イ・ソンギュンの最期の新作映画であり、チョ・ジョンソク、ユ・ジェミョンら豪華キャストが共演した『幸せの国』(原題)が、邦題『大統領暗殺裁判 16日間の真実』として8月22日(金)より全国公開されることが決定した。
本作は、『KCIA 南山の部長』から『ソウルの春』をつなぐ、韓国史上最悪の政治裁判を描いた衝撃のサスペンス。
軍事クーデターで政権を掌握し、独裁者といわれるほど強大な権勢を振るった朴正煕(パク・チョンヒ)大統領。そんな彼が国のナンバー2とも噂された側近の中央情報部(KCIA)部長・金載圭(キム・ジェギュ)によって、1979年10月26日に暗殺された。
本作は、このセンセーショナルな事件の裁判と、10.26大統領暗殺から『ソウルの春』で題材にされた12.12軍事クーデターという韓国近代史の中でも大きな歴史的事件に巻き込まれた3人の男を、一部フィクションを交えて史実に基づき描き出す。

■誰もが願った「幸せの国」とは――
厄介な事件の裁判を多く担当する弁護士会のエースである主人公チョン・インフは、大統領暗殺事件に巻き込まれた中央部情報(KCIA)部長の随行秘書官であるパク・テジュの弁護を引き受ける。
軍人であるがためにただ1人、軍法裁判にかけられ、たった一度の判決で刑が確定する彼のために、公正な裁判を求めて戦うチョン・インフだったが、のちに軍事反乱を起こす巨大権力の中心である合同捜査団長チョン・サンドゥによって裁判は不正に操られていた――。
当時行われた実際の裁判でも、何度も密かに法廷へメモが届けられ「メモ裁判」と呼ばれるほど、不当なものだった。また、パク・テジュのモデルとなったパク・フンジュ大佐の裁判は、被告人の中で唯一の軍人であったがために単審制が適用され、最初の公判からわずか16日後に最終判決が下されることとなり「性急裁判」と呼ばれている。
この韓国史上最悪の裁判とも言われる大統領暗殺裁判を、弁護する者、裁かれる者、裏で操る者、それぞれの目線でドラマチックに作り上げたのは、イ・ビョンホン主演で大ヒットした映画『王になった男』の監督チュ・チャンミン。その手腕を今作でも遺憾なく発揮し、その当時に生きた人々の声にならない悲痛な叫びを鮮明に描き出している。

■韓国映画・ドラマ界を代表する役者たちが集結
映画オリジナルのキャラクターであり、勝つためには手段を選ばない主人公の弁護士チョン・インフ役に、ドラマ「賢い医師生活」や新作映画『パイロット』(原題)などで人気の俳優チョ・ジョンソク。
そのチョン・インフが弁護する愚直な軍人パク・テジュ役には、映画『パラサイト 半地下の家族』など数多くの映画やドラマに出演し、本作が最期の新作となった俳優イ・ソンギュン。
そして裁判を裏で操る合同捜査団長チョン・サンドゥには、『劇映画 孤独のグルメ』や「梨泰院クラス」などで多様な演技を見せる名優ユ・ジェミョン。
ユ・ジェミョンは全斗煥(チョン・ドゥファン)をモデルにしたこの役で、先日、第61回百想芸術大賞・映画部門助演男優賞を受賞。
壇上のスピーチで「兄弟のような、イ・ソンギュンやチョ・ジョンソク、全てのスタッフや共演者たちと酒を飲み交わし、笑いながら抱き合ったあの日の夜が忘れられない。先にこの世を去った友を偲び、ともに映画を作り上げた人たちを思い返しながら、今日は幸せな夜になりそうだ」と語り、会場の涙を誘った。
『KCIA 南山の部長』ではパク・チョンヒ大統領暗殺を、『ソウルの春』では軍事クーデターを、『タクシー運転手~約束は海を越えて~』では光州事件を描くなど、数々の史実に基づいたフィクション映画の傑作を生み出してきた韓国。本作ではこれまでに描かれることのなかった韓国史上最悪の政治裁判の裏側を明かしている。
『大統領暗殺裁判 16日間の真実』は8月22日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開。
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