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中国の若きミューズ『ウィンター・ソング』ジョウ・シュン来日インタビュー

『ラヴソング』で世界にその名をはせた名匠ピーター・チャンの待望の新作。なにしろ長編作品のメガホンを取るのは10年ぶり。公開前から大きな期待が寄せられていた。ふたを開けてみればアジア各国でヒットを記録し、ついに日本上陸となった。

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『ラヴソング』で世界にその名をはせた名匠ピーター・チャンの待望の新作。なにしろ長編作品のメガホンを取るのは10年ぶり。公開前から大きな期待が寄せられていた。ふたを開けてみればアジア各国でヒットを記録し、ついに日本上陸となった。

物語は映画の製作発表の場面から始まる。主演女優のナーは香港からやってきた主演男優ジェントンを見て驚く。ジェントンとナーが無名だった10年前に2人は恋人同士だったのだ。現在のナーは映画の監督であるウェンと恋仲にあったが、ジェントンは今もナーを想い続けていた。皮肉なことに製作される映画は3人の三角関係になぞらえたようなプロットであった。

キャストはアジアのオールスターとも言うべき顔ぶれ。台湾・日本の金城武、香港のジャッキー・チュン、韓国のチ・ジニ。そして紅一点が中国本土出身のジョウ・シュンだ。

大きな目に抜けるような白い肌。“可愛らしい”という形容がぴったりと来るが、その声に少々驚かされる。低音でセクシーなのだ。彼女がスクリーンの中で演じてきた役柄は“普通”じゃないものが多い。『ふたりの人魚』での金髪の“人魚”、焼き豚屋の家族を虜にする娘の『ハリウッド★ホンコン』、文盲の田舎娘を演じた『小さな中国のお針子』…。本作も劇中劇での過去と現在、そして現実での過去と現在と複雑な構成の作品だ。
「私は“複雑”だからこそ、この作品に惹かれたの。脚本を読んだ時に面白いと思ったのは、劇中劇の中で彼女は恋人であるサーカスの団長に気持ちをはっきりとぶつけるけれど、現実では恋人に向かって気持ちは出さない。そういう微妙なところが気に入ったわ」

複雑な構成なのだが、スクリーンの中では整然としていて観客が戸惑うことはない。それは彼女が過去と現在を見事に演じ分けているからだ。少年のような少女、サーカス団の空中ブランコ乗り、驕慢な女優…。
「ありがとう。でも私って理性的な女優じゃなくて、感性で動くのよね。だから綺麗でゴージャスな衣装を着せられるとそんな気分になるし、男の子のようなジャケットを着るとなんとなくそんな動きになるの。だから衣裳さんと美術さんのおかげ。それと共演者にも刺激されるの。金城武さんは現在の時はビシッとオールバックでカッコイイから、こちらもそんな気になるけど、過去だと彼はボサボサの長髪で(笑)」

俳優は総じて自負心の強さが際立っているが、彼女は謙虚な発言が目立つ。だが金城武との相性は本当に良かったようだ。
「彼は中国本土でもとても人気があるから、彼と共演すると知った友達に“素顔はどんな人なのか教えて”なんて言われたけど(笑)。彼ってシャイなの。童心を忘れていない人なのよね。彼も私と同じで感性で芝居する人だったの。だからとても楽しい共演だった」
金城武と同様に彼女も出演作品を選ぶのに自分の生国にこだわるタイプではないようだ。「どこの国のどんな映画にでも出たいわ(笑)。国じゃなくてあくまでも作品よ。感動的なストーリーがあればどこにでも行くわ」

とはいえ次回作は中国作品になる。チャン・ツィイーと共演の『バンケット (原題) 』
「監督はブラック・コメディの名手フォン・シャオガン。彼が初めて手がけたシリアス作品で悲劇なの。日本だと来年の2月に公開されるみたいよ(笑)」

《text:Akira Sano / photo:Yoshio Kumagai》
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