ゲイのカップルと、母親に見捨てられたダウン症の少年との血の繋がりを越えた究極の家族愛に、号泣しながら劇場を後にする観客が続出。劇場側でも箱ティッシュを館内の通路やトイレに用意したり、貸出サービスをするほどの感動の渦を呼んでいる中、ラストに歌われる楽曲「I Shall Be Released」や、サウンドトラックへの問い合わせが殺到しているという。
中でも、主人公・ルディを演じたアラン・カミングがラストに生歌で歌い上げる名曲「I Shall Be Released」には、「音楽でここまで感動したのは生まれて初めて!」「アラン・カミングの歌に心揺さぶられる」「主役のアラン・カミングの演技と歌声にやられました。こんなに胸に届く歌を歌える俳優はそうはいない!」など、歌に感動したという声が最も多く、「サントラがほしい!」という問い合わせも相次いでいる。
「I Shall Be Released」は、ボブ・ディランが1967年に作詞・作曲を手がけ、68年に発表された「ザ・バンド」のバージョンで親しまれた。ゴスペル音楽の影響を受けたこの楽曲は、“罪からの解放”という宗教的なメタファーと、文字通り“監獄から釈放される”という表現がかけ合されている。“監獄”というのは、ボブ・ディランの楽曲におけるテーマでもある司法制度の残酷さであり、“いつかはきっと、私は解放されるだろう”という歌詞には、"自由への追求"の意味が込められている。
「ザ・バンド」の解散ライブをおさめたマーティン・スコセッシ監督のドキュメンタリー『ラスト・ワルツ』でも、ライブのフィナーレでボブ・ディラン、リンゴ・スター、ニール・ヤング、エリック・クラプトン、ジョニ・ミッチェルなどの錚々たるメンバーが一堂に会し、「I Shall Be Released」を合唱する感動的なシーンがある。