松村北斗主演『秒速5センチメートル』にて、BUMP OF CHICKEN「銀河鉄道」、Radiohead「Thinking About You」、JUDY AND MARY「クラシック」が劇中歌として使用されていることが分かった。
主人公・遠野貴樹の18年間にわたる人生の旅を、幼少期、高校生、社会人の3つの時代で描いた本作。
映画監督・写真家として若くして国内外から高い評価を得ている奥山由之が監督を務め、松村北斗、高畑充希、森七菜、青木柚、上田悠斗、白山乃愛、木竜麻生、宮崎あおい、吉岡秀隆といった豪華キャスト陣が出演。
公開後、週末観客動員数No.2(※10月10日~10月12日 興行通信社調べ)を記録。10月13日(月・祝)までの公開4日間で観客動員数38万人、興行収入5.4億円を突破。SNS上では「どうしようもなく泣けた」「映像美に“魅入る”2時間だった」「ハードルが高いアニメの実写化として、間違いなく成功例!」「もう一回観に行く」などの感想が上がっている。
この度、山崎まさよし「One more time, One more chance ~劇場用実写映画『秒速5センチメートル』Remaster~」に加えて新たな劇中歌が解禁。
BUMP OF CHICKEN「銀河鉄道」は、2005年に発売されたシングル「プラネタリウム」のB面に収録された知る人ぞ知る名曲で、劇中では2008年の明里のシーンで登場する。
レンタルビデオ店で『月とキャベツ』のDVDを手にしながら店内BGMとして耳にし、「電車の窓」から都会の「生きた街」を眺めながら帰宅する明里。『月とキャベツ』を観終わったあとのベランダで、月を見上げるその姿は、都会の喧騒の中で遠い記憶に想いを馳せているよう。
一方の貴樹は、仕事途中のPCを前に、恋人からのメールにどこか空虚な返答をし、心はあの頃からどこか「止まったまま」で、恋人とやりとりしているのに「ひとり」を感じさせるような明里とは対照的な日常。そして、「銀河鉄道」のA面曲である「プラネタリウム」も本作では重要なモチーフとなっている。
また、Radiohead「Thinking About You」は1993年にリリースされたデビューアルバム「Pablo Honey」に収録された1曲。
劇中では1997年、高校生時代の貴樹が聞いていた楽曲として登場。貴樹に恋心を抱く花苗もまた、好きな人と同じ音楽を共有したいという気持ちから、貴樹から借りたCDでこの曲を聞いている。貴樹にとっても花苗にとっても「ずっと君のことを考えてしまう」という甘酸っぱい恋の楽曲で、高校時代の貴樹と、大人の貴樹の切ない心情を繋ぐ1曲。
そして、JUDY AND MARY「クラシック」は1996年にリリースされた10枚目のシングル。劇中では1997年、高校生時代の花苗が、勇気を振り絞って貴樹を誘ったカラオケボックスで歌っている。
「今アツイキセキがこの胸に吹いたら」と、歌詞に込めた花苗の精一杯の恋心と、貴樹との恋が成就するように願うひたむきな想いが、この曲に乗せて伝わりり、まさに胸がキュンとするような青春の輝きが詰まったシーンとなった。
1997年リリースの山崎まさよし「One more time, One more chance」とも合わせて、本作の劇中歌は、どれも大切な人への恋心を歌い上げ、それぞれの時代を彩る名曲ばかり。登場人物たちが生きた時代が、音楽を通して表現されている。
新海監督が原作アニメーションで、山崎まさよしの「One more time, One more chance」に物語を重ね合わせたように、その「音楽が物語を紡ぐ」というイズムが実写版でもしっかりと受け継がれている。
大ヒットスタートを記念し、新たなビジュアルも解禁
今回解禁されたビジュアルは2種。幼少期の貴樹と明里のビジュアルは、桜の花びらが舞う空に、優しく差し伸べられた温かな手と、それに応えようとする手が描かれており、映画のタイトル「秒速5センチメートル」が桜の花の落ちるスピードであるという作中の印象的なセリフを1枚の写真に封じ込めている。
まるで触れそうで触れない、あの頃の儚くも美しい記憶がよみがえるようなビジュアルとなった。

一方、大人になった遠野貴樹と篠原明里のビジュアルは、作中で“約束の場所”として重要な意味をもつ桜の木を隔てて背中合わせで振り向く2人。
本ビジュアルは、大人になった貴樹と明里が異なる空の下に異なる場所で生きながら、ふと互いの気配に振り替える2人を《多重露光》という高度な写真技術を用いて撮影。
貴樹を演じる松村、明里を演じる高畑、桜の木、舞う花びら、舞う雪、雪の積もる地面は、それぞれ別の時間・場所で撮影され、デジタル上の合成技術などを用いずに、同一のフイルムに層を重ねるように焼きつけられた写真であり、撮影手法そのものが、別々の場所を生きる2人の登場人物と映画のテーマである《距離と時間》の表現したものとなった。

これらのビジュアルを手掛けたのは、広告写真から映画まで、国内外で数々の賞を受賞し、是枝裕和監督作品の撮影でも知られる日本を代表する写真家、瀧本幹也。
『そして父になる』で第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門審査員賞、『海街diary』で第39回日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞。『三度目の殺人』で第74回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出されており、その卓越した感性と技術は世界中から高く評価されている。
この2種類のビジュアルは奥山由之版『秒速5センチメートル』の世界観を、瀧本幹也による写真とグラフィックデザイン・矢後直規という“いま”を代表する作り手が汲みあげて創作したものとなっている。
『秒速5センチメートル』は全国にて公開中。



