イギリスの巨匠マイク・リー監督の最新作『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』(原題:Hard Truths)が、10月24日(金)より全国公開されるされることが決定。ポスタービジュアルと場面写真が解禁された。
舞台は現代のロンドン。パンジーは配管工の夫、カートリーや20代の無職の息子、モーゼスと一緒に暮していた。いつも怒ってばかりの彼女は朝から家族にも小言ばかり。外出しても、パンジーの怒りは収まらない。

そんな彼女には美容師の妹、シャンテルがいるが、彼女は姉とは対照的な陽気な性格。シングルマザーの彼女はふたりの娘と暮しているが、家庭内では笑いが絶えない。母の日がくると、シャンテルの提案で、パンジーは亡くなった母、パールの墓参りにしぶしぶ出かけることに…。

怒りを抱える母親パンジーを演じるのは、マリアンヌ・ジャン=バプティスト。96年の『秘密と嘘』でアカデミー助演女優賞候補となった実力派であり、本作でもその演技が高く評価されている。
ショーン・ベイカー、グレタ・ガーウィグといった名だたる監督たちに影響を与えてきたマイク・リー監督。過去の『秘密と嘘』、『家族の庭』といった代表作でも、家族の絆を通じて、社会の片隅で生きる庶民たちの真実を描き続けてきた。

本作でも、いつも通り撮影前は脚本を用意せず、俳優との即興的なリハーサルを重ねることで物語の骨組みを作り上げる。そんな独自の手法を通じて人間のリアルな感情に迫っていく。今回、初めてロンドンで生きる黒人たちの日常生活をテーマにし、まさに演出の極致ともいうべき至福の逸品を作り上げた。
マイク・リー監督はインタビュー(AP通信)で「街に出ればパンジーのような人間はたくさん目に入る」と語っている。パンジーは怒りを周囲にぶつける人生を送っているが、この映画では、そんな主人公の怒りや孤独の向こう側にあるものも見せる。

解禁となったポスタービジュアルには、主人公パンジー(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)が、妹シャンテル(ミシェル・オースティン)の胸にもたれかかるシーンを切り取ったもの。2人の表情は複雑で意味深だ。「あなたを理解することは出来ないけれど、それでも、わたしは愛してる」というキャッチコピーが添えられ、2人が辿ってきた道のりを想像させる。


併せて、場面写真も解禁。墓参りでの姉妹の姿やパンジーと一家の様子、眉間にしわを寄せ、いまにも怒り出しそうなパンジーの表情などが切り取られている。
『ハード・トゥルース 母の日に願うこと』は10月24日(金)より新宿シネマカリテほか全国にて公開。


