【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day5

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【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day5
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26日、月曜日。寝坊した! 5時半就寝8時15分起床のはずが、2度寝した! 9時にハネ起きて、パニくりながら支度して外へ。大事な要件が朝にあったのだけど、実はそれほどパニくる必要もなく、事なきを得た。ふうー。むしろ2度寝から起きられたことが奇跡。

気合いが足りん! と自分を叱りつつ、10時からコンペ『ぼくの桃色の夢』の舞台挨拶。ハオ・ジエ監督、やっぱりとても素敵で、「本作の主人公を演じるパオ・ベイアルと僕は似ていて、外見は軟弱そうに見えるのですが、中身は結構強いんです」。優しい人柄に、目の奥に芯の強さが宿る監督の個性は、確かに作風に現われている。んー、スクリーンでもう1回見たい。

事務局に戻り、バタバタと懸案事項の処理。続いてミーティングが1件。そして嬉しいお弁当タイム。確かオムライスだったかな? 5分でペロリ。

12時15分に劇場に行き、日本映画スプラッシュの『スプリング、ハズ、カム』のQ&A司会。吉野竜平監督、柳家喬太郎師匠、石井杏奈さん、朴ろ(木へんに路)美さん、柳川慶子さん、埋舟惟永さん、内村遥さん。ほのぼのとした作品にふさわしく、とても楽しいQ&Aで、癒される! 喬太郎師匠もさることながら、石井杏奈さん(美しい!)がどこかはにかみながらも、ハキハキとコメントするので場のノリがとてもいい。

吉野監督は、関係作りの一環として、父親役の喬太郎師匠と、娘役の石井杏奈さんにキャッチボールをさせたとのことで、それは石井さんは一球投げるごとに父親に悪口を叫び(バカ!とか)、喬太郎さんはそれを「ありがとう」と言いながら受け止める、というものらしい。色々考えるもんだなあ、と感心することしきり。「今日はまたこの家族が一緒に揃うことができて嬉しい」、と喬太郎師匠は発言されたように、本当に雰囲気のいいチーム。ずっとこの時間が続けばいいのになあ、という幸せな時間だった…。

続いて、13時半から、コンペ『FOUJITA』の上映前舞台挨拶司会。少し早めに劇場控室に行くと、もうすでに人でいっぱい。熱気がこもっている! クラクラするくらい美しい中谷美紀さんにご挨拶すると、僕の名前を憶えていてくれて、倒れそうになる。でも、いい思いをすると、必ずバチが当たるから、うかつに喜ばないようにしなくては。でもやはり頭が真っ白になるのを止められない…。

そして、初対面だったオダギリジョーさんのカッコよさといったら。いままで気付かなかったのだけど、オダギリさんの笑顔の殺傷力はものすごい。もちろん、気さくに話しかける雰囲気ではないのだけれど、「よろしくお願いします」と一言返してくれるそのときに、浮かべる笑顔が胸を貫いてくるのだ。ああ、びっくりした。

そして、小栗康平監督。今日イチの感動は小栗監督だったのだけど、それは後述。

上映前舞台挨拶が始まり、みなさんにご挨拶を頂いた後に、サプライズ! 10月29日70歳の誕生日を迎える小栗監督に、中谷さんとオダギリさんから花束贈呈のサプライズ。ただ、段取り確認不足で、壇上がちょっとドタバタしてしまった! 天下の中谷美紀とオダギリジョーを、公衆の面前で右往左往させたという、もう僕の映画業界での未来はそんなに長くないかもしれない…。

それでも、中谷さんが花束を小栗監督に渡してホッペにキスをしたので、会場は一気に温かい雰囲気で包まれた! オダギリさんは「中谷さんが、僕にも監督にキスしろって言うのだけど、無理でしょー!」と発言して場内爆笑。

段取りミスはしたけど、とても楽しかった! 緊張物件だと思っていただけに、幸せも倍増。帰り際に中谷さんと握手し、また倒れそうになり、そしてオダギリさんに「おつかれさまでした」と声をかけると(ここで振り向かずに去って行く人はとても多い)、「おつかれさまでした」とキラー笑顔。やばい。まいった。

運のいいことに、上映中にほかの要件が入らなかったので、場内に入り『FOUJITA』をスクリーンで見ることにする。後半の日本パートの美しさがやはり群を抜いて素晴らしく、完全に画面に没頭。連日、映画に全身どっぷり浸かっているわりには映画を見るのが久しぶりなので(バカみたいな話だけど)、映画が染み入る。そして、『FOUJITA』ほど染み入る映画は,、そうそう他にはないはず。

再見して気づいたことは多いけど、中谷美紀さんの演技が実にいいのだよなあ。短いセリフのイントネーションが絶妙なのだ。それを含めて、改めてこの作品がコンペティションで上映出来ていることに、感動を深める…。

上映終わり、Q&A。小栗監督を壇上にお迎えする。そして、僕にとっては、過去に例のないくらい感動的なQ&Aになった! 小栗監督の穏やかなお人柄にまず感動し、そして、各質問への答えが、徐々に深みを増していく。映画と絵画について、そして映画の心理描写重視への警鐘、さらに昨今の映画は近代的自我を過度に重視してはいないか、という指摘に、頭を殴られたような気がする。そして、宗教的な観点と「祈り」について。もう本当に感動した。Q&Aが楽しくて感動したことはたくさんあれど、たったひとことで映画の見方に影響を与えられてしまう小栗監督の語りは、いままで壇上では体験したことのない感動を与えてくれた。

