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【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day6

27日、火曜日。本日も快晴なり。連日好天続きで、本当に気持ちいい。今年の映画祭前半を通して、寝不足なのに気分がいいのは、多分に青空のおかげだ! このまま続きますように。5時就寝で8時半起床。今日は2度寝もせず、スッキリ気分で外へ。

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『ニーゼ』 【MOVIEブログ】2015東京国際映画祭 Day6
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27日、火曜日。本日も快晴なり。連日好天続きで、本当に気持ちいい。今年の映画祭前半を通して、寝不足なのに気分がいいのは、多分に青空のおかげだ! このまま続きますように。5時就寝で8時半起床。今日は2度寝もせず、スッキリ気分で外へ。

事務局に寄ってメール処理をしてから、六本木からタクシーで新宿へ。今年から映画祭の会場となったバルト9に初めて行ってみる。久しぶりの新宿が、朝日(10時だけど)に照らされて輝いている…。六本木で異常な毎日を送っていると、少し場所を変えただけで新鮮な気分になる。10時半から、昨日に引き続き『ぼくの桃色の夢』のハオ・ジエ監督の舞台挨拶司会。平日の朝なのに、連日お客さんが一杯で、本当に本当に感謝。

六本木の事務局に戻り、早弁。今日はパスタのお弁当。嬉しい。

12時半に劇場に行き、コンペ『さようなら』の2度目のQ&A司会。深田晃司監督、主演のブライアリー・ロングさんに加え、本日は平田オリザさんも参加! オリザさんがいらっしゃることで、原作となる映画と映画との相違点が話の中心となり、とても面白い。その他に、深田監督が元の演劇から強く感じた「死の匂い」をスクリーンに描きたいと思ったこと、ロケ場所の家の奇跡的な発見、ブライアリーさんの演じ分け、などなどについて。『さようなら』は語り尽くすことがなかなかないので、これでQ&Aが最後なのが、なんとも無念。

続けて、スプラッシュ部門『友だちのパパが好き』の上映前舞台挨拶司会。山内ケンジ監督、吹越満さん、岸井ゆきのさん、安藤輪子さんの4名にご挨拶を頂く。

そのまま、『友だちのパパが好き』を鑑賞する。スクリーンで再見したかったところ、奇跡的に時間が空いたので実現して幸せ。やはり、とても面白く、上手過ぎる。脚本の面白さ、長廻しの魅力、そして達者な演技陣、という3拍子揃った作品を久しぶりに堪能する。そして、石橋けいさんの魅力に改めてノックアウトされる。

上映後のQ&Aは、当初山内監督だけの予定だったのが、役者の皆さんも合流して豪華な布陣に。山内監督の独特の語り口(一見に無口そうに見えつつ、懸命に言葉を探して答えようとしてくれる)に思わず引き込まれてしまう。吹越さんの鋭く軽妙なトーク、岸井さんと安藤さんの(映画の役柄とは異なる)爽やかで可愛らしいコメントも楽しい。そして、4者の間の撮影中の微妙な距離感をめぐる話もムフフという感じで、山内監督の演出の秘密がほんの少しだけ垣間見えるような、刺激的なQ&Aだった!

16時に終わり、スクリーンを移動してコンペ『フル・コンタクト』の2度目のQ&A司会へ。ダビッド・フェルベークとグレゴワール・コランのコンビを再びお迎えしてのQ&A。1度目の時よりずっとリラックスした雰囲気で、スムーズに展開することが出来たのではないかな。ドローンの遠隔操作で殺戮を行うことのできるハンターは、いわばテククノロジーというハシゴのてっぺんに位置しているわけであり、本作はそのハシゴを降りて徐々に肉体的フル・コンタクトの世界に入っていくハンターの姿を描いている、と要約できるのだけど、そこで展開するエピソードは現実なのか無意識下の世界なのか、答えは無い…。

「滋賀県からやってきました〇〇です」と関西弁を強調した自己紹介をする、映画祭ではおなじみの常連のお客さんが、「フル・コンタクトはグランプリにふさわしい!」と発言なさって、監督も喜んでいたけれども、僕も嬉しい。例年以上に色々なタイプの作品をコンペに選んでいる中で、それぞれのタイプの作品がそれなりの評価を得ている感触がするのだけど、どうだろう?

17時に事務局に戻ると、何と、19時まで予定が空いている! いくつかの懸案事項が落ち着き、ほぼのんびりしてもいいはずの時間が、開幕以来初めて目の前に広がった! メールも開かず、しばし席でボケっとしながらダラダラと過ごし、気が付いたらそのまま席で30分ほど熟睡。

19時半から、コンペ『ニーゼ』の2度目のQ&A司会へ。『フル・コンタクト』が想像力や感覚を刺激する作品だとしたら、『ニーゼ』は直接心に刺さってくる作品で、会場の反応もストレートな感動に包まれているのが伝わってくる。ホベルト・ベリネール監督の本当に優しそうな人柄も、会場を暖かくしていく…。

いかにして役者陣にナチュラルな演技を実現させたかについて、そして、ラストの、おっと、これは書かない方がいいか。僕がとても聞きたかったことも自ら聞いてしまい(ごめんなさい)、そしてその答えが実に感動的だったので、この作品への愛着も増すばかり。

・写真は、『ニーゼ』のホベルト・ベリネール監督(左)と、プロデューサーのホドリーゴ・レイエルさん。

さて、20時過ぎにタクシーに乗り、ノルウェー大使館へ。審査員のベント・ハーメル監督を囲む、ノルウェー大使主催の夕食会に招かれていたので、1時間ほどお邪魔する。遅れて到着して、かつ早退するという、失礼な参加の仕方を許してもらう。ベント・ハーメル監督と話す時間はなかったけれど、もとより審査の現状を聞くつもりもないので、会釈だけして、21時半に失礼する。

本日最後は、22時半より、コンペ『スナップ』の上映後Q&A司会。このQ&Aが滅法良かった! 小さめの会場が、良い意味でセンチメンタルな雰囲気を共有し、なにやらとても暖かいことになっている。と書くとちょっと気持ち悪いかもしれないけれど、本当に親密でナイスな雰囲気だったのだ。

コンデート監督の現実的なコメントもバランスがいいし、笑いも起きるし、質問の手もバンバンあがって、素晴らしい展開。最初に手を挙げたお客さんによる、「初恋を振り返る内容なのに、どうしてフラッシュバックを使わなかったのか?」という質問がナイス。監督は「思い出」を疑問視していて、その曖昧な「思い出」を「事実」にしてしまうことを避けるためにフラッシュバックを使わなかったのです、という回答に思わず膝を叩く。

自分の人生から去っていってしまった人たちのことを考えながら作ったという『スナップ』は、思い出に対する心のスナップ写真なのだ…。いやあ、本当に幸せなQ&Aだったなあ。今のところ、今年のベストQ&Aかも。

事務局に戻り、メールを少し書いたり、明日の予定を確認したり、そしてブログをパタパタ書いて、まだ3時! 今日は早めに帰り、いよいよ突入する後半戦に備えよう!
《矢田部吉彦》

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