威厳があるのに、どこかやわらかい——いま韓国ドラマファンの間で注目を集めているのが、『21世紀の大君夫人』で大妃ユン・イランを演じるコン・スンヨンの“大妃メイク”だ。
特に印象的なのが、肌の内側からにじむような血色感のある、アプリコットピンクの“ふんわりチーク”。韓服の美しさを引き立てながら、現代的に洗練されたそのメイクには、大人の女性こそ真似したくなる品の良さがある。今回はそんな “大妃メイク”の魅力に迫ってみた。
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K-POPの練習生から女優へ転身
IUとビョン・ウソク主演の『21世紀の大君夫人』が、終盤に向けて宮廷ロマンスも権力争いも加速する中、静かな存在感を放っているのがコン・スンヨンだ。

幼い王の母として野心と誇りを背負い、張りつめた表情や鋭い眼差しには常に緊張感が漂う一方で、目元や頬の印象はどこかやわらかい。その絶妙なバランスが、大妃の風格に、冷たさだけではない奥行きを生み出している。さらに、ときおり登場する髪を下ろした洋装スタイルとのギャップに、「ドキッとする」という視聴者の声も多い。

1993年生まれのコン・スンヨンは33歳。3姉妹の長女で、末妹がTWICEのジョンヨンであることでも有名だ。2012年にCFでデビュー後は、『六龍が飛ぶ』(2015)で注目を集め、『キミはロボット』(2018)、『コッパダン~恋する仲人~』(2019)など、ジャンルを問わずキャリアを積み重ねてきた。
もともとはSMエンターテインメントの練習生出身で、“SMで最も美しい練習生”として有名だった。f(x)やRed Velvetのデビュー候補だったという話もある。
凛とした強さとやわらかさを両立させる、“大妃メイク”を作る3要素
コン・スンヨン演じる大妃は、鋭い視線で相手を圧倒しているのに、なぜか“怖すぎない”のが不思議だったが、その理由はメイクにあるようだ。本作のメイクを担当したメイクアップアーティスト・ユニョン氏は、自身のインスタグラムで大妃メイクの使用アイテムを公開している。

まずベースメイクの中心になっているのは、HERAの「リフレクション スキングロウ ファンデーション(17c1)」。厚塗り感を抑えた自然なツヤ肌が特徴で、韓服特有の重厚感とも相性がいい。画面越しでも肌が乾いて見えず、大妃ならではの気品につながっている。
目元には、CHANEL「レ キャトル オンブル 352 エレメンタル」を使用。ブラウンやベージュ系のニュートラルカラーで陰影を作りながら、濃くなりすぎないのが特徴だ。強いアイラインで威圧感を出すのではなく、繊細な陰影で静かな存在感を引き出している。
そして、この“大妃メイク”の象徴ともいえるのが、頬に残した柔和な色みだ。Dior「バックステージ グロウ マキシマイザーパレット 003 パーリーピーチグロウ」の、アプリコットピンク寄りのピーチコーラルが、張りつめた表情に穏やかな余白を作っている。ただかわいいチークではない。この余白こそが、権威や孤独を背負った大妃に、人間味を残しているのだ。
唇は、Dior「アディクト リップスティック 250 ディオールチャーム」。強すぎる赤ではなく、自然な血色を引き出すコーラルピンク系でまとめることで、顔全体をきつく見せないような効果がある。
かつて時代劇の「大妃」といえば、威厳や冷たさを強調するために、濃いアイラインや青白い肌、真っ赤な口紅が定番だった印象がある。だからこそ、本作の大妃のように、やわらかな頬の色や透明感を加えた現代的な解釈は新鮮に映った。

コン・スンヨンの“大妃メイク”は、ただ冷たく強い印象だけでは終わらない。ときおり「若い頃は、違う人生を夢見ていた人なのかもしれない」と想像させる瞬間がある。大妃を単なる権力者ではない、“孤独を抱えたひとりの女性”として浮かび上がらせている。
メイクひとつで、過去の感情や失われた時間まで感じさせる——そんなところに、多くの視聴者が引き込まれているのかもしれない。
(文=田名部 知子/Xで気ままなソウルの日常を発信中:@t7joshi)
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