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配信オンリーの2022年おすすめ新作ホラー『ナイト・ハウス』『呪詛』ほか5選

大作、話題作が続々と配信されている配信サービスだが、2022年は例年に比べオリジナル作品、配信限定の作品も豊作だった。そんな配信オンリーの作品の中でも、特に良作揃いだったホラー映画から、おすすめ作品をピックアップ。

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アフリカの民間伝承が暴く「アメリカンドリーム」の闇『ナニー』


一人息子を残してセネガルから出稼ぎにやってきた不法移民のアイシャ。N.Y.で白人夫婦の子守り(ナニー)として働き始める。しかし滞る給与の支払いに急な残業、雇い主のセクハラに不満と苛立ちが募っていく。やがて不可解な現象が彼女を襲い始める。水にまつわる悪夢、増殖するカビ…そしてアイシャの前についに人魚の女神マミワタが現れる。まじない師は、マミワタはアイシャに何かを伝えようとしていると言うが…。

シエラレオネ系アメリカ人の女性監督Nikayatu Jusuの長編デビュー作。アフリカの民間伝承マミワタやアナンシなどをモチーフに取り、移民女性に振りかかる災厄をフォークホラー的な演出で捉えていく。恐怖描写は多くはないが、その不穏な空気感はアート映画のような趣きで、各国の映画祭で話題をさらったのも納得の出来栄え。

また、主人公の雇い主である白人夫婦が「ここで暮らしていくのは大変なんだ」と語るように、決して湯水のように金を使ういわゆる「富裕層」ではないというのも、現代のアメリカが抱える行き過ぎた利益至上主義や資本主義社会の弊害が垣間見える。そんな「アメリカンドリーム」の裏側で犠牲になるのは一体「誰」なのか…? 示唆に富んだアートハウスホラーだ。

『ナニー』はPrime Videoで配信中。


ナニー

(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

モンスター男から、逃・げ・ろ!!『ラン・スイートハート・ラン』


弁護士事務所で秘書として働くシングルマザーは、上司がセッティングした顧客との会食に出向くことに。友人にも促されドレスアップして出かけると相手もまんざらではなさそうで、良い雰囲気に…。しかし男は突如豹変。そう、彼は女の生き血を欲するモンスターだったのだ。「RUN」の赤い文字が画面いっぱいに広がり、いきなり始まる逃走劇。主人公は男の猛追をかわし朝まで逃げ切ることができるのか…!?

主人公が得体の知れないモンスターからひたすら逃げ続ける、「観るアクションゲーム」といった様相のエンタメホラー。

アイディアこそ荒唐無稽だが、「暴力にさらされる女性」の理不尽な恐怖をとらえたそのメッセージ性は切実だ。「血のにおいに引き寄せられる」という設定のモンスター=追う男は「加害性」そのもののメタファーともとらえることができ、出血した主人公がその追跡から逃れようと何度も血を拭う描写が繰り返されるのも象徴的。

しかしストーリーが進み、モンスター討伐を目指す女性リーダーが率いる地下組織にたどりつくと、主人公にとってのウイークポイントだった「血」は、そこではモンスターを撃退する強みとして生かされる。終盤には、格闘映画とヴァンパイア映画をかけ合わせたような(本当に!)熱い展開に。低予算を思わせる規模感の作品だが、むしろそのB級映画然とした熱量がなんとも心地よい怪作だ。

監督は『ディア・グランパ』『エンドレス・ラブ』などのヒューマンドラマを手掛けてきたシャナ・フェステ。

『ラン・スイートハート・ラン』はPrime Videoで配信中。


ラン・スイートハート・ラン

(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

その影は夫の亡霊か、それとも…『ナイト・ハウス』


夫が目の前で拳銃自殺し心に深い傷を負ったベス。「ずっと一緒にいると言ったのに…」夫が死を選んだ理由が分からず悶々とした日々を過ごす中、この世ならざる者の存在を確かに感じ始める。やがて夫の持ち物に不審なものを発見したベスは、その死の原因を探ることに。しかし、真相に近づくにつれて家にいる謎の者の存在はますます色濃くなっていく。やがて夫が設計した湖畔の家に、ある秘密が隠されていると知る…。

2020年のサンダンスほか各国の映画祭で注目を集めたサイコホラー。湖畔の家を舞台に、夫を亡くした女性が体験する恐怖を描く。

監督は『ザ・リチュアル いけにえの儀式』(2017年・Netflixオリジナル作品)などのデヴィッド・ブルックナー。2022年に公開された「ヘルレイザー」シリーズの最新作でも監督を務めており、今後の動向が注目されるクリエイターの一人だ。本作でも、家具や壁を使い人影に見せるトリックアートのような表現や、『透明人間』(2019)を進化させたような特殊効果を用い、斬新なホラー演出でそのクリエイティビティを発揮している。

