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ゆうばり最高賞に父と子のロードムービー! 審査員からは出品作品の傾向に苦言も

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017の授賞式が3月5日(日)に開催され、最高賞となるファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門のグランプリに、永山正史監督の『トータスの旅』が輝いた。

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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017の授賞式が3月5日(日)に開催され、最高賞となるファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門のグランプリに、永山正史監督の『トータスの旅』が輝いた。

27回目を迎える今回は全84作品が上映された。ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門には、事前に約500作品の応募があり、そのうち7作品がノミネートされグランプリを争った。

『トータスの旅』は父と息子の奇妙な旅を描いた作品。永山監督は1983年生まれの33歳。埼玉在住で、現在はフリーでコマーシャルなどの映像制作のディレクター、カメラマンとして活動している。2012年には初監督中編『飛び火』がぴあフィルムフェスティバルに入賞しており、今回が初の長編作品となる。

作品に関しては、自身のお子さんとの経験がもとになっているとのこと。「ハイハイから立ち上がって、歩くようになり、走るようになり、ジャンプするようになって、声も出して、叫んだりして…でも、下の階から苦情が来るからって叱らないといけなかったりするんです。公園でも怒られたり、保育園にも入れなかったり。その“怒り”がありました」と明かした。

壇上でトロフィーを受け取ると「今回、映画を作ってみて、映画作りって迷惑な行為だなと感じました(笑)。家族にも、ロケ先にも迷惑をかける…イカレてないとできないことです。ゆうばりは、イカレた人たちが集まってるなと思いました(笑)。すごく素敵な時間を過ごせて、貴重な体験ができました」と笑顔で語った。

審査委員長の内藤誠監督は「(映画作りにおいて)こどもと動物が出てくると、ひどい目に遭うもの(笑)」と語り「この映画は、少年と亀という、その両方が出てくるけど、きちんとクリアしている」と語り、70年代の音楽を巧みに使っている点も評価。「ほぼ全員一致」でグランプリに決まったと明かした。

一方で、審査員の光武蔵人監督からは“ファンタスティック”を謳った映画祭にもかかわらず「ファンタスティックではなかったのでは?」との指摘も。さらに、同じく審査員を務めた女優のほたるは「全ての作品ではない」と断った上で全体の傾向として「女性の描き方が酷すぎる。蔑視的な表現があまりに多過ぎます。(映画の中で)女性は、男性の欲望、性欲を受け止める存在か、母親しかいない。もうちょっと女優にもいろんな仕事をさせてください」と女優、女性の立場からの苦言を呈した。

夕張市の財政再建団体への移行(財政破綻)がちょうど10年前の2007年の3月。同年は映画祭が中止となり、有志による「夕張応援映画祭」が開催され、翌2008年に再開され、今回で10回目(通算27回目)を迎えた。名誉大会長を務める同市の鈴木直道市長は、財政破綻から10年を経ての「リスタート」を宣言。来年以降、アニメーション部門の新設など、改革が行われることも発表された。

【ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2017受賞一覧】

■ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門

グランプリ:『トータスの旅』(永山正史監督)
審査員特別賞:『ベートーベン・メドレー』(イム・チョルミン監督)
北海道知事賞:『はめられて Road to Love』(横山翔一監督)
シネガーアワード(批評家賞):『ストレンジデイズ』(越坂康史監督)
スペシャル・メンション(非公式特別賞):『堕ちる』(村山和也監督)

■インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門

グランプリ:『M.boy』(キム・ヒョジョン監督)
審査員特別賞:『歯』(パスカル・ティボウ監督)
優秀芸術賞:『あたしだけをみて』(見里朝希監督)/『Mizbrük』(ダニエル・デュランロー監督)/『タコ船長とまちわびた宝』(飯田千里監督)

協力:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭実行委員会
《シネマカフェ編集部》

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