勢いある新鋭vsベテラン&実力派…アカデミー賞の大波乱は“助演男優・女優枠”!?

映画

『クリード チャンプを継ぐ男』-(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
  • 『クリード チャンプを継ぐ男』-(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
  • 『クリード チャンプを継ぐ男』-(C)2015 METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC. AND WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
  • レオナルド・ディカプリオ/『レヴェナント:蘇えりし者』(C)2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
  • 『レヴェナント:蘇えりし者』(C)2015 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
  • トム・ハンクス&マーク・ライランス/『ブリッジ・オブ・スパイ』 -(C)  Twentieth Century Fox Film Corporation and DreamWorks II Distribution Co., LLC. Not for sale or duplication.
  • アリシア・ヴィキャンデル/『リリーのすべて』 (C)2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
  • 『リリーのすべて』 (C)2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
  • ケイト・ウィンスレット/『スティーブ・ジョブズ』-(C)Universal Pictures
まもなく2月29日(日本時間)に開催される、第88回アカデミー賞授賞式。その行方を占う“前哨戦”もひとまず落ち着き、「主演男優賞」は“今度こそ”4度目の正直で『レヴェナント:蘇えりし者』のレオナルド・ディカプリオが大本命か、といわれている。

また、「主演女優賞」には『キャロル』ケイト・ブランシェットや『JOY』(原題)ジェニファー・ローレンスの“経験者”を抑え、『ルーム』のブリー・ラーソンが最有力視されている。その対抗となるとしたら、同じく子役から活躍する『ブルックリン』のシアーシャ・ローナンか、キャリア51年目で初ノミネートの『さざなみ』シャーロット・ランプリング。50年代のアイルランド移民女性の心の揺れと成長を描いた前者や、ベテランの妙演が光る後者はアカデミー会員の“支持を集めそう”ではあるものの、深く傷つきながらも息子と共に再生の道を探る若き母親を演じたラーソンに、これまでの勢いで軍配が上がりそうだ。

そんな中、各賞ごとに結果が異なり、映画関係者の間でも意見が割れているのが、“助演枠”。いずれも、オスカー受賞経験のある実力派や大ベテランと、いま注目度・人気ともに急上昇中の新鋭や新境地に挑む中堅が入り乱れており、混戦模様となっている。

■『クリード』“老ロッキー”ことS・スタローンか、渋くて物静かな老スパイか!?

今回「助演男優賞」にノミネートされているのは、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のクリスチャン・ベイル、『レヴェナント:蘇えりし者』のトム・ハーディ、『スポットライト 世紀のスクープ』のマーク・ラファロ、『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランス、そして『クリード チャンプを継ぐ男』のシルベスター・スタローンの5人。カメレオン俳優ともいわれるベイルは2010年の『ザ・ファイター』で同賞を受賞しており、“ハルク”としてもおなじみのラファロは、昨年の『フォックスキャッチャー』に続いて2年連続・3度目のノミネート、そのほかの3人は初ノミネートとなっている。

『クリード』でのスタローンは、彼の代名詞でもある元世界チャンピオン“ロッキー・バルボア”の老いた“いまの姿”を熱演したが、その演技には胸アツになる人が続出。ゴールデン・グローブ賞ではスタンディングオベーションを受けて「助演男優賞」を手にし、その後も全米映画俳優組合(SAG)賞、放送映画批評家協会賞(BFCA)と前哨戦を制覇。ただ、今回のアカデミー賞が白人俳優ばかりで「多様性に欠く」との批判を受ける中、ノミネートをスルーされたライアン・クーグラー監督と主演のマイケル・B・ジョーダンのために、一時は授賞式出席を辞退するつもりだったことも明かしていた。

40年前、自身の鮮烈なデビュー作となった『ロッキー』(’76)は「作品賞」など3冠を受賞、「主演男優賞」と自ら手がけた「脚本賞」でノミネートもされたが、今回受賞すれば初のオスカー獲得。もしそうなれば、ボイコット騒動に揺れた授賞式のボルテージが一気にアップするはずで、クーグラー監督やジョーダンらに向けたコメントにも注目が集まるに違いない。

とはいえ、『ブリッジ・オブ・スパイ』でソ連側の老スパイを飄々と演じてみせたライランスも、全米映画批評家協会賞や英国アカデミー賞(BAFTA)などで受賞しており、その最大のライバルとなるかもしれない。また、『レヴェナント:蘇えりし者』でディカプリオ演じる主人公が、復讐の執念を燃やして追い続ける敵役を怪演したハーディも、見逃せない。ライバルが強敵であればあるほど、主演はいっそう輝くわけで、『ダラス・バイヤーズクラブ』のマシュー・マコノヒー&ジャレッド・レトのように主演・助演コンビで受賞というケースもなきしもあらずだ。

■『リリーのすべて』A・ヴィキャンデル、『キャロル』R・マーラ…主演を支える女性たちにも火花が!?

ゴールデン・グローブ賞、BAFTAでは『スティーブ・ジョブス』のケイト・ウィンスレットが受賞し、SAG賞、BFCA、そして直近のサテライト賞では『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが獲得している「助演女優賞」。ウィンスレットはこの濃密な会話劇の中で、“カリスマ”ジョブズを演じたマイケル・ファスベンダーに匹敵するほどのセリフ量を披露しており、カリスマを公私にわたって支え続けた部下として強い印象を残している。『愛を読むひと』で「主演女優賞」を獲得している彼女は、実に7度目のノミネートだ。

一方、『リリーのすべて』のヴィキャンデルは、今回が初ノミネート。エディ・レッドメイン演じる最愛の夫が、苦しみながらも“本当の自分”になっていく姿を受け入れる妻役で、性別や肩書きを越えた深い愛の結びつきを、力強く、情感豊かに演じて見せた。今回のアカデミー賞では「脚本賞」「視覚効果賞」でのノミネートのみとなったが、彼女は“美しすぎる人工知能ロボット”を演じた『Ex Machina』(原題)でも高い評価を受けており、さらなる追い風になる可能性大。

また、垣根を超えた愛といえば、女性同士の愛を描いた『キャロル』のルーニー・マーラは、カンヌ国際映画祭で女優賞を獲得している。大人の女性としてキャロルに憧れつつも、本当の愛を知り、次第にその喜びだけでなく悲しみや苦しみも知っていく若いアーティストの変容を、見事に体現してみせたマーラ。『ドラゴン・タトゥーの女』で「主演女優賞」にノミネートされているが、『キャロル』もまちがいなく代表作の1つとなるはずだ。

『ミーン・ガールズ』『きみに読む物語』で一躍ブレイクしたレイチェル・マクアダムスにとっても、女性新聞記者役に挑んだ『スポットライト 世紀のスクープ』はオスカー初ノミネート。持ち前の魅力的な笑顔を封印し、カトリック教会の一大スキャンダルを暴いた社会派の同作でさらなる新境地を開拓している。

そして今回、ダークホースとして一番の“クセ者”となりそうなのが、タランティーノ節大全開の『ヘイトフル・エイト』で、ただ1人の女性を演じたジェニファー・ジェイソン・リー。子役時代から長らく活躍してきた彼女は、意外にも、タランティーノ監督が集大成として描いた密室ミステリーで初ノミネート。雪山で“生き残る”ために手段を選ばない破天荒ぶりはディカプリオ以上(?)で、もしかしたら彼女が嵐を巻き起こすかもしれない。

しかし、あれこれ予想をしてみても、結果はやはり神のみぞ知る…。29日の授賞式まで、楽しみに待っていよう。
《text:cinemacafe.net》

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