A・ブルガー氏「印刷の仕事が人生に大きな意味を持った」『ヒトラーの贋札』来日会見

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『ヒトラーの贋札』アドルフ・ブルガー来日記者会見
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第二次世界大戦中、ナチス・ドイツ国家が敵国・イギリスの経済混乱を招くために行った史上最大の贋札事件<ベルンハルト作戦>を描いた『ヒトラーの贋札』。この歴史的事件に従事させられた実在の印刷技師であり、映画の原作となった手記「ヒトラーの贋札 悪魔の仕事場(仮)」(朝日新聞社より2008年1月発売予定)の著者であるアドルフ・ブルガー氏が来日。11月3日(土・祝)、オーストリア大使館にて記者会見が行われた。

1917年スロバキア生まれ、14歳から印刷の訓練を積んできたというブルガー氏は、まず「ご出席のみなさま、本日はようこそお越しくださいました」と挨拶。そして印刷業に就いたことで180度転換した自身の人生をふり返った。その中で、克明に残る記憶として挙げたのが、最後に妻と誕生日を祝った日のこと。その直後に、彼らはビルケナウ収容所に連行され、妻は22歳という若さで殺され、ブルガー氏はその劣悪な環境で1年半耐えた後、ナチスの命令でザクセンハウゼン収容所へと召集されたのだ。

一方、劇中のブルガー氏は、理想主義で正義感に満ち溢れた人物として描かれている。それゆえ、自身が生き延びるために贋札の印刷を続けるか、同胞を守るべくナチスを拒むかという選択で、苦悩と葛藤の日々を繰り返す。これについてブルガー氏は、「毎日、自分のベッドに帰ったとき、自分はいずれ死ぬのだと考えていました。自分も、ビルケナウやザクセンハウゼンの一般収容者たちのように、既に死んでいて、ただ死者になる前のバカンスが与えられているのだと」と当時の心境をふり返った。

自身の経験を基に、かつての敵国・ドイツの25歳以下の若者たちに向けて既に85,000回を超える講演を行っているというブルガー氏。その中でも一番伝えたいことは何か? という問いには「あなたたちは、このような事実を知っても罪悪感を持つ必要は全くありません。しかし、もしあなたがネオナチに入ってしまったら、それはナチスやアルカイダと同じ、ただの殺人者になってしまうのです」と、必ず講演で述べる言葉を教えてくれた。

御年90歳を迎えてもなお、歴史の証人として次世代へ戦争の悲惨さを語り継ぐという使命を遂行するブルガー氏が、貫き通した正義とは——? 『ヒトラーの贋札』は、2008年1月19日よりシャンテシネほか全国にて順次公開。
《text:cinemacafe.net》

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