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【インタビュー】高月彩良×有村架純 『思い出のマーニー』がくれた宝物

『思い出のマーニー』の完成披露舞台挨拶の壇上で、ヒロインのマーニーの声を務めた有村架純はスタジオジブリ作品への声優参加に、感極まって声を詰まらせながら「夢みたい」と語った。

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高月彩良(杏奈役)×有村架純(マーニー役)『思い出のマーニー』/Photo:Naoki Kurozu
高月彩良(杏奈役)×有村架純(マーニー役)『思い出のマーニー』/Photo:Naoki Kurozu
  • 高月彩良(杏奈役)×有村架純(マーニー役)『思い出のマーニー』/Photo:Naoki Kurozu
  • 高月彩良(杏奈役)×有村架純(マーニー役)『思い出のマーニー』/Photo:Naoki Kurozu
  • 『思い出のマーニー』新ポスター-(C) 2014 GNDHDDTK
  • 高月彩良(杏奈役)『思い出のマーニー』/Photo:Naoki Kurozu
  • 高月彩良が声優を務める、杏奈/『思い出のマーニー』 -(C)2014 GNDHDDTK
  • 有村架純(マーニー役)『思い出のマーニー』/Photo:Naoki Kurozu
  • 有村架純が声優を務める、少女・マーニー/『思い出のマーニー』 -(C)2014 GNDHDDTK
  • 高月彩良(杏奈役)『思い出のマーニー』/Photo:Naoki Kurozu
『思い出のマーニー』の完成披露舞台挨拶の壇上で、ヒロインのマーニーの声を務めた有村架純はスタジオジブリ作品への声優参加に、感極まって声を詰まらせながら「夢みたい」と語った。観る者のみならず、演じる側にとってもジブリ作品が“特別”であることを実感させられる。そして、そんな彼女が「隣にいてくれたから…」と感謝の思いを伝えたのが、約300人の中からオーディションで選ばれた、もうひとりのヒロイン・杏奈を演じた高月彩良。彼女もまた「一生の誇り」という言葉で、本作への出演の特別な喜びを口にした。

原作は多くの人に愛された英国の児童文学。舞台を日本に置き換え、疎外感を胸に、喘息の療養のために海辺の村にやって来た杏奈が、湿地の奥の洋館に暮らす不思議な少女・マーニーとの出会いを通じて少しずつ変わっていくさまを瑞々しく描き出す。

16歳の高月さん、21歳の有村さん。物心ついたときには、ごくごく当たり前のようにジブリ作品が存在し、ジブリ作品を観て育った世代である。有村さんが生まれた1993年の前年に『紅の豚』が公開されており、高月さんに至っては『もののけ姫』の公開の年(1997年)に生まれている。

お気に入りのジブリ作品を尋ねると、高月さんは『千と千尋の神隠し』を挙げた。

「初めて観たジブリ作品なんですけど、私は小さいとき、映画を観るのが苦手で、すぐに飽きちゃう子だったんです(苦笑)。それが『千と千尋』だけは2時間以上も夢中で、すごい衝撃的でした。終わったときに『何だったんだろう? この時間…』と。夢の世界に入り込むような作品でしたね。特に音楽(久石譲)が好きで、自分もどこかに一緒に連れて行かれそうな気がしました」。

一方、有村さんは『となりのトトロ』を初めて観たときのことが忘れられないという。

「衝撃でした。幼稚園のときに初めて観たんですけど、すごい夢を見させてもらいました。ジブリの作品は、どの作品を観ても嫌いな登場人物がいないです。特にヒロインがたくましいし、どの女性もカッコよくて魅力的ですよね」。

そんなジブリ作品への出演のチャンスが巡ってきた。高月さんも有村さんもオーディションに赴き、役を勝ちとった。高月さんは「最初にオーディションがあると聞いたときは、それだけで『うわっ!』っとなりました(笑)。ジブリのオーディションを受けさせてもらえるの? って。ただ、最初は受けるだけで嬉しかったんですが、こんなチャンス、二度とないかもしれないと思うと『絶対に受かるぞ!』という気持ちになりましたね。受かったときはすっごく、すっごく嬉しくて(笑)。事務所を通じてではなく、直接、合格を言い渡されたのも初めての経験で、夢のようでした」とふり返る。

一方、有村さんもまた、強い思いを持って臨んだ。

「実は私は、デビュー当初に一度、ジブリ作品のオーディションを受けたことがあったんです。その時は残念ながら落ちてしまったので、『今度こそ!』という思いはありました。でもだからと言って気負わず、構えすぎずに、思い切ってやろうという気持ちでした。オーディションは初日のトップバッターだったんです。『初日の一番最初なんて、印象に残らないだろうな…』と思ってまさか受かるとも考えてなかったので、合格と聞いたときはホントにびっくりしました」。

ちなみに、有名な話だが本作の米林宏昌監督は、高月さんがお気に入りに挙げた『千と千尋の神隠し』のカオナシのモデルになった人物。高月さん自身は「アフレコのときは知らなくて、つい最近知ったんです」と“奇縁”を笑いつつ、「でも監督はホントにジブリの作品に出てきそうな人です。緑の帽子を被って自転車に乗ってチリンチリンとやって来る森の妖精みたいな人なんです」と楽しそうに監督の印象を語る。

その米林監督は、鈴木敏夫プロデューサーに原作の映画化を提案されたとき、「難しい」と感じたという。その理由は、原作ではヒロイン・杏奈の一人称の語りや心理描写が多く、アニメーションでの表現には向かないと感じられたため。アニメーションでは、決して多くはないセリフの中で高月さんは、杏奈の心情を表現しなくてはいけなかった。

「杏奈は心を閉ざして誰とも関わりたくないと思っているし、気持ちを素直に人に伝えられない女の子。ただ、マーニーと出会うことで成長していく。私自身が何かを『心がけた』というよりも、マーニーがいてくれたことがすごく大きかった。アフレコの2日目から有村さんが来てくれたんですが、それで一気に肩の力が抜けて楽になりました。私も杏奈と一緒にマーニーと出会って、心が解放されていくように感じました」。

有村さんも「杏奈とマーニーの2人の関係を何より大切に演じた」をふり返る。

「最後に明かされる“真実”も踏まえて、マーニーがどんな思いで杏奈と接しているのか? ごく普通のひとりの少女であると同時に、彼女の抱える背景も意識しながら臨みました」。

共に、10代の少女特有の悩みや葛藤を抱えるヒロインに共感を覚える部分も多かった。高月さんは、本作で得た経験を踏まえてこう語る。

「人に気持ちをうまく伝えることができない部分はよく似てると思います。照れくさくなって素直に『ありがとう』と言えなかったり、不器用なところはそっくりですね。私自身、杏奈がマーニーと出会って一歩を踏み出すように、この作品の中に生きる2人から『一歩踏み出そう』という自信や勇気をもらったと思います」。

有村さんは自身を「弱味をひとに見せないように、悩みも他人に相談せずに自分で解決することが多い」と語り、マーニーとの類似点を語る。その上でこう続ける。

「この作品を通して改めて感じたのは、人の悩みや苦しみを外に引き出せるのは、やっぱり人なんだなということ。ひとりで悩んで考えても、限界もあるんですよね。マーニーと杏奈にいろいろ教えてもらいました」。
《photo / text:Naoki Kurozu》

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