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実生活を反映? 清水崇×豊島圭介 異才2人が好き勝手に作った『幽霊VS宇宙人』

『呪怨』シリーズでハリウッド進出を果たした、“Jホラー”を代表する監督・清水崇と『ユメ十夜』、TVドラマ「怪奇大家族」などで恐怖の中にコメディを潜ませる新たなホラージャンルを生み出した奇才・豊島圭介。それぞれが1編ずつを担当し、笑えるホラー映画として、2001年に第1弾を自主製作の形で発表、2003年には第1弾、第2弾があわせて劇場公開され好評を博した『幽霊VS宇宙人』('02)。シリーズ最新作となる第3弾が前作から約5年の歳月を経て製作された。現代を舞台に「東海道四谷怪談」に新たな解釈を加えた「ロックハンター 伊右衛もん」を手がけた清水監督と、キスで他人の精気を吸い取ってしまう謎の女と婚約者がいながらも彼女に惹かれる男の物語「略奪愛」を撮った豊島監督。2人に本作について話を聞いた。

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『幽霊VS宇宙人』 清水崇監督、豊島圭介監督
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  • 『幽霊VS宇宙人』 清水崇監督、豊島圭介監督
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『呪怨』シリーズでハリウッド進出を果たした、“Jホラー”を代表する監督・清水崇と『ユメ十夜』、TVドラマ「怪奇大家族」などで恐怖の中にコメディを潜ませる新たなホラージャンルを生み出した奇才・豊島圭介。それぞれが1編ずつを担当し、笑えるホラー映画として、2001年に第1弾を自主製作の形で発表、2003年には第1弾、第2弾があわせて劇場公開され好評を博した『幽霊VS宇宙人』('02)。シリーズ最新作となる第3弾が前作から約5年の歳月を経て製作された。現代を舞台に「東海道四谷怪談」に新たな解釈を加えた「ロックハンター 伊右衛もん」を手がけた清水監督と、キスで他人の精気を吸い取ってしまう謎の女と婚約者がいながらも彼女に惹かれる男の物語「略奪愛」を撮った豊島監督。2人に本作について話を聞いた。

かつては自主製作映画として作られた本シリーズが、5年の歳月を経て復活した経緯について清水監督はこう説明する。
「第1弾、第2弾を撮った頃から明確に次の構想があったわけではないんです。互いに“続けていきたいね”とは言ってたのですが、その後、2人とも自分たちの別作品で忙しくなってしまいまして。同じ社内にいながらも互いがどんな作品に着手してるかも分からないような状態でしばらく経ってしまったんです。昨年、一昨年と僕がアメリカに行くことが多くなっていたんですが、多分寂しくなったんでしょうね、アメリカからメールで豊島さんに『久々にやらない?』という話をして、企画が動き始めました」。

豊島監督も清水監督のこの誘いに二つ返事で応じた。
「寂しかったのと、初心に返りたかったのがありまして。もともと仲悪かったんで(笑)。同じ社内で憎しみ合うのはやめて、会社の金で仲直りしようよと(笑)」。

この最新作ではシリーズを通じて初めて、タイトル通りに幽霊と宇宙人の対決が描かれる。「そろそろ戦わせないと虚偽広告でJARO(公共広告機構)に訴えられますからね」と豊島監督は笑うが、この企画ならではの難しさ、そしてやりがいも感じているという。
「“人間VS異形の者”という1対1の関係だったら、何とかできるんですけど、人間がいて幽霊がいて宇宙人もいるというレベルの違う3つの存在を物語にするのは難しかったですよ。ただ、せっかく好きなことをやれる枠なので、過去2年くらいの間、提案してきたけど実現しなかった企画をやりたいと思いまして。普通だったら、打ち合わせで脚本を読んでもらっても想像がつかない、ジャンルも分からないっていう作品、商業映画としてはまず企画が通らず製作にすら入れないんですよね。それを作品として完成させた上で“打ち合わせでは説明がつかなかったけど、こういうのができるんだよ”と身をもって言える。それはこの企画の楽しさですね」。

清水監督もこの言葉にうなずきこう続ける。
「ストーリー構成もそうですが、時間的にも予算的にも大変でしたよ。商業ベースの作品ではギャグなのかホラーなのかはっきりと線引きを求められる。でもこの作品ではその加減を自分でできる。そこが面白いですね、どっちもあっていいじゃないか、と思いますし」。

こうして完成した本作だが、互いの作品を観ての感想については両者「支離滅裂だな(笑)」と声を揃えるが…。
豊島監督曰く「清水監督の作品は、前半は相当しっかりしたドラマなのに、主人公が指をつめるシーンあたりから徐々におかしくなっていきますよね。だんだん世界が崩壊していくんだけど、実は観やすくまとまってるんですよ。壊れていくけどエンターテイメントになっている。これがハリウッドに行く男とそうじゃない男の違いかと(笑)」。

これに「まあ、それはそうかもね」と笑う清水監督。では豊島作品に対する清水評はというと…。
「実は、最初に2人で70年代テイストの作品にしようって言ってたんです。僕の方は、死語ばかり話す古臭いセンスの男を出して…くらいに考えていたんですが、豊島さんは画面の色から、世界観や装飾——例えば麻雀卓をテーブル代わりにしてるところとか、細部まで徹底していて“やられた!”と思いましたね。この予算と日程で、スタッフに何ていう無茶をさせるんだ! と(笑)」。

さらに豊島監督はこんな意外な見どころに言及。
「両作品とも、思い切りフィクションなのに、2人の製作当時の個人的な面が如実に反映されているところが面白いですね。清水監督は子供も出来たけど、父になりきれず。僕は結婚を控えて“実はもっといい出会いがあるんじゃないか?”と悩む男。まあ僕の方は、映画で解消して私生活は非常に安泰なんですが、ちゃんと答えられない人がここに…」。

「いやいや、豊島さんこそ等身大でしか描けない人でしょ!(笑)」(清水監督)。

時に突っ込み合い、そして誰よりも互いを認め合う2人が好き勝手に作り上げた異色のギャグホラー。ちなみに、両者が互いの作品にチョイ役として出演しているのもぜひ注目!

『幽霊VS宇宙人』は3月8日(土)よりシネセゾン渋谷にてレイトショー公開。
《シネマカフェ編集部》

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