22歳で親衛隊に入り、1987年にフランスで終身刑を宣告された男、クラウス・バルビー。彼が生きた50数年間…、それは最も残虐で欺瞞に満ちた3つの人生から成り立っていた。3つの人生とは、“リヨンの虐殺者”の異名を持つ、ナチス・ドイツのゲシュタポとして、戦後の混沌としたヨーロッパでアメリカ陸軍情報部のためにスパイ活動をしていたエージェント・バルビーとして、そしてボリビアにおける政治的抑圧の陰の立役者であり、チェ・ゲハラの暗殺計画を立案したクラウス・アルトマンとして。元ナチスの男が、なぜこれまでの間裁かれることなく自由の身でいられたのか――? 戦後史の裏側を暴いた、衝撃のドキュメンタリー。
ケヴィン・マクドナルド