控室に戻り、「Q&Aを1時間くらいやりたかったです」と僕が言うと、「今度映画祭終わったらゆっくり話しましょう」。今日はなんだか感動してばかりだ。

17時に事務局に戻り、懸案事項を処理。数本電話。小波がやって来ては去っていく。席でぼんやりする時間がほとんど皆無。

18時半から、綱渡り連投スタート。

まずは18時50分から、スプラッシュ部門『ケンとカズ』の上映前舞台挨拶司会。小路紘史監督、カトウシンスケさん、毎熊克也さん、飯島珠奈さんらが登壇。とてもイキのいい、元気で爽快な舞台挨拶で最高。

19時10分に終了。すぐにスクリーンを移動し、6分後の19時16分から「ワールドフォーカス」部門の『シム氏の大変な私生活』Q&A司会。これは絶対に外すわけにはいかなかった! ミシェル・ルクレール監督、今年のベストゲスト賞受賞候補となるくらい、素敵な人だ! 『シム氏』、僕はもうたまらなく好きな作品なのだけど、直前に意見を聞いた女性からは、あまり芳しくない評価もあった。むむ? と思いながら場内に入ると、熱気ムンムンではないか! みなが楽しんだことがひしひしと伝わってきて、これまた極楽的Q&A。それにしても、ルクレール監督は最高。

19時50分に終わり、7分後の19時57分から、コンペ『神様の思し召し』のQ&A。監督のエドアルド・ファルコーネさんをお迎えして、冒頭からハイテンションのQ&A! 実は、一見イタリアの「普通」なコメディに見えて、とても深いところまで鮮やかに踏み込んでいる作品なのだけど、果たして「まあ面白くなくはないけどコンペでなくてもいいのではないかい?」的なコメントを超えるところまで行けるのだろうかと、不安はあるにはあった。本作をコンペに選ぶ理由はいくらでもあげられるし、イタリアの笑いと言えど日本人も絶対笑えると思っていたけれども、それでもこのようなタイプの作品がコンペにはあまり入らないので、ふたを開けてみるまで分からなかったのだ。

結果、どうやら好評のよう? 会場の反応もよい? いままで見たコンペでこれが1番、という方もいて、深く安堵。もちろん、そうでない人もいるだろうけれど、大好きだという人もいるということで、それだけでコンペの幅を広げたことにもなるし、選んで良かったなあ、としみじみ…。

20時半に終わり、10分後の20時40分から、『ケンとカズ』の上映後Q&A司会へ。小路監督とカトウシンスケさんが壇上に戻り、これまたとても熱いQ&Aになった! 僕の勝手な見た目判断だけれども、真面目な小路監督と、やんちゃキャラのカトウさんとのコントラストが面白く、話の内容も、Q&Aも途切れることがない。「映画の神が降りた」場面の照明について、ふたりの主演俳優のコンビネーションについて、映画を仕上げるということの大変さについて、などなど。新人監督のデビュー長編のワールドプレミア。監督にとっては一生に一度のことなので、その神性な場に立ち会える光栄を噛みしめつつ、将来の作品でお会いできることを祈る!

以上で綱渡り4連発も無事渡りきり、職場に戻って、21時半から重要なミーティングを約1時間。

22時30に劇場に行き、『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』のQ&A。監督のロバートも、ベストゲスト大賞(そんな賞はないです)候補! 親しみやすく、カッコいい。でかい(今年はノッポゲストが多い)。『ボーン・トゥ・ビー・ブルー』、エンディングを舞台袖で聴いているだけで、全身にトリハダが立つ。本当にしびれる。イーサンの歌を思い出すだけで、泣きそうになる…。

びっしり埋まった観客席、Q&Aで帰る人はほとんどいない。壇上から会場を見渡すと、観客がみな呆けた(失礼)ような、しびれたような、恍惚の表情を浮かべているのが良く見える。いやあ、そうでしょう、そうでしょう。本当にこの作品は非の打ちどころがほとんどないのではないか? 会場の熱気は、今年一番かもしれない。クールな音楽+絶品イーサン・ホーク、熱くなって当然。

Q&A終わって外に出ると、知り合いが多く会い、次から次へと立ち話。映画祭も5日目となると、見ている作品も増えてくるので、何が良かったなどの感想が多く聞けるようになって楽しい。もちろん、逆のケースもあるけれど、それはそれでとても貴重なのは言うまでもない。

事務局もどって0時。重要案件を処理して2時。ブログ書いて4時15分。ああ、今日もやっぱり4時は過ぎるのだな。夜2個目(ん?3個目だったか?)のお弁当をこんな時間にぺろり。4時過ぎペースに体が慣れてきたか? あまりしんどくないのが不思議なのだけど、調子に乗っている場合ではないので、ボチボチ帰ります。本日もなかなか刺激的だった!
《矢田部吉彦》

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