分に思いを馳せ、またはいまの自分自身と重ね合わせ、きっと涙することだろう。



特集:年下のカレ
http://www.cinemacafe.net/special/u25/
《text:Rie Shintani》

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