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カンヌ最高賞2度受賞のダルデンヌ兄弟が来日、最新作は日本にインスパイア

『ロゼッタ』、『ある子供』で2度のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞しているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督がベルギーから来日。2月10日(金)、都内で記者会見を行い、最新作『少年と自転車』に込めた思いを語った。本作は2003年、2人が来日した際にシンポジウムで聞いた「育児放棄された子ども」の実話にインスパイアされており、映画では自分を児童養護施設に預けた父親を探す12歳の少年と、美容師の女性との交流が描かれる。

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『少年と自転車』来日会見
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『ロゼッタ』、『ある子供』で2度のカンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞しているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督がベルギーから来日。2月10日(金)、都内で記者会見を行い、最新作『少年と自転車』に込めた思いを語った。本作は2003年、2人が来日した際にシンポジウムで聞いた「育児放棄された子ども」の実話にインスパイアされており、映画では自分を児童養護施設に預けた父親を探す12歳の少年と、美容師の女性との交流が描かれる。

本作は第64回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞しており、同映画祭で5作品連続主要賞受賞の快挙を成し遂げたほか、第69回ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ノミネート、第24回ヨーロッパ映画祭最優秀脚本賞受賞も果たしている。常に2人で脚本・演出を手がけるダルデンヌ兄弟。「兄弟での利点ですか? 一人で映画を撮ったことがないから、その質問には答えられません。私たちはときに機械のように、同じ直感を働かせ、最良の解決策を見つけているのです」(兄のジャン=ピエール)と、もはやその存在は一心同体のようだ。

父親との暮らしを夢見ながら、孤独に生きる少年・シリル(新人のトマ・ドレ)が、美容院を経営する女性・サマンサ(セシル・ドゥ・フランス)と出会い、初めて信頼できる大人と向き合うことで、内面的な変化と成長を遂げる。「日本に帰ってからも、シンポジウムで聞いた少年の話を何度となく思い出していた。彼はやがて非行に走り、犯罪に手を染めてしまうんですが、それを映画化することに興味はありませんでした。むしろ、愛と出会うことで違った道、つまり暴力の道から逃れられることを描きたかった」(弟のリュック)。

これまで演技経験のない俳優を起用することが常だったダルデンヌ作品だが、今回、ベルギー生まれの国際的スター、セシル・ドゥ・フランス(『ロシアン・ドールズ』、『ヒア アフター』)が出演している。「彼女が演じるサマンサは、光り輝く聡明な存在でなければいけなかった。有名なスターですが、とても謙虚で、一緒に仕事することは大いなる喜びでした。演技経験のない少年を前にし、演技的なテクニックを捨てる必要があるとすぐに理解してくれました。おかげでトマとの間に、劇中と同じ信頼関係を作ってくれた」(リュック)。2人を結ぶ“自転車”は自由の象徴だと言い、ジャン=ピエールは「シナリオを書く前から、(主人公)シリルが自転車に乗っているイメージが頭に浮かんでいた」と語った。

若かりし日には原子力発電所の建設現場で働いた経験も。「昨年、日本で起こった原発事故については、遠い場所から見守ってきました。あの悲劇は経済成長を優先させ、安全性を軽視した結果の人災です。日本だけの問題ではなく、すべての国の教訓にするべき」(ジャン=ピエール)。リュックは「こうして、また日本のみなさんにお会いできて、本当に嬉しい」と喜んでいた。

『少年と自転車』は3月下旬、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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