【インタビュー】脚本家・徳尾浩司が「おっさんずラブ」ロスに捧ぐ――最終回「書くのを悩んだ」セリフとは?<後編>

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土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ」(C)テレビ朝日
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  • 「おっさんずラブ」最終話 (C) テレビ朝日
  • 「おっさんずラブ」脚本を担当する徳尾浩司氏
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笑いと涙、感動で幕を下ろした土曜ナイトドラマ「おっさんずラブ」。田中圭、吉田鋼太郎、林遣都が演じた、いい年をした男性同士が、とにかくピュアな恋愛模様を繰り広げた本ドラマは、Twitterの世界トレンド1位に「#おっさんずラブ」がランクインするほど、2018年春ドラマの台風の目となった。最終回を迎え、「明日から何を楽しみに日常を送ればいいのか…」と愕然としているOL(おっさんずラブ)ロスの方々に、脚本家・徳尾浩司からのメッセージを届けたい。本インタビューでは、最終回で「書くのを悩んだ」という台詞について、「おっさん」について、まさか? よもや? どうなる? 気になる続編についての想い等々を明かしてもらった。

「おっさんずラブ」最終話 (C) テレビ朝日
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
――最終回が終わってしまいました。執筆の上の秘話などありましたら、是非教えてください。

実は、1か所だけ悩んだ台詞がありました。春田が牧に「結婚してください」と言うところです。元々、全7話で完結させるつもりでやっていて、「続きは○○(動画配信サービス)で」とかではなく、きちんと皆がある形を見つけて終わることはしようとしていたんです。ただ「結婚してください」と春田が言うことによって、本当に完結だと思える台詞になってしまうから、迷っていたんです。だって、言わなくてもふたりの関係は恋人としてのゴールとしては揺らがないので。

だから、貴島(彩理)プロデューサーに「もし仮に人気が出て続編となったときに、この台詞を言うと、終わっちゃう気がするから言わせないほうがいいかな?」と相談したら、「言いましょう! 終わらせていいんです。続きなんて作ろうと思えば、いくらでもできるんだから。中途半端なことをしないで、終わらせましょう!」と言われた。貴島さん、格好いいなあ…って(笑)。

「おっさんずラブ」脚本を担当する徳尾浩司氏
――(笑)。

僕はひよっていたんですよね。「続きがあるかもね」と皆さんがうわさをするような、含みを持たせる終わりにしようかと悩んだので。でも背中を押してもらったおかげで、安心して台詞を書き上げました。

――しかし、いまの徳尾さんのお話があったことでOLロスの視聴者もやや安心するかもしれません。「まだ続きがいつか見られるのかも」と。

ああ、そうですかね? きちんと7話で終わる美学を優先したというか。僕も貴島さんも中途半端で終わるドラマが嫌なのは共通していたんですよね。

「おっさんずラブ」最終話 (C) テレビ朝日
――全話を通して「おっさん」への愛が詰まった物語にも仕上がっていました。「おっさん」に感慨はありますか?

自分もおっさんだからわかるんですけど、おっさんは弱いし虐げられている生き物なんですよ(苦笑)。だけど、純粋な気持ちをなくしているわけではないと思うし、恋愛したっていいと思うから。「おっさんだけど、恋愛してもいいじゃないか」という感じですね。

前編でもお話した通り、僕が39歳、監督も39歳・41歳・38歳で同じアラフォーおっさん世代がドラマを作っていて、キャストはキレイにそこを避けて10年くらい開いた上下なんですよ。要は、僕たちは上下どちらにも同じ距離で近かった。世代の真ん中に自分たちがいるのが大きいのかもしれないです。僕らがもう少し上すぎても、若いちず(内田理央)とかが何を考えているかがわからなかったかもしれないし、もっと下すぎても、黒澤蝶子(大塚寧々)の強がる感じも出せなかったかもしれない。自分はちょうどいいおっさんのラインにいるな、と思いました。

「おっさんずラブ」最終話 (C) テレビ朝日
――振り返って、特にお気に入り場面はありますか?

春田と部長が3話でカフェ待ち合わせをする場面です。部長は「デート」と予定に書いているんですけど、春田は就業後に打ち合わせがあると呼ばれて行く。すると、「会いたくて会いたくて…震えちゃった」と手をつないで話しをされる(笑)。もう、どういうテストを繰り返してああなったんだろうって(笑)。ああいうところは、繰り返し見ていますね。動きやリアクションがめちゃくちゃ面白い。

――「会いたくて会いたくて」(西野カナ「会いたくて 会いたくて」)のくだりもそうですが、パロディのような部分も脚本には多く取り入れていらっしゃいました。

そうですね。6話でもブレーキランプを5回点滅させて「ア・イ・シ・テ・ル」のサイン(DREAMS COME TRUE「未来予想図 ll」)がありますし。3話の「君の名は。」(映画『君の名は。』)も、そうですしね。貴島プロデューサーが、「3話のタイトルを『君の名は。』にしたくて」と言ってきて(笑)。その要素をどう台本に入れたら面白いかと一緒に考えて作っていったんです。最後に「君の名は?」と問いかけたら「はるたんです」と返ってくるようにしたい、と。だったら序盤で蝶子さんが春田のことを呼ぶときには、「君」と呼ぶことにしよう、と。最後のために「君」がかかっているんです。

「おっさんずラブ」は役者も制作側もそれぞれの持っているものを出してくるようなところがあって、本当に楽しかったです。

「おっさんずラブ」最終話 (C) テレビ朝日
――こうしてブームになったいま「やってやったぜ」的なお気持ちはありますか?

全然ないです(笑)。実感も…(ない)。ドラマが始まるとTwitterの流れるスピードが速いので、「貴島さん、これ20%くらいいくんじゃないの?」みたいな冗談は言ったりしていました(笑)。一方で視聴者の中には、7話の予告のフェイクにすっかり騙されてくださった方も多くて…。春田と牧が結ばれるようには作られていなかったから、僕はネット上で相当悪者になっちゃって…「何で!?」「一生恨んでやる」というリプライがいっぱい飛んできたんですよ(笑)でも、おかげでワーッと盛り上がったから、まあ、いいですかね…(笑)? どんな形であれ、このドラマを楽しんでいただけたなら、それが一番うれしいです。

「おっさんずラブ」最終話 (C) テレビ朝日
《photo / text:Kyoko Akayama》

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