元カップル登場、ミケルセンの意外な一面も!? 2016年カンヌ国際映画祭を総括

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ケン・ローチ/photo: Emi Yoshida
  • ケン・ローチ/photo: Emi Yoshida
  • ジョージ・ミラー、ヴァネッサ・パラディ、ドナルド・サザーランド/photo: Emi Yoshida
  • 審査員団/photo: Emi Yoshida
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  • オリヴィエ・アサヤス/photo: Emi Yoshida
  • シャーリーズ・セロン/photo: Emi Yoshida
  • シャーリーズ・セロン、ハビエル・バルテム、アデル・エグザルコプロス、ショーン・ペン/photo: Emi Yoshida
  • グザヴィエ・ドラン/photo: Emi Yoshida
ケン・ローチ監督の『I, Daniel Blake』を最高賞パルムドールに選び、無事に幕を閉じた第69回カンヌ国際映画祭。

”無事”というのが今年はとても重要だった。昨年のパリ、今年のブリュッセルと大きなテロが相次いだため、カンヌ周辺は厳重な警戒態勢で、コート・ダジュール空港は軍隊が巡回、豪華客船やクルーザーが浮かぶカンヌの海にもフランス海軍の巡視艇が停泊し、上映会場に入る際にはバッグの中身を隅々までチェック。その結果、特に大きなトラブルは起きず、平穏に終わった。もっとも、授賞結果は大荒れ。批評家や観客の間で人気だったドイツの女性監督マーレン・アーデの斬新なコメディ『Toni Erdemann』や、ジム・ジャームッシュの『Patterson』(永瀬正敏がおいしい役を演じている)が無冠に終わる一方で、不評と思われたオリヴィエ・アサイヤス(フランス)がクリテン・スチュワート主演で撮った心霊スリラー『Personal Shopper』が監督賞を受賞。審査員は映画の作り手のため、着眼点が違うのか。

審査員団は毎年世界中の映画人から選ばれるが、今年は委員長に『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のジョージ・ミラー(オーストラリア)、審査員にマッツ・ミケルセン(デンマーク)、ヴァネッサ・パラディ(フランス)、キルステン・ダンスト(アメリカ)ら総勢9名。中でも目立っていたのが、御年80歳になるドナルド・サザーランドだった。審査員会見でサザーランドは、いつもアメリカの影に隠れがちな祖国カナダの自虐ジョークを連発。カナダ人記者から自国の映画界についての意見を求められると、「戦争中、フランス、イギリス、カナダの兵士が敵に捕まり、処刑前に最後の望みを聞かれた。イギリス兵士は紅茶を望み、カナダの兵士は15分だけ自国のアイデンティティーについて語らせてほしいと頼んだ。フランス兵士は、カナダ人のスピーチを聞く前に殺してくれ、と頼んだ」と語り、会場は爆笑に包まれた。その飄々とした様子は、ドナルドの出世作『M★A★S★H マッシュ』(1970年のパルムドール受賞作)のまんま。さらに授賞式後には「寒いなあ」とブランケットを被って会見場に現れるなど、もう独壇場だ。そんなマイペースなドナルドになついていたのが、マッツ・ミケルセン。どこに行くにもドナルドの後を追いかけていて、映画で見せるクールな顔と違い、かわいい末っ子キャラだった。

ジョージ・クルーニー&アマル夫妻、オーランド・ブルーム&ケイティ・ペリーら華やかなカップルの姿も注目を集めたが、逆の意味で話題だったのがシャーリーズ・セロンとショーン・ペン。2人は昨年はラブラブでカンヌのレッドカーペットを沸かせたのだがその直後に破局。しかし今年はショーンが監督、シャーリーズが主演した『The Last Face』がコンペティションに選ばれたため、2人は再びカンヌに登場したが、会見中もレッドカーペットでも必ず間に共演のハビエル・バルテムやショーンの長男ホッパー・ペンを挟むなど、微妙な距離を保っていた。さらにレッドカーペットを一度昇りきったショーンが、ある若い女性が到着すると階段を駆け下りて迎えに行ったときは一瞬びっくり。若い金髪女性が大好きなショーンの新しい恋人かと思われたが、ショーンの長女ディランだった。上映中も少し離れた席に座っていた2人だったが、上映後にスタンディング・オベーションを受けると、シャーリーズがショーンの頬にキス。映画監督としてのショーンへの敬意のしるしだったのだろう。映画はアフリカの紛争地で活動する”世界の医療団”をモデルにした社会派ドラマだが、題材に対してメロドラマの要素が強すぎたのは、ショーンがシャーリーズへの未練があるせいなのだろうか。ちなみにレッドカーペットでは黒いタキシード風スーツでマニッシュに決めたシャーリーズには、今年のベスト・ドレッサー賞をあげたい。

ある視点部門で深田晃司監督の『淵に立つ』が審査員賞を受賞するなど日本勢の活躍もあり、今年のカンヌの12日間も盛りだくさんだった。来年は70回記念大会。どんな趣向が凝らされるか、今から楽しみだ。
《text:Ayako Ishizu》

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