韓国大衆文化のスペシャリストとして知られ、ラジオDJ・イベントMC・ジャーナリストなど多方面で活躍する古家正亨が、ABEMAにて8月後半から全話無料配信される2作品「財閥家の末息子~Reborn Rich~」と「スタディーグループ」の見どころをたっぷりと語った。

「財閥家の~Reborn Rich~」他に類を見ない、唯一無二の作品
全話無料期間:~9月15日(月)23時59分まで
――「財閥家の末息子」は、どんなところに惹かれましたか?
古家:この作品は本当に「韓ドラのすべてが詰まっている」と言っても過言ではないですね。復讐劇、転生もの、歴史ドラマとしての側面まであって、韓国ドラマの魅力が全て凝縮されています。ソン・ジュンギさんが出演しているということで、女性の視聴者は自然と興味が沸くと思いますが、タイトルだけ見ると「財閥家の末息子?何それ?」って、男性はちょっと入りにくい印象をもつかもしれません(笑)。
ですが、むしろこれは男性に観てもらいたいドラマだと思っています。僕自身、こういう近現代史をテーマにした作品にはすごく興味があるんです。最近の韓国映画でも、そういうテーマのものが日本でヒットしているじゃないですか。やっぱり、自分たちが生きてきた時代と重ね合わせられるというか、体感できるので。

――近現代史というのは具体的にどういった点が描かれている?
古家:この作品では1987年から2004年までが舞台になっていて、たとえば88年のソウル五輪の前後や、97年の経済危機、そして2002年の日韓W杯までの韓国にとって激動の時代をリアルに描いていて、韓国が民主化と経済発展の狭間でもがいていた時代の空気感が伝わってきます。韓国の歴史や社会に興味がある方にはたまらないはずです。
――財閥というテーマも韓ドラではお馴染みですよね。
古家:そうなんです。でもこの作品ではその財閥が“悪役”として強く描かれている。財閥という存在が韓国社会で果たしてきた役割と、それに対する人々の妬みや怒りもリアルに表現されています。たとえば「ナッツ・リターン事件」のように、財閥のスキャンダルが世間の反感を買うという背景も理解できる構造になっています。
――演技面ではいかがですか?
古家:本作で特に注目してほしいのが、財閥“スニャングループ”の会長を演じるイ・ソンミンさんの存在です。
彼といえば「ミセンー未生ー」で“オ・サンシク課長”を演じたことで知られていますが、今回の『財閥家の末息子」では、その演技力がさらに炸裂していて、もはやソン・ジュンギさんが主演であることを忘れるほど、シーンの“主役”といっても過言ではない存在感を放っています。カメレオン俳優とも言えるような幅広い表現力で、冷徹さ、狡猾さ、時折見せる人間味といった複雑な感情を絶妙なバランスで演じ切っていて、本当に圧倒されます。

僕自身、「ミセン」をきっかけにイ・ソンミンさんのファンになり、以降彼の出演作はすべて観ていますが、その中でも本作は間違いなく代表作の一つ。韓国ドラマの魅力が凝縮されたような重厚な物語に、近現代史を背景としたリアリティ、そして財閥をぶった切っていく“代理満足”的な快感があり、転生ものであることを忘れるほどのリアルさが漂っています。設定としては“ありふれている”と感じるかもしれませんが、それを超えてくるのが俳優陣の圧倒的な演技力。まさに他に類を見ない、唯一無二の作品だと思います。
こんなにすごい俳優であるにも関わらず、イ・ソンミンさんはなかなか来日されていないんですよね。だからこそ、いつか日本でファンミーティングを開催してくれたらと、心から期待しています。

<あらすじ>
韓国を代表する財閥スニャングループに忠誠を尽くしながら、あっけなく切り捨てられて銃弾に倒れたユン・ヒョンウ。彼が目を覚ますとそこは、ソウルオリンピックを翌年に控え、民主化へと突き進む激動の1987年だった。
彼はスニャングループ創業者チン・ヤンチョル会長の孫チン・ドジュンの体に乗り移り、二度目の人生を歩むことに。自分の殺害を指示した人物の一族として生きることになったヒョンウが一発逆転を狙う、新たな人生ゲームの行方は…。

