ジュード・ロウインタビュー 「バカげたやり取り」から生まれるコメディの面白さ

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『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』 ジュード・ロウ
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「撮影の中で『ワトソンならどうするか?』ってことを考えなくても、彼として反応できてしまう瞬間というのがあるんだ。そういうときにこの仕事をやっている喜びを感じるよ」。世界で最も有名な探偵の相棒を2度にわたって演じたジュード・ロウは、役者の醍醐味をこう語る。しかし、それだけ役柄になりきった上で、愛する女性との平穏な生活を切望しながらも理不尽な親友(しかも意外に繊細な一面を持ち、ごくたまに気を遣ってきたりするから逆にタチが悪い!)によって望まぬ方向へと巻き込まれていく男を演じるのは辛そうな気もするが…。しかもその最悪かつ魅力的な親友シャーロック・ホームズを演じるのは“あの”ロバート・ダウニーJr.である。「僕と彼の関係は、ワトソンとホームズ同様に互いに忠誠心を持ち、楽しく、そして複雑な関係なんだ(笑)」とはジュードの弁。史上最強の名コンビによる第2弾『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』の公開を前に来日を果たしたジュードに、改めて本作の魅力や自身のキャリアについて語ってもらった。

前作の公開からおよそ2年での続編公開。ホームズにとって史上最強のライバルであり「犯罪界のナポレオン」(ホームズ)という天才・モリアーティ教授との対決が描かれるが、この続編に関してジュードとロバートはかなり早い段階から関わっていたという。
「実は1作目のヒットを受けて、次の脚本が書かれている最中から、僕とロバートはそれを読んでいたんだ。僕らが持っている意見やアイディアを出してほしいってことでね。まず最初に受けた驚きは、ロンドンを飛び出してパリやドイツ、ウィーンにまで赴いたり、とにかくスケールが大きくなっていることだったね」。

一方で当初、こんな懸念も…。
「この作品では僕とロバートが即興で作り上げていく部分が多いんだ。それがいわゆる会話の妙を生み出す面白いところなんだけど、誰かがそうした即興的なやり取りを脚本の段階で真似して作ってみようとしたみたいなんだ。でもそれが全く面白くない、ヒドい代物だったんだ(苦笑)。そこは心配だったよ」。

やはり“即興っぽいやり取り”ではなく、熟練した2人の本物のやり取り、化学反応に任せるべきといったところか。だがこの即興に関しても、冒頭の言葉にもあるようにジュードはあくまでワトソンになりきった上でロバート…いや、ホームズの言動に反応している。
「もちろん主要なキャスト陣はこの映画がどういうトーンの作品になるかというのを常に念頭に置いて仕事をしているものだよ。ただ、ワトソンを演じる上では、僕は完全に彼そのものになってるんだ。変装したホームズに反応を返したり、何かと極端なシチュエーションに身を置いたりしていて、それは傍から見たら滑稽なものだけど、やっている僕らは真剣そのものなんだ。一見、バカげたやり取りを一生懸命にやることでコメディやドラマが生まれるんだ」。

ガイ・リッチー監督の専売特許とも言うべきスローモーションを取り入れたド派手かつ繊細なアクションシーンなど映像作品ならではの演出と共に、先述のホームズとワトソンの丁々発止のやり取りなど演劇を思わせるような魅力をも感じられる本作。ジュード自身、本作撮影直後にもウエスト・エンドで上演される舞台に参加するなど、映像作品と並んで精力的に舞台もこなしているが、それぞれのどういった部分に魅力を感じているのだろう?
「そうだな…楽しみということで言うとバラエティを楽しんでるという感じかな。どちらかをやるともう一方が恋しくなってくるんだよ。舞台はリハーサルだけで12時間に及ぶこともあるし、上演そのものは2時間くらいだけど、その間ずっと集中力を切らすことが出来ない。ずっと張りつめたままでとにかく疲れるんだ(笑)。一方で、映画はもっと短時間での集中が必要とされる。全体の撮影の期間は芝居より長かったりするけど、スタッカートな感じなんだ。僕らの演技だけでなく、そこに後から編集やいろんなエフェクトが付け加えられていくから、演じている方も最終的に完成した映像を見るまでどうなってるのか分からなかったりするしね。もちろん、細かいことを言えば演技の質やスケールの違いはあるんだけど、共通して言えるのは、自分の熱意や情熱が大切だっていうことだね。物語を語る上でどれだけの熱意を持って臨み、パフォーマンスに対してどれだけ情熱を注げるか? その部分を何より大事にして、それぞれの違いを楽しんでいるよ」。

刺激を求めて常にあちこちを飛び回る。やはりというべきか、この男の本質はどうやらワトソンではなくホームズに近いようだ。

《text:Naoki Kurozu》

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