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『クリムト』ラウル・ルイス監督来日記者会見

19世紀末ウィーン文化において燦然と輝く傑作を残した天才画家、グスタフ・クリムト。官能と情熱、あでやかで豊かな色彩、なまなましいほどの肉感をたたえながら恍惚の表情を浮かべる女たち。描き続けた「ファム=ファタル(宿命の女)」、満ち溢れる「エロス」…。

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19世紀末ウィーン文化において燦然と輝く傑作を残した天才画家、グスタフ・クリムト。官能と情熱、あでやかで豊かな色彩、なまなましいほどの肉感をたたえながら恍惚の表情を浮かべる女たち。描き続けた「ファム=ファタル(宿命の女)」、満ち溢れる「エロス」…。

9月25日(月)、本年度モスクワ映画祭において見事ロシア批評家連盟賞を受賞した映画『クリムト』の監督、ラウル・ルイスが来日し、記者会見が行われた。

「私はクリムトの伝記映画を作るのではなく、この象徴的で代表的な、“クリムト”という人物をめぐるファンタジーという形で、この映画を作っています。もしもピタゴラスの伝記を作るとするなら、私は神話と歴史的な事実を織り交ぜて伝記を作り上げるでしょう。それに似たやり方で、この『クリムト』は作られています」。

さらに監督は“クリムト”という人間に興味を持った理由をこう語る。「彼は庶民の貧しい階級の出身ですが、自分が出身でない社会階級の中で生きることを余儀なくされた人間です。彼は“絵画のモーツァルト”のような存在で若い時から才能を発揮し、数々の賞を獲得。また現代の感覚からすればかなり若い年齢で亡くなっています。このようなクリムトを、彼が生きた時代の文脈の中で描こうと考えました」。

「クリムトは悩み、苦しんだアーティスト、人々から理解されないようなアーティストではありませんでした。クリムトは早くから理解されていましたし、若いアーティストからは尊敬をされ、逆にクリムト自身も彼らを可愛がっていました。しかし、彼らの“仲間”ではないと感じていたようです」。

「クリムトという人物は、不安をかきたてる人物像であり、把握し、理解をすることが難しい個性の持ち主です。そしてまた、権力に実に近いところにあり、同時にまた権力から最も遠いところにあった人物でもあります。このようなクリムト像に私は非常に興味を持ったのです」。

時代に嫉妬された天才画家・クリムトに扮するのは、その演技に絶大な信頼を寄せられているジョン・マルコヴィッチ。ルイス監督とは3作目になるが、今回もまた様々な表情を使いわけ、クリムトという複雑なキャラクターを見事演じきっている。

幻想と現実の狭間にある危うい精神世界を映し出した『クリムト』は来月10月28日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》

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