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『マーダーボール』マーク・ズパン来日インタビュー

「アメリカではやっぱりラグビーの人気と知名度は低いね。個人的には、スクラムとかタックルとか、もうゲーム自体が大好き! プレーしては止まってを繰り返すアメフトの選手より、生身でぶつかるラグビーの選手のほうが本物のアスリートだって気がするよ!!」

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「アメリカではやっぱりラグビーの人気と知名度は低いね。個人的には、スクラムとかタックルとか、もうゲーム自体が大好き! プレーしては止まってを繰り返すアメフトの選手より、生身でぶつかるラグビーの選手のほうが本物のアスリートだって気がするよ!!」

マーク・ズパン。彼はアメリカ代表選手である。もちろんラグビーの。ただ、ふつうのプレイヤーとひとつだけ違うのは、彼は車いすでプレーしていること…。1977年に誕生したウィルチェアラグビー(車いすラグビー)。そのアメリカ代表チームを追ったドキュメンタリーがこの『マーダーボール』だ。ハードな戦いにも耐えられるようチューンナップされた“殺人マシン”を駆使して、格闘技さながらのド迫力のプレーで多くのファンを魅了している。相手のゴールラインを目指して突進していく姿は、まさにトライを狙って突進するラグビー選手そのもの。

「13年前に事故に遭って四肢マヒになり、そのリハビリ中にセラピストがウィルチェアラグビーのことを教えてくれたんだ。でも当時は“またいつか歩ける日が来る”と信じてたから、そんなにウィルチェアラグビーのことは気にかけてなかった。だけどしばらくして、もう二度と歩けないと分かって…。ようやく現実を受け入れられるようになったときに、別のセラピストが“私のボーイフレンドがウィルチェアラグビーやってるわよ”と話してきて、そこから本格的にプレーを始めた感じだね」。

雑誌に記事を載せるために取材させてほしいという監督からの依頼から始まり、ついには映画化された生粋のスポーツドキュメンタリー。「車いすだからかわいそう…みたいな、いわゆるシンパシーを感じさせるような映画にはしたくなかった。撮るならあくまでクールに撮ってくれって注文したよ。カメラも割と距離を置いて撮ってたし、録音も小さいマイクでやってたから、実際に撮られていることに気づかずに“あれ、今撮ってたのかよ!?”なんてことがたくさんあったな。だからありのままの姿が映されているし、それが映画全体の“誠実さ”につながってると思うよ。監督からは“マークはカメラが回ってるときも回ってないときも変わらないな”と言われたけどね(笑)」。

彼が言う“誠実さ”。それは映画を見る側に求められる姿勢かもしれない。「ウィルチェアラグビーをどんどん広めていきたい。日本でもどんどん人気が上がってほしいよ。世の中の多くの人ってどこかで車いすを怖がっていると思うんだ。そんなフィルターは取っ払ってほしいし、この映画に関しては“障害者だから”っていう見方をする必要もないしね。だって楽しく笑えて、とてもエンジョイできるエンターテイメントだからさ!」

「見ているうちに興奮して座席で前のめりになるかもしれないよ」とイタズラに体を揺らすマーク。彼のバイタリティあふれるキャラクターにもぜひ注目したい。そして、ドキュメンタリーにもかかわらず、まるで脚本があるかのような展開にも驚かされるだろう。

《text:Shin Kumagai》

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