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社会に“パッチギ”入れたい!『パッチギ! LOVE&PEACE』井筒和幸監督、井坂俊哉、西島秀俊、中村ゆり、藤井隆製作発表記者会見

熱烈なファンを生み出し、数々の映画賞を総なめにした前作『パッチギ!』から2年、ついに前作を上まわるスケールで第2章が動き出した。10月末にクランクインし、現在撮影も大詰めを迎えている続編『パッチギ! LOVE&PEACE』の製作発表記者会見が12月14日行われ、井筒和幸監督をはじめ、井坂俊哉、西島秀俊、中村ゆり、藤井隆ら出演者、そして李鳳宇エグゼクティブ・プロデューサーが登壇した。

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『パッチギ! LOVE&PEACE』製作発表記者会見
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熱烈なファンを生み出し、数々の映画賞を総なめにした前作『パッチギ!』から2年、ついに前作を上まわるスケールで第2章が動き出した。10月末にクランクインし、現在撮影も大詰めを迎えている続編『パッチギ! LOVE&PEACE』の製作発表記者会見が12月14日行われ、井筒和幸監督をはじめ、井坂俊哉、西島秀俊、中村ゆり、藤井隆ら出演者、そして李鳳宇エグゼクティブ・プロデューサーが登壇した。

遅れて会場に到着した井筒監督の第一声は謝罪の言葉。「今日は遅刻してすみませんでした、寝てました(笑)。というのも、現在撮影も大詰めで毎日過酷な現場が続いているもので…。この作品はすごくエネルギー使うんですよ。前作はたくさん賞を頂きましたが、観客の目が厳しくなるので励みというより苦痛に近い。でも『パッチギ!』というタイトルどおり、前作を“超える”というのが僕の昔からの作品作りのテーマ。期待を凌駕していきます」と意気込みを見せた。

李プロデューサーによると前作の韓国公開は異例の大ヒットだったそう。前作製作後に監督と話し合い「『パッチギ!』を超える企画はない」という結論に達し続編の製作に至ったという。「乗り越える」という意味のほかに「頭突き」という意味も持つ“パッチギ”。井筒監督は、最近蔓延している“平和だか戦争だかわからない状態”に“パッチギ”入れたい、「前向きになれない社会に“パッチギ”するために映画を作る意味がある。安倍政権についてガタガタ言ってもしょうがない、『パッチギ! LOVE&PEACE』にまとめて突っ込もうと思った」と製作の理由を語った。

68年の京都から74年の東京に舞台を移した理由については「70年代のベトナム戦争終結から“ふにゃけた”時代に移行する中で繰り広げられる逆境の物語を描きたかったので、現在の原型となる時代としてあえて30年前を選んだ。前作で描いた高校生の恋や友情の物語とは打って変わり、大人社会で味わう差別や逆境を、さらなるリアリズムの中で徹底的に追求してやろうという意気込みです」と熱弁。一方で副題の“愛と平和”、またその陰に隠れた戦争や憎悪なども、前作から変わらず根底に流れるテーマだと説明した。

また本作は300名の出演者、5,000名を超えるエキストラ、さらに多数の韓国人俳優を含む個性的なキャスティングが話題。「今回の役者はみんな“ハマって”いたので助かりました。“ハマって”ないとイライラするだけですからね、見てる方も(笑)」と一新されたキャストについて語る監督。オーディションで選ばれた井坂さんと中村さんに“井筒学校”の感想を訊ねると、「関西弁は難しいし、クランクインしたばかりの頃は悔しくて監督にパッチギ入れたかったですが(笑)、それは自分を乗り越えるという意味に変わっていきました」(井坂俊哉)、「私も監督にパッチギ入れたいことは何度もありました(笑)。数多く受賞した(前作でキョンジャを演じた)沢尻エリカさんの後任というプレッシャーはありませんが、沢尻さんのキョンジャも私の演じるキョンジャの歴史の中にあるので、何度も観ました」(中村ゆり)

一方、「くせっ毛のせいで役作りのための七三が上手くセットできない」とこぼす藤井さんは、「吉本の先輩は井筒監督の映画に出演している方が多いので、僕もその1人に選んでいただいて嬉しい。TVでご一緒したときも正しく厳しく面白い方でしたが、映画の現場でもそのままでしたし、僕は監督にパッチギ入れようなんて思ったこともない(笑)。昨日『007』を観に行った時、隣の席のマナーのなってないラテン系の年配女性たちにはパッチギ入れたかったですが(笑)」と会場を沸かせた。

監督いわく“非常に重要な役どころ”を演じている西島さんは、「僕は昨日クランクアップし、達成感に浸っているところです。井筒監督の作品は今回が初めてで、僕にとっては難しい台本でしたが、監督が実際に演じて見せてくれたのが上手くて嫌だな、と(笑)。井筒監督はどれだけフィルムを無駄にしても納得するまで撮り続けるので、妥協のない現場で勉強させていただきました」と撮影を振り返った。

在日朝鮮人一家がどう生きたかという大きなテーマを含む物語なので、1作や2作では終わらないだろう、と加える井筒監督。「邦画が久しぶりに元気だと言われていますが、エンターテイメントに終始しているものが多い。来年5月、同時期に公開されるだろうそういった邦画に対して、僕らの作品がどうアプローチしていくかに注目してください」と強気に締めくくった。
《シネマカフェ編集部》

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