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小西真奈美インタビュー 緊張感と信頼感の中で生まれた名シーン

女性なら誰しも若い頃の美しさをいつまでも保ちたいと願うもの。女優という職業であればなおのことだ。けれど、素敵な生き方をしているなと思う女優の多くは、たいていこう言うのだ——「年齢を重ねることが楽しい」と。小西真奈美もそのひとり。「30代になって気持ちが自由になったんですよね」と微笑むその表情は、確かに開放感があってキラキラと輝いている。また、32歳を迎えた2010年は、映画『猿ロック THE MOVIE』、『行きずりの街』、『シュアリー・サムデイ』が立て続けに公開となり、小西真奈美の名前はこれまで以上に広く知れ渡った。そして、新作の『相棒 -劇場版II-』が今年を締めくくる。10年間続いているこの人気シリーズの劇場版第2弾への参加は、彼女にどんな自由を与えてくれたのか──。

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『相棒−劇場版II−』 小西真奈美 photo:Yoshio Kumagai
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女性なら誰しも若い頃の美しさをいつまでも保ちたいと願うもの。女優という職業であればなおのことだ。けれど、素敵な生き方をしているなと思う女優の多くは、たいていこう言うのだ——「年齢を重ねることが楽しい」と。小西真奈美もそのひとり。「30代になって気持ちが自由になったんですよね」と微笑むその表情は、確かに開放感があってキラキラと輝いている。また、32歳を迎えた2010年は、映画『猿ロック THE MOVIE』『行きずりの街』『シュアリー・サムデイ』が立て続けに公開となり、小西真奈美の名前はこれまで以上に広く知れ渡った。そして、新作の『相棒 -劇場版II-』が今年を締めくくる。10年間続いているこの人気シリーズの劇場版第2弾への参加は、彼女にどんな自由を与えてくれたのか──。

「30歳は30代の0歳。思い切ってやっちゃえー! って」

「20代はいろんな意味で、自分自身と必死に戦ってきたと思うんです。撮影現場で迷惑をかけずに演じることが仕事だと思っていましたし、自分に課すハードルも高かった。プライベートで何かにチャレンジしたくてもプライベートでそんなに時間をとっていいの? って、一歩踏み出せない自分がいたんですよね。それが30代に入ると、30歳は30代の0歳、言ってみれば30代の初心者なわけだから、思い切ってやっちゃえー! って、挑戦できた。そうやって生き方を充実させることで、自然と仕事も充実するようになりました」。

自分自身のことをふり返る顔もやはり晴れやかだ。良い悪いを含めて、以前の自分はどうだったのかを受け入れていることが、彼女にとっての成長となり、「誰かに頼ることが、時にはコミュニケーションにつながり、アイディアが生まれる。話し合いながらものを作っていく楽しさを知った」と、新たな発見もあったと語る。もちろん、『相棒 -劇場版II-』の現場も彼女に多くの楽しさをもたらした。

小西さんが演じるのは、警視庁総務部装備課・主任の朝比奈圭子。『猿ロック THE MOVIE』で警察署長役を演じているが、今回は大切な人の死を乗り越え、正義とは何かを問い続ける、苦しみと悲しみを背負った刑事役だ。「『相棒』シリーズは、刑事ドラマでは描ききれない人間ドラマを描いている」と、自ら抱いたイメージを大切に、朝比奈圭子という女性像を構築していったと明かす。
「それほど出番のある役ではないんですが、登場する要所要所が事件と大きく繋がっていて…。脚本から感じたのは、最終的に彼女がとった行動は個人的な復讐や憎しみではなく、もっと大きなものに対して立ち向かわなければ現状は何も変わらない、何も報われないということ。たとえ無力であっても立ち向かう、強くあろうとしている女性にできたらいいなと思いました」。

それが色濃く出ているのが、後半の取り調べ室で涙を流す場面だ。グッと胸をわしづかみにされると同時に、役者・小西真奈美の実力を見せつける名シーンとなった。
「名シーンだなんてとんでもない。でも、あのシーンはギリギリまでセリフをどうするか監督と悩んでいたので、そう言ってもらえるのは嬉しい。朝比奈圭子という女性が何に立ち向かおうとしていて、何のために行動をとったのかが、全て見えるシーン。監督と一緒にここはこういう気持ちだよねと、気持ちをセリフで拾っていく作業を繰り返しました。1カットで撮るというのもプレッシャーでしたね。ただ、水谷(豊)さんも及川(光博)さんも自分が映っていないところであっても感情のキャッチボールをきちんとしてくれる役者さん、本当に助けられました。後々聞いたことなんですけど、『相棒』は長回しの多い現場らしいんです。ドラマで当たり前のことであるのに(自分のために)緊張感を持って望んでくれたことが嬉しくて…」。

「求められる限り、女優としてやっていきたい」

そして、そのシーンを撮ったあとに『相棒』シリーズがこれだけ長く愛されている理由は「これだ」と確信したと言う。
「絶対的な信頼感があることと、初心が現場に漂っていることですね。シリーズが長くなればなるほど、馴れ合う可能性は出てくるもの。けれど『相棒』のキャストにもスタッフにもそれが全く感じられないんです。私のようにゲストでポーンと現場に入っても、絶対的な信頼感を委ねてくれる──緊張感と信頼感が共存している素晴らしい現場でした」。その「緊張感」を楽しんで受け止めたからこそ、あれだけの演技がフィルムに刻まれたのだろう。

そんなふうに、またひとつ演技の幅を広げたからこそ聞いておきたいのは、今後の野望。どんな女優を目指すのか? プライベートではどんな人生プランがあるのか?
「いつまで仕事を続けるのか、結婚して子供が産まれたら仕事をどうするのか、個人的なプランは全くないんですよね。そういうことに関してはものすごくフワッとしているんです。ただ言えるのは、(女優として)求められる限り仕事はやり続けたいとは思っていて。今回の刑事役のように、やったことのない役を年齢を重ねた上でいただくのは、(相手が自分の)可能性を感じてくれているようで凄く嬉しいんです。だから、次はもっと激しいアクションもやってみたいなって思ったり(笑)」。

小西さんのこの好奇心こそが、いまの彼女を輝かせている光源なのだと実感した。そして、30代はもちろん、40代もその先もずっと──自由に羽ばたいていく姿が目に浮かんだ。



特集「『相棒—劇場版II—』初心者のための『相棒』講座」
http://www.cinemacafe.net/ad/aibou/
《photo:Yoshio Kumagai / text:Rie Shintani》

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