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スネオヘアー インタビュー 「演技に向かいながらどこかでライヴを感じてた」

ミュージシャンが出演している映画はなぜ面白いのか? 上手さや安心感以上に彼らが醸し出す、何とも言えないあのワクワクするような感覚は何なのか? 先日より公開中の『アブラクサスの祭』も然り。そのメロディセンスはもちろん、独特のパフォーマンスで人気を博しているスネオヘアーが、まさかの剃髪を行い悩める僧侶の役を演じ、唯一無二の不思議な存在感をスクリーンから発している。そもそも「スネオヘアーが坊主」という時点で何かが矛盾しているような…。公開を前に本人を直撃した!

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『アブラクサスの祭』 スネオヘアー
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ミュージシャンが出演している映画はなぜ面白いのか? 上手さや安心感以上に彼らが醸し出す、何とも言えないあのワクワクするような感覚は何なのか? 先日より公開中の『アブラクサスの祭』も然り。そのメロディセンスはもちろん、独特のパフォーマンスで人気を博しているスネオヘアーが、まさかの剃髪を行い悩める僧侶の役を演じ、唯一無二の不思議な存在感をスクリーンから発している。そもそも「スネオヘアーが坊主」という時点で何かが矛盾しているような…。公開を前に本人を直撃した!

「近くにいいたら相当めんどくさいけど、ほっとけないヤツ」

スネオさんが演じているのは若い頃は音楽に打ち込み、いまは僧侶として妻子と暮らす、ウツ病持ちの浄念。“音楽”という部分での繋がりはもちろんだが、それ以外にも共感できる部分があったとか。
「僕自身、決して上手に生きてきたクチではないんでね(苦笑)。まあ(気持ちが)上がったり下がったりという部分までリンクしていたのかどうかは分からないですが…。なかなか難しい人だな、と思いつつ演じてました。いろいろ問題を抱えていて、でも自分の中で解決するというのが大人なんだろうけど、それを周りに預けるっていう発想もないままに周囲を巻き込んでいくという…自分の近くにこういう人がいたら相当めんどくさいと思います(笑)。ただ、浄念のことをそこで周りがほっとけないんですよね。たぶん、周りにいる上手に生きられる人からしたら、彼の真っ直ぐさやどこかに行っちゃいそうな感じというのが、自分の中で忘れてしまった感覚のように思えるんじゃないかな。だから、自分たちにできない生き方をしてもがいている彼を突き放せないし、愛おしく思えてきちゃうのかな、と」。

かつて自分の中に封印した音楽への熱い思いをもう一度、解き放とうとする浄念。このあたりの彼の葛藤、周囲との軋轢を感じながらも自らの信念で突き進む姿は若き日の自身と重なるところもあるのでは? スネオさん自身、メジャーデビューは決して若いとは言えない31歳のとき。どのような思いで音楽と共に生きていくことを決めたのだろうか?
「僕の中で音楽に関して“好き”という気持ちが“嫌い”になることは一度もなかった。ただ、年齢を重ねる中でどこかで諦めなくちゃいけないのか? という思いは芽生えてくる。そういう誰しも悩むようなところで悩みましたよ。ふと見渡してみると、周りはいろんなものを築き上げているのに、こっちは次々と何かを手放しているような気になったりもして…。でもやはり好きという気持ちは変わらなかったですね。それに、自分の音楽を“発信する”ということをあまり考えていなかったというのもあります。自宅で自分で録音して、そこで成立してたんですね。逆に『この音楽は、まだ誰にも触れてないんだ。だから可能性がある』って勝手に確信してました。もし、あちこちで聴いてもらった上で、ダメって言われてたら諦めていたかもしれないけど、まだ誰も聴いてないんだから絶対に引っかかる人がいるはずだ、と。いま思うとかなり危険な考えですが(笑)」。

「音楽で幸せを感じさせたいわけじゃない」

冒頭で浄念が発する「エビは一生脱皮し続ける」など、ワケが分からないけれどなぜか納得させられてしまうメッセージが満載の本作。スネオさん自身もミステリアスな言葉、人を喰ったような言動で時にファンを惑わせ、物議を醸すが…。
「僕自身は、そこに関しては確信的にやっていると言いたいところですね。僕は音楽でいい気持ちにさせたり、幸せを感じさせたりとかしたいとは思っていなくて。かなり小さなことやいろんな感情で揺れ動いたり葛藤したりするんです。それをそのままアウトプットしていくしかないんです。新しい曲に対して、『こういう曲です。聴いてください』っていう思いはもちろんあるんですが、それを真っ先に自分がディスる(※ディスリスペクト=攻撃する)。そうすることで初めてリアリティが生まれてくるような感覚はありますね」。

ライヴのシーンや葛藤する部分だけでなく、ごく普通の家庭でのシーンでも何か独特の空気を感じさせてくれるが「家庭のシーンに関してはともさか(りえ)さんに引っ張って、引き出してもらった」と謙遜する。演じている本人にとっては答えづらい質問であることを承知で冒頭の質問に戻ろう。ミュージシャンが演技することで生まれる、あの“ワクワク感”はどこから来るのか?
「何でしょうね…? 逆に方法論がないからこそなのかな、と。基本的に、音楽をやっている人ならライヴをやりたいという思いはあるでしょうから、演技に向かう時点で、どこかライヴを感じているのかな…。10回同じことをやれと言われても絶対できない。でも、1回で生まれる面白さみたいなものが伝わるんじゃないかと思います」。

来年はライヴツアーを行うことも決定。絶叫、沈黙、つぶやき…スネオヘアーが演技に、曲に込めた“生”を堪能してほしい。
《シネマカフェ編集部》

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