「映画をどう面白くみせるかが大事」『アフタースクール』内田けんじ監督のこだわり

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『アフタースクール』内田けんじ監督
  • 『アフタースクール』内田けんじ監督
  • 『アフタースクール』 (C)- 2008「アフタースクール」製作委員会
  • 『アフタースクール』 (C)- 2008「アフタースクール」製作委員会
中学校教諭、探偵、会社員──この3人の男たちが繰り広げる裏と表、本音と建て前、うそと真実がないまぜになったエンターテイメント『アフタースクール』『運命じゃない人』でカンヌをわかせた内田けんじ監督の最新作だ。一筋縄じゃいかない3人には大泉洋、佐々木蔵之介、堺雅人という、この世代きっての実力派を配し、練りに練った脚本で観客に挑んだ監督に話を聞いた。

中学校で教師をやっている神野(大泉洋)のところに、同級生だと名乗る探偵(佐々木蔵之介)がやってきて、やはり同級生の木村(堺雅人)を捜していると言う。木村は神野の親友だが、失踪したと言うのだ。神野は状況がよくつかめないまま探偵と一緒に木村を捜すことになる。入り組んだストーリーