恋人でも愛人でも友人でもない『敬愛なるベートーヴェン』レビュー

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『敬愛なるベートーヴェン』 サブ2
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日本の年越しに欠かせない「第九交響曲」をはじめ、「エリーゼのために」、「運命」などベートーヴェンの曲を知らない、聴いたことがないという人はまずいないだろう。そんな世界中の人々に愛され続けている偉大なる音楽家の晩年、“第九”の生まれた背景を描いた映画が『敬愛なるベートーヴェン』だ。

監督はレオナルド・ディカプリオ主演『太陽と月に背いて』のアグニエシュカ・ホランド。ベートーヴェンを演じるのは彼女と20年来の友人であり、今回が『ワルシャワの悲劇/神父暗殺』『奇蹟の詩 サード・ミラクル』に続く3度目のタッグとなるエド・ハリス。ピアノ、指揮、写譜を身に着け、狂気とも言える音楽への情熱、難聴がもたらした苦悩、愛を成就できなかった孤独な生涯──心身共にベートーヴェンを演じきった。最大の見せ場である「第九」の演奏シーンは圧巻の一言!

そして、今もなお謎とされるベートーヴェンを支えた3人目のコピスト、アンナ・ホルツ(ダイアン・クルーガー)との愛の行方もみどころのひとつ。恋人でも愛人でも友人でもない師弟愛という愛の形を描くことで、天才でありながらも奇人と言われたベートーヴェンの内面をえぐり出している。音楽がどんどん偉大になっていく一方で自身の健康や環境はどん底に進んでいく…その皮肉な運命がまたドラマティックなのである。

《text:Rie Shintani》

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