フランスで260万人動員の大ヒットを記録した『ファンファーレ!ふたつの音』よりメイキング映像が解禁された。
2020年カンヌ国際映画祭に正式出品され、ヨーロッパ映画賞コメディ作品賞を受賞した『アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台』のエマニュエル・クールコルが監督・脚本を務める本作。
吹奏楽団のトロンボーン奏者の弟とスター指揮者の兄、境遇の全く違う生き別れの兄弟の2人が出会い、音楽を通して関係を深めていく様子を描く。

弟のジミーを演じるのは、フランソワ・オゾン監督の『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』『秋が来るとき』で評価され、近年出演作のオファーが絶えない新たな才能ピエール・ロタン。ジミー役についてエマニュエル・クールコル監督は「あてがきだった」と語っている。
この度解禁されたのは、そんなピエール・ロタンが、兄ティボ役のバンジャマン・ラヴェルネとともに指揮やピアノに挑戦する舞台裏が収められたメイキング映像。
劇中、世界的な指揮者である兄ティボと期せずして出会ったことで、少しずつ音楽と真剣に向き合うようになった弟ジミー。解禁となったメイキング映像では、役柄の設定さながら、「棒の先端で指揮するんだ」というバンジャマン・ラヴェルネの熱心な指揮指導に、ちょっと戸惑いながらも「いくぞ1234」と何度も指揮振りを練習するピエール・ロタン。練習の途中でお菓子を手にして指揮しようとして、「食べながら指揮はできない」と注意され、とぼけるキュートな場面も。
さらに、ピアノを連弾するシーンの練習では、2人はセリフを口にしながら、流暢にアドリブをいれつつピアノを2人で弾き始め、隣でみていたエマニュエル・クールコル監督もすかさずカメラアングルを確かめるほど素晴らしい演奏を披露している。
エマニュエル・クールコル監督が「とても違う性質を持った二人」と表すピエール・ロタンとバンジャマン・ラヴェルネだが、舞台裏での音楽の練習が2人のキャラクターと関係性を作るのに一役買っていたことが垣間見られる映像となっている。
ピエール・ロタンは演じたジミーのキャラクターについて、「監督は僕のことをよくわかってくれているので、どこか自分と似ているところがある」とふり返る。そして「ジミーは内省的だけど人間味があって、粗野だけど同時に繊細でもある。そして自分でもコントロールできない矛盾があるから、時々バカなことをやってしまう。そこがほろりとさせられる」と思い入れたっぷり。
「小さいころ母に習って独学だが、もう30年ぐらい弾いている」というピアノの腕前にも注目だ。
『ファンファーレ!ふたつの音』は新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中。