「スタディーグループ」皆さんと一緒に楽しみます
全話無料期間:~8月31日(日)23時59分まで
――続いて「スタディーグループ」について伺います。
古家:この作品は、ABEMAのスタッフさんから「なんで観てないんですか!?」って、軽く脅された作品です(笑)。ちょっと時間がなくてまだ見れていませんが。主演でファン・ミンヒョンさんが出演されていますが、ミンヒョンさんといえば、元々「NU‘EST」としてデビューして、「Wanna One」でも活躍したあと、ソロとしても俳優としてもキャリアを積んでいますよね。
で、何がすごいって、彼って演技力もさることながら、日本語がめちゃくちゃ上手なんですよ。何度かお仕事をしたことがあるんですが、彼、日本語で普通にやり取りできるんです。ファンミーティングでは日本語でコミュニケーションさせていただいたほど彼の日本語は、ただ“話せる”っていうレベルではないんです。一言一言にちゃんと感情がこもっている。たとえば「古家さん、お元気ですか?」って言う時も、表面的にではなく、本当に心からそう思って言っている感じが伝わってくるんですよ。それが他の人とはちょっと違う。だから、ファンとの距離感もすごく近いし、日本のファンにとっては本当に“伝わる日本語”を話せる方だと思います。

でも今回の役は「勉強は好きだけど、頭は悪い。だけど身体能力がとても高い」っていうキャラなんですよね。実際のミンヒョンさんは、明らかに“頭がいい”人だから(笑)、そのギャップを演じるのが大変だったと思います。
――OSTについても注目されています。
古家:ZB1(ゼロベースワン)が参加しているんですよね。彼らが歌うOSTが、最初のアクションシーンともすごく合っていて、ちょっとヒップホップ寄りのサウンドが新鮮でした。これまでのZB1とは違う、新しい一面が見られると思います。

――アクション面でも高評価ですね。
古家:アクションシーンが多いと思いますが、ミンヒョンさんのフィジカルの良さが最大限に引き出されていると伺っています。キレのある動きがすごく映える方ですから、ピッタリな役柄ですよね。また、ミンヒョンさんの演技・存在感は韓流業界の中でも評判がすこぶる良くて。韓国ドラマをたくさん見てきた“プロ”たちが面白いって言うんだから、面白くないわけがない(笑)。だから僕も、この夏は視聴者の皆さんと一緒に楽しみます!

<あらすじ>
勉強はまるでダメだけど、喧嘩の才能と勉強に対する意欲だけは百点満点のユン・ガミン(ファン・ミンヒョン)は大学入試に向けて校内唯一のスタディーグループを作ったものの、不良ばかりの学校ではその存亡すら危うい。果たしてガミンは、史上最悪の学校であるユソン工業高等学校でスタディーグループを守り、無事大学に進学することができるだろうか…。
■「ABEMA」8月に全話無料で楽しめる韓国ドラマ作品
<配信中>
「奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い-」
「福寿草」
「私たち、家族です~My Unfamiliar Family~」
「紳士とお嬢さん(字幕)(吹替) 」
「ジャイアント」
「これが人生!ケ・セラ・セラ」
「笑ってトンヘ」
「青春ウォルダム~運命を乗り越えて~」
「王の顔」
「チャン・オクチョン」
「ヒーラー~最高の恋人~」
「輝くウォーターメロン~僕らをつなぐ恋うた~」
「ハベクの新婦」
「エンジェルアイズ」
「イニョン王妃の男」
「ショッピング王ルイ」
「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」
「ゴー・バック夫婦」
「恋のスケッチ~応答せよ1988~」
「元カレは天才詐欺師?~38師機動隊~」
「匂いを見る少女」
「自白」
『誰も知らない」
「運の悪い日」
「7人の脱出 season2ーリベンジー」
「秘密の森~深い闇の向こうに~」
「財閥家の末息子~Reborn Rich~」
「ペントハウス(字幕/吹き替え)」
「ライブ~君こそが生きる理由~」
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