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カンヌで10分以上の拍手喝采!『麦の穂をゆらす風』主演キリアン・マーフィー来日インタビュー

2006年度カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた『麦の穂をゆらす風』は、1920年のアイルランドを舞台にイギリスからの独立に立ち向かう若者たちの姿を描いた感動の悲劇だ。イギリス映画界の至宝ケン・ローチのもと、主役のデミアンに抜擢されたのは、『28日後...』、『バットマン ビギンズ』、『プルートで朝食を』のキリアン・マーフィー。カンヌで10分以上の喝采を受けたこの作品の素晴らしさをキリアンに語ってもらった。

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2006年度カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた『麦の穂をゆらす風』は、1920年のアイルランドを舞台にイギリスからの独立に立ち向かう若者たちの姿を描いた感動の悲劇だ。イギリス映画界の至宝ケン・ローチのもと、主役のデミアンに抜擢されたのは、『28日後...』、『バットマン ビギンズ』、『プルートで朝食を』のキリアン・マーフィー。カンヌで10分以上の喝采を受けたこの作品の素晴らしさをキリアンに語ってもらった。

前作『プルートで朝食を』の女装青年キトゥン役で、すでに実力を認められているキリアンは、本作でも「パルムドールは彼の演技あってこそ」とローチ監督を唸らせた。また、台詞のアクセントひとつにもこだわりを持つローチ監督は、キャストは映画の舞台であるコーク(アイルランドで一番大きな州)出身者と考えていた。そして自らオーディションを志願したキリアンは、みごとデミアン役を勝ち取った。出演したいと思った作品の魅力について訊ねると──「ケン・ローチは脚本を役者に見せずに撮っていく監督。撮影前であっても脚本は読めないんだ。もちろん、監督に会ったときに物語の大枠は聞いていたけれどね。映画に参加したいと思ったのは、僕自身がコーク出身だということ、物語が映画でまだ語られていないものだったということ、もうひとつはケン・ローチと一緒に仕事がしたかったんだ」

独立戦争から内戦にいたる激動のアイルランドを描いた映画は過去にもあったが、ケン・ローチが焦点を当てたのは英雄ではない名も無き人々。キリアン演じるデミアンもその1人。共に戦う兄テディ、恋人シネードとの絆を描くなかには、常に戦うことの意義が問われている。「古典的な主人公は、内なる葛藤を秘めているからこそ惹き付けられる。自分の演じたキャラクターの選択について答えるのはとても難しいけれど、ひとつ言えることは、デミアンのターニングポイントとなったのは山の斜面で少年を殺すシーン。それを機に彼は多くの犠牲を払いながらも100%の独立を目指して闘うんだ」また、後半の兄テディと対立するシーンが気に入っているとキリアン。「今回は順撮りだったこともあって、バーチャルにデミアンの経験を得ることができた。だからテディと対峙するシーンはこれ以上リアルには近づけないというほどリアルだと思うよ」そしてケン・ローチの素晴らしさについてこう付け加える。「ケン・ローチ作品の素晴らしいところは、2つのレベルで観客にアピールしていることにあると思うんだ。1つは社会的でヒューマンなレベル、2つ目は政治的なレベル。この作品がパルムドールをとったことがそれを実証している。映画のキャラクターに共感して何かを感じてもらえたら嬉しいよ」

「良質な作品と巡り会うことが俳優にとっては重要」と語るキリアンに、演じることの面白さを訊いてみた。「もともと音楽の世界に興味を持っていたから演技に出会ったのは遅いんだ(弟と作ったロックバンド“THE SONS OF MR.GREEN GENES”は、レコード会社からオファーがくるほど地元コークでは人気だった!)。コークで観た舞台(クラブで上演していた「時計じかけのオレンジ」)がものすごく印象的で、それを機に演技に目覚めた。そして、その情熱は徐々に大きくなって、そのうちに音楽よりも演技が自分の大半を占めるようになったんだ。どんなに困難な役であっても、演じているときはとても幸せだよ」

ジャンルを問わない多彩な役で第1級の役者としての地位を確立しつつあるキリアン・マーフィー。本作でその地位が動かぬものとなったのは言うまでもない。新星キリアンの名演はもちろんだが、世界中から尊敬を集めるケン・ローチが「反英国映画なのか」と英国マスコミを騒がせた問題作としても『麦の穂をゆらす風』は必見である。

《text:Rie Shintani / photo:Yoshio Kumagai》

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