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  • レッドカーペット裏側
  • 映画祭会場沿道に集まるファン達
トロント国際映画祭が閉幕してから早3週間。駆け抜けるように過ぎ去ってしまい、閉幕直後に襲ってきた脱力感もさすがに落ち着いてきました。

振り返ってみると連日連夜、スターの来場の有無関係なく(通常の映画鑑賞料金より割高にも関わらず)劇場前には長蛇の列が作られており、世代関係なくいかに浸透しているかを感じたこの映画祭。列で待ってる間には、知らない人同士やボランティアスタッフの人たちと「○○が面白かったよ」と映画トークに花を咲かせていたり、暑い日には近所の店からアイスが無料で振る舞われたりと、一帯が映画祭ムードになっていました。

そんな中、私も日本映画を含めいくつかの映画を鑑賞しました。何せ上映作品が350本以上もあるので、選ぶのも一苦労でしたが、中でも個人的に外せなかったのがジム・ジャームッシュ監督の最新作『Only Lovers Left Alive』(原題)とジョセフ・ゴードン=レヴィットの初長編監督作『ドン・ジョン』 (原題)。ヴァンパイア・ブームがまだ続いているかは分かりませんが、ジャームッシュ独特のアンニュイな世界観で描かれるヴァンパイアの宿命は一見の価値あり。また、ステレオタイプな男女(米ニュージャージーが舞台)の描写が評価の善し悪しを分けている『ドン・ジョン』 (原題)は、とにかく笑いぱなしの90分で、ジョセフの笑いのセンスが光っていました。

独特の世界観と言えば、ジェシー・アイゼンバーグとミア・ワシコウスカ共演の『The Double』(原題)も興味深い一本でした。不器用な草食男子とずる賢いナンパ男演じ分けたジェシーの演技ももちろん良かったのですが、気になったのは途中で挿入されている「上を向いて歩こう」(坂本九)を始めとする日本の昭和歌謡曲の数々。監督はイギリス出身の若手監督(リチャード・アヨエイド)なのですが、音楽とレトロ調の美術が独特のシュール感を醸し出していました。ほかには、ジュディ・デンチ&スティーヴ・クーガン共演の『あなたを抱きしめる日まで』なども心に残る一本でした。

また、初めてで緊張したレッドカーペットイベントには各国からのマスコミが集まっており、俳優のセクシーで美しいショットを狙うカメラマンたちの勢いに驚くこと。中には近日に行われていたヴェネチア映画祭から飛んできたという人たちもいました。そんなカメラマンたちの勢いよりも熱を帯びていたのが、スターたちが食事をするレストランや宿泊するホテルなどでの出待ちをするファンの方々。映画祭会場の周辺には多くのホテルが集まっているのですが、スターを一目見ようと大勢の人々が集まっていました。中には、毎年恒例行事としてホテルのフロントで出待ちをしているという母娘もおり、娘2人を連れた母親に「誰が来るの?」と聞けば「分からないわ」と言うから、きっと何かしらの勘で動いているのでしょう…。

さて、映画祭が終わり、街中のディスプレイはハロウィンの飾りが目につくようになりました。近所の園芸屋さんでも大小様々なかぼちゃが売られており、カーヴィングに挑戦したいなと思いつつ、知人によれば室内に置くとすぐに腐ってしまうそうなので、もう少し我慢することに…。
《text:Izumi Kakeya》

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