そして何より主人公・ベスを演じたレベッカ・ホールが素晴らしい演技を見せる。「夫を失った未亡人」という従来ならさめざめと悲しみに暮れるヒロインとなりそうな役柄を、愛した夫のその死に怒りを感じているという一筋縄ではいかないキャラクターとして演じている。それによりむしろ弱々しく危うい雰囲気も漂わせていて、そのバランスが絶妙だ。

レベッカ・ホールは主演のほか、エグゼクティブプロデューサーにも名を連ねている。

『ナイト・ハウス』はディズニープラスにて見放題配信中。各種配信サービスで有料配信。


Disney+公式サイトはこちら

予測不能のジェットコースターホラー!『バーバリアン』


民泊予約サイトの手違いから、ダブルブッキングしてしまった見知らぬ男女。女性のテスは警戒し車で夜を明かそうとするが、周辺は治安の悪さで有名な地域。男性キースは気さくな様子で寝室を明け渡してくれる。だが翌日、2人は驚くべきものを目にする。

一方、性暴力を告発された映画製作者のAJは、仕事を失い金策のために自身の不動産を売却しようとテスとキースが泊まった家を訪れるが…。

本作を一言で言うなら「予測不能」。ネタバレ厳禁な作品なのであまり多くは語れないが、2つの物語が収斂し、さらに時間軸を行き来しながら、家に隠された驚愕の真相が明らかとなっていく手法も手堅く巧い。『イット・フォローズ』『ドント・ブリーズ』などでも舞台となったデトロイトの寂れた住宅街という舞台装置がまた、都会とも田舎とも違う独特の不気味さを漂わせている。

それから、秀逸なキャスティングも本作の魅力だろう。キースを演じるビル・スカルスガルドは「いい人そうだけど本当に信用してよいものか…?」という絶妙な怪しさのさじ加減で、さすが『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のペニーワイズ! また、ジャスティン・ロングが演じたAJという人物はあらすじにもある通り、本当に「クズ」としか言いようのないのだけれど、そのクズさが最後まで覆らないのがむしろ好印象。

予想を裏切り期待を裏切らない、今年ナンバー1といってもいいライド感のジェットコースターホラーだ。

『バーバリアン』はディズニープラスにて見放題配信中。各種配信サービスで有料配信。


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みんなで唱えよう「ホーホッシオンイーシーセンウーマ」!『呪詛』


ある事情から娘を手放してしまった女性が、娘を引き取り再び一緒に暮らし始める。しかしすぐに怪奇現象が頻発。母は娘に襲い掛かる怪異の存在を確かめるためカメラを回し始める。しかし恐怖のはじまりは母親自身がある村で触れてしまった過去の禁忌にあった…。

本国で予告編が公開された際、そのあまりの怖さに日本のSNSでも話題騒然となった台湾ホラー。2022年は『哭悲/The Sadness』や『紅い服の少女』シリーズなどが公開され、ますます注目の集まる台湾ホラーだが、Netflixにて配信が開始されるやいなや視聴ランキングTOP10にもランクイン。その注目度の高さを改めて知らしめた。

サブジャンルとしてはPOV(モキュメンタリー)ホラーなのだが、実はその枠組みがしっかりと意味を成す、という構成になっており、日常に侵食してくるような恐怖を感じることができる。ジャンプスケア(驚かし)のホラー演出ももちろん秀逸だが、それよりも「何かが起こりそう」といった雰囲気作りの積み重ねがむしろ素晴らしいと感じた。そのほか、ジャパニーズホラーの要素を感じさせる演出や、道教(中国三大宗教の一つ)をモチーフにした儀式の描写など、ホラー好きのツボをおさえている点も見逃せない。

ただ、虫や集合体に恐怖のある人は注意が必要。また、現実と地続きと感じるホラー作品が苦手な人にもあまりおすすめできない。ホラー映画に慣れていても「怖い」と語る人も多い作品なので、心して鑑賞してほしい。

本作はすでに続編の製作が決定しており、再び世界中に「呪い」が広められるのかと思うと…ホラーファンとしては楽しみで仕方がない! 2022年のホラー映画を語るうえで必見の一作だ。

『呪詛』はNetflixにて独占配信中

《深山名生》

人にやさしく映画はたのしく 深山名生

子どもの頃から映画が大好きで、縁あってライターの道へ。web媒体への執筆やTwitterで映画の感想などを書いています。好きなジャンルはホラーコメディとSF。何事も深掘りして調べるのが趣味。ビデオスルー映画ウォッチャー。

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