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【ドラマニア】それぞれに異なる“愛の形”を描いた夏ドラマ「勝手にベスト3」

もうまもなく2025年の夏ドラマも終了の時を迎える。そこで今日は、毎クール全ての作品をチェックしているドラマニアな筆者が「勝手にベスト3」と題して、中でも心に残った作品を厳選してふり返っていこう。

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「愛の、がっこう。」(C)フジテレビ
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  • 「愛の、がっこう。」(C)フジテレビ
  • 「愛の、がっこう。」© フジテレビ
  • 「初恋DOGs」© TBS
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  • 「しあわせな結婚」
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もうまもなく2025年の夏ドラマも終了の時を迎える。そこで今日は、毎クール全ての作品をチェックしているドラマニアな筆者が「勝手にベスト3」と題して、中でも心に残った作品を厳選してふり返っていこう。今期は特に、異なる“愛の形”を描いた作品の存在が目立っていたように思われる。

第1位:「愛の、がっこう。」

地位やお金があっても満たされない “愛”にもがくキャラクターがリアルなドラマ

厳格な家庭で育った真面目な高校教師・小川愛実(木村文乃)は、ある生徒の夜遊びをきっかけに、孤独なホスト・カヲル(ラウール)と出会う。ディスレクシアを患う彼に文字の読み書きを教える個人授業を重ねるうち、互いを愛しく想う感情が芽生えて…。しかしながら、周囲のさまざまな批判や非難、憎しみ、嫉妬が二人に容赦なく襲いかかっていく。禁断のラブストーリーとして大きな注目を集めた夏ドラマ「愛の、がっこう。」。

本作では、地位や財力に限らず、登場人物たちがみんなそれぞれに違う形の“愛”を追い求め、もがいている姿が非常に印象的だった。「教師がホストと良い仲になるなんて…」もちろんその部分が大きな焦点となっているのだが、そうした正論を振りかざすことでしか自分を正当化できないサブキャラクターたちの言動が妙にリアルなのだ。学力不足だと思って手を離した息子・カヲルに勉強を教える教師をどこか疎ましく思う母親。「娘の幸せが一番」だと言えば、どんなモラハラでも許されると勘違いしている父親。銀行員としてのプライドで結婚相手を選んだ結果、ホストに嫉妬する羽目になった婚約者の男…。

いずれも本当の意味で相手の幸せを願ってはおらず、愛実とカヲルの眩しい純愛を目の当たりにすればするほど、自分の心の闇が照らされて言動が激化してしまう。そんな彼らが、最終回に向けてどんな風に変化していくのかが大きな見どころのひとつとなった。誰しもの胸に何かチクッと刺さる、そんな一作に仕上がっていたのではないだろうか。

第2位: 「初恋DOGs」

それぞれの過去のトラウマが交錯 じれったくも初々しい“三角関係”に ついハマってしまう

主人公の花村愛子(清原果耶)は、離婚訴訟を専門に手掛ける敏腕弁護士。不仲な両親を見て育ったことで恋や愛を信じられなくなってしまったのだが…。ある時、愛犬のサクラを通じて、獣医かつ初恋の相手である白崎快(成田凌)と再会する。さらには、ちょっぴりワケアリな韓国御曹司のウ・ソハ(ナ・イヌ)も加わって、人生初となる恋の三角関係に!? 爽やかで優しいラブストーリードラマ「初恋DOGs」。

本作の中でつい二度見三度見したくなってしまうのが、白崎の激しいこじらせ男子ぶりだろう(笑)。「あなたが初恋の相手だ」と言われても、雰囲気の良い海辺でキスをされても…なぜだか彼はいつもキョトンと首を傾げる。そうして心の中でゆっくり「今のは何だったんだろう?」と自問自答するので、愛子はその沈黙が怖くなって自分の恋愛感情をつい否定してしまうのだ。そんな彼の鈍感さがじれったくもどこか懐かしく、画面の前で初恋を思い出した視聴者も多かったのでは?

また、もうひとりの重要な登場人物・ソハも、厳格な家庭で育ちマスコミに注目されながら生きてきたトラウマから、自分の気持ちを閉じ込める癖がしみついていた。だが、日本に移住することで、少しずつ本来の明るさを取り戻して…。ソハが、主人公・愛子よりも先に白崎の鉄壁な心のガードを壊していく展開が意表をついてとても面白かった。白崎のことをヒョン=兄貴と慕い、愛子をチング=友達と呼び、自分の恋心を隠しながら二人の恋を応援していくソハ。見ていてとても温かい気持ちになる、新感覚の三角関係が楽しめる恋愛ドラマに仕上がっていたと思う。登場する犬・猫キャストたちがとにかくかわいいのも本作の特徴なので、まさに、疲れた心におすすめの一作だ。

第3位: 「しあわせな結婚」

“本当の愛”とは何なのか? 秘密を暴くこと、それとも、秘密を守ること…?

長い間、独身主義を貫いてきた弁護士の原田幸太郎(阿部サダヲ)は、入院先の病院でミステリアスな高校美術教師・鈴木ネルラ(松たか子)に出会い、結婚を決意。しかし、彼女はかつて恋人を殺害した容疑をかけられ、警察から追われている身だった。大石静香さんが脚本を手掛けた、夫婦の愛を問うマリッジ・サスペンス「しあわせな結婚」。

本作では、最初主に「誰が事件の真犯人なのか」という点にスポットが当たっていたのだが、回を追う毎に「誰が誰への“愛”で秘密を隠しているのか」という不思議な考察がSNSを中心に大きく盛り上がっていった。ミステリーにありがちな「誰かを恨んで」ではなく、大切な人を守るために嘘を重ねてしまった悲しい鈴木家。そこへ結婚という形で外部から入ってきた幸太郎。その存在が事件の真相に迫るほど、果たして「結婚をしたことは正しかったのだろうか」という普遍的な課題に突き当たる。離婚したところで逮捕された家族が戻ってくるわけでもないし、そもそも幸太郎が事件を解決したことは良しとされるべきはずのことなのに…。歪んだ愛でかためられた家族の行き着く先とは――? 深く考えさせられる作品なので、ぜひ心して振り返ってみていただきたい。

以上、2025年夏ドラマの「勝手にベスト3」いかがだっただろうか。次回は秋ドラマのおすすめをご紹介予定。お楽しみに。


《YUKI》

三度の飯よりドラマが大好き YUKI

テレビ局での勤務を経て、フリーに転身。毎クール全ての作品に目を通す【ドラマニア】としてコラムを執筆している。近年はシナリオライターとしても活動の幅を広げており、乙女ゲームをはじめ、CMや謎解きなど、ジャンルを問わず様々な企画に挑戦中。

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