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『空中庭園』豊田利晃監督インタビュー

東京郊外の団地に住む、どこにでもいる普通の家族。父、母、娘、息子、祖母…でも“普通の家族”って何? 映画『空中庭園』は“家族”という仮面の下に隠されたその正体を、静かに、しかし容赦なく暴き出す。直木賞作家・角田光代の原作を、『青い春』などの豊田利晃監督が小泉今日子を主演に迎えて映画化した。

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東京郊外の団地に住む、どこにでもいる普通の家族。父、母、娘、息子、祖母…でも“普通の家族”って何? 映画『空中庭園』は“家族”という仮面の下に隠されたその正体を、静かに、しかし容赦なく暴き出す。直木賞作家・角田光代の原作を、『青い春』などの豊田利晃監督が小泉今日子を主演に迎えて映画化した。

これまでは男性の視点から人間の内部に潜む衝動を描いてきた豊田監督だが、本作では小泉今日子演じる主婦の身体を借りてそれを語る。「もともと女性を描くのは得意だと思っていたし、今回は小泉今日子さんと仕事がしたかった。小泉さんがたまたま女性だっただけです」。特に母親役の大楠道代との親子対決は見せ場のひとつでもある。「あのシーンの台詞は小泉さんに任せました。脚本では“笑顔を作って”と書かれていたのを“笑顔を使って”と言ったり、“生まれ変わったらあなたを育てる”というのは(脚本にはない)小泉さんのアドリブです」。

豊田監督といえばスローモーションの撮影法が特徴的だが、本作でももちろんそれを観ることができる。加えて今回は長回しを多用しているが、その狙いについては「テーマから画づくりをした」とのことだ。振り子のように揺れたり緩やかに回転するカメラワークが作り出す不安定な画面は、穏やかな緊張感に満ちている。

小説を映画化するに当たっては「抽象的な表現は避けるように気をつけた」そうである。「撮影当時、(原作者の)角田さんはまだ今ほど有名ではありませんでしたが、作品に描かれている“家族”というテーマにはこれまで自分のやってきたことと同じものを感じました」。さらに主題歌を歌うUAについては「女性ボーカルで家族のある人がいいと思いました」と母親である彼女に依頼した経緯を語った。

「ずっと疑似家族の映画を作ってきた」と言う豊田監督。映画のラストには新たな誕生の意味が込められている。それは観る者が自分の家族ときちんと向き合い、そのあり方とこれからの未来について考えてみるきっかけとなってくれるだろう。
《シネマカフェ編集部》
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