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古舘寛治、筒井真理子との“夫婦”配役で深田監督を絶賛『淵に立つ』

今年5月の第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて審査員賞を受賞した映画『淵に立つ』の試写及び記者会見が9月28日(水)、日本外国特派員協会(東京)にて開催され、深田晃司監督、出演の筒井真理子、古舘寛治が出席した。

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(左から)深田晃司監督、筒井真理子、古舘寛治/映画『淵に立つ』試写及び記者会見
(左から)深田晃司監督、筒井真理子、古舘寛治/映画『淵に立つ』試写及び記者会見
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  • 映画『淵に立つ』試写及び記者会見
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今年5月の第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて審査員賞を受賞した映画『淵に立つ』の試写及び記者会見が9月28日(水)、日本外国特派員協会(東京)にて開催され、深田晃司監督、出演の筒井真理子、古舘寛治が出席した。

同作は、圧倒的な人間描写で“家族”を問い直す衝撃作。郊外で小さな工場を営む夫婦とその一人娘のもとに、ある日、夫の旧い知人だという男がやって来て、奇妙な共同生活が始まる。しかし、やがて男は残酷な爪痕を残して去っていく…。

主演の浅野忠信が、怪しくも魅力的なたたずまいで家族を翻弄する男を熱演。夫婦役では、深田組常連俳優の古舘さんが寡黙な夫役で新境地を見せ、変幻自在な演技が評判の筒井さんは妻の心身の変化を体現した。

『歓待』(2010年)、『ほとりの朔子』(2013年)、『さようなら』(2015年)など話題作を世に出し続ける深田監督は、同作でカンヌ国際映画祭に初参加し、いきなり公式部門にノミネートされ、独創的で優れた作品に贈られる「ある視点」部門の審査員賞を受賞した。

イベントでは試写上映の後、質疑応答が行われた。通じ合っていない様子が痛々しいとも思える夫婦を演じるうえでどう役作りをしたのかが話題になると、筒井さんは、「古館さんとは、劇団育ちという話しやすさもありました。撮影が始まる前に古館さんのワークショップにも参加させて頂き、わりと話しやすい環境がありました」と回顧。「はたから見ると夫婦喧嘩のように見える距離感が自然にできたので、これはこのままにして撮影に臨もうと思いました」とふり返った。

一方の古館さんは、「これはキャスティングを決めた監督の魔法のような才能の賜物でしょう。まさにこの夫婦役にはぴったりの配役をして下さりました。2人の間の間合いといいますか、距離感は、役のそのままなので、ないものを作り上げる必要もなく、自然に入れました」とキャスティングを決定した深田監督を絶賛。古館さんの言葉を隣で聞いていた深田監督は、頭を手でかきながら、照れまくっていた。

また、深田監督は役作りの話題の中で「筒井さんはご自分からは言わないと思うのですが」と切り出し、「彼女は前半と後半で雰囲気を変えるために、3週間で13キロ、体重を増加させてくれました。本当にそのことに感謝しています」とエピソードを明かし、感謝の言葉を口にした。

30代の若さでカンヌ国際映画祭での受賞を果たした深田監督は、同作のあらすじを10年前に書いていたことを明かした。10年前の自身が何を思って書いたのかについては「覚えていません」としながらも、「描きたかったことのひとつに暴力というものがありました」と語った。

深田監督は、「私たちの日常を唐突に理由もなく破壊してしまう暴力。当時は2006年なので日本に津波が来る前でしたけれど、交通事故でも、自然災害でも、あらゆる理由で日常が暴力で破壊されてしまう。そこに何か理由や、因果関係や、罪と罰の関係があって暴力があるわけではなく、本当にそういったものとは一切関係のない唐突さで日常が破壊されてしまうという暴力性のようなものを、暴力を一切、映さずに描きたいという想いは当時からあったことを覚えています」と述懐。「たまたまですが、今年、直接的に暴力を描く作品が日本映画には多いので、01そういった意味では、また違った視点から暴力を描けたのではないかなと思っています」と心境を言葉にした。

映画『淵に立つ』は、10月8日(土)より、有楽町スバル座ほか全国にて公開。
《竹内みちまろ》

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