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押井守&鈴木敏夫、日本映画を語る中で明かされた“監督への近道”とは?『ガルム・ウォーズ』

押井守監督が、構想15年、製作費20億円を投じて完成させた最新作『ガルム・ウォーズ』。日本語版プロデューサーを鈴木敏夫が務めたことでも注目される本作公開に先駆け、押井監督と鈴木さんの2人が、早稲田大学・伝統の講義「映画のすべて マスターズ・オブ・シネマ」に登場

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押井守監督&鈴木敏夫プロデューサー/講義「映画のすべて マスターズ・オブ・シネマ」
押井守監督&鈴木敏夫プロデューサー/講義「映画のすべて マスターズ・オブ・シネマ」
  • 押井守監督&鈴木敏夫プロデューサー/講義「映画のすべて マスターズ・オブ・シネマ」
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  • 『ガルム・ウォーズ』-(C)I.G Films
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押井守監督が、構想15年、製作費20億円を投じて完成させた最新作『ガルム・ウォーズ』。日本語版プロデューサーを鈴木敏夫が務めたことでも注目される本作の公開に先駆け、押井監督と鈴木さんの2人が、早稲田大学・伝統の講義「映画のすべて マスターズ・オブ・シネマ」に登場し、現役早大生500人に向け白熱教室を行った。

遙かなる古代、戦いの星・アンヌン。ここには創造主・ダナンがつくったクローン戦士・ガルムと彼らから神聖視される犬・グラと、鳥が生息している。ガルムはたとえ命を落としても、その個体の記憶をクローンの脳に転写することで、幾世代も生き延びてきた。ダナンが星を去った後、覇権をめぐり3部族の抗争が続いていた。ある日、空の部族・コルンバの女性飛行士「カラ」は、陸の部族・ブリガの兵士「スケリグ」との戦闘の最中、情報操作に長けた部族・クムタクの老人「ウィド」と出会う。我々は何処から来て何処へ行くのか。ウィドが投げかける不可思議な問いによって、敵同士である彼らの間に奇妙な連帯が生じ、3人は「ガルムの真実」を探る旅に出る。しかし、それは神の怒りに触れる行為だった――。

去る4月16日、早稲田大学の大隈記念講堂大講堂にて、本作の公開を記念した早稲田大学特別講義「映画のすべて マスターズ・オブ・シネマ」が開催。本講義は、今年で12年目を迎える人気講義とあって、講堂には早稲田大学の全学部生から500人が詰めかけた。登壇した押井監督と鈴木さんは30年以上の付き合いとなるが、「(鈴木さんとは)腐れ縁の典型例みたいな付き合いです」(押井さん)、「なんだかんだ言って、(押井監督は)僕を必要なんでしょうね~」(鈴木さん)と、友情溢れるトークを展開した。

押井監督が本作を作ったきっかけについて「僕らの若い時代は、戦後の革命の時代だった。この世界を作ったのは誰か。戦争というものを背景にもった世界にずっと興味があった。それをベースに、ファンタジーを作ろうと考えて作った」と明かすと、鈴木さんは「押井さんは、人間が生み出したモノが好き。この映画の主人公(カラ)もそう。それが滅びゆく美しさを描いたのが、この『ガルム・ウォーズ』という作品です。それをふまえて観ると、ものすごく面白い作品だと思う」と、長年の付き合いで培った押井監督の考察を踏まえてコメント。

押井監督は「作ったことというよりも、失われてゆく過程に興味がある。人間がいなくなっても、世界は変わらない。人間というのは、本来要らないものだから。生まれる過程よりも、壊れる過程を考える方が、ずっと本質が見えてくる」と、本作の根幹に触れた。

また、学生からは多くの熱い質問が投げかけられ、「日本の邦画実写映画をどうしたらもっと盛り上げられるか、未来の予想図を教えてください」という問いには、鈴木さんは「日本にこだわる必要って本当にあるのだろうかって思います。僕はいま、タイって国に非常に注目している。日本映画の10倍の予算をかけて、アジア全域で観られる映画を作っている。日本人が面白い映画をつくりたかったら、まずは盛り上がっている現場に行っちゃったらいいと思います!」と回答。

押井監督は「僕はまず、現場に入れと言いたい。映画の仕事をしたいと思っている人の大半が監督になりたいと思っていると思うけど、映画の仕事の中で監督の仕事はあくまで全体の一部でしかない。映画の仕事がしたいなら、まずは現場の人間になりなさい。どんな仕事でもいい。映画をつくるには色んな職種があります。自分は何をしたいか、何が向いているか、そういうことは現場に入らないとわからない。監督になりたいって考えを捨てた方がはるかに可能性は広がると思う」とアドバイス。

そして「どうしても監督になりたい人には、とっておきの手があります。小説、音楽とか漫画とか違うジャンルで偉い人になりなさい、そうすれば映画が撮れます、間違いなく。一本だけはね(笑)」と、監督になるための近道(?)を披露し、会場を沸かせた。

『ガルム・ウォーズ』日本版は5月20日(金)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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