マイケル・キートンが監督・主演・製作の三役を担った『殺し屋のプロット』。キャリア集大成ともいえる本作について語るコメントが到着した。
本作は、急速に記憶を失う病に侵された老ヒットマンが人生最期の完全犯罪に挑む極上のLAネオ・ノワール。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』でアカデミー賞にノミネートされたマイケル・キートンが、キャリアの集大成ともいえる一作を手がけた。共演には映画界のレジェンドから実力派オスカー俳優まで、アル・パチーノ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジェームズ・マースデン、ヨアンナ・クーリクら豪華キャストが集結している。
マイケル・キートンは「自分の“役者談義”はあまり面白くないと思っている。演技論を語ることが好きじゃないんだ。そういうことを話している自分の声を聞くのが好きではない」と率直に語る一方、「でも、ほかの俳優には興味がある」と言い、共演陣との撮影現場でのやりとりや裏話については、自身の言葉でたっぷりと語ってくれた。
主人公ノックス(マイケル・キートン)を支える盟友ゼイヴィアを演じ、裏稼業のベテランらしい飄々とした余裕と、洒脱な存在感で作品に大人の味わいを添えているのは、意外にもマイケル・キートンと初共演となったアル・パチーノ。脚本を読んで気に入ったアル・パチーノにすぐに電話を掛けたという。

アル・パチーノについて、「アル(・パチーノ)とは電話で話し始めたのが最初だった。登場人物についてあれこれと話したが、驚くほど気楽で気取らない会話だった。映画作りについての堅苦しい話はなく、自然だったんだ」と、マイケル・キートンは振り返る。

ノックスの元妻役を演じたマーシャ・ゲイ・ハーデンについては、「彼女は、演じる上で行き詰まったときに、“ああ、あの人に頼めばなんとかしてくれる”と思える存在だ。“これは無理だな”と思うようなシーンでも、彼女が演じると結局上手くいってしまうんだよ」と、その信頼の厚さを明かした。
とある罪を犯してしまったことをきっかけに、疎遠だった父に助けを求めるという本作で最も感情をむき出しにするキャラクターに挑んだ、一人息子のマイルズ役を演じたジェームズ・マースデンについては、「ジェームズ・マースデンに関しては、今回きっと度肝を抜かれると思うよ。素晴らしい演技だったし、彼は本当にいい奴なんだ。私との仕事のせいで彼に悪い影響がないといいけど」とユーモアを交えつつ、演技力と人柄の両面を称えている。
ノックスの動向を追うイカリ刑事を演じたスージー・ナカムラについては、「彼女の出演作を何本か見たことがあって、いつも笑わされていた。この役にはコメディの経験がある人がほしいと思っていたのでピッタリだったね。面白い人というのは、ある種の知性を持っていて、こちらが予想しないことをしてくれる。皮肉屋で、自然体なのに笑える。男を怖がらず、自分を貫く女性。そんなイメージの役だったんだ」とその魅力を語った。

撮影を終えた後の心境を聞かれたキートンは、「小さな役でさえ本当に素晴らしかった。撮影が終わったあと、日が経ってからも”この作品が一番楽しい現場だった”とわざわざ言いに来てくれる人がたくさんいたんだ。それが本当に嬉しかったし、最高の仲間に恵まれたと思うよ」と感慨深く語っている。
『殺し屋のプロット』は12月5日(金)よりkino cinema新宿ほか全国にて公開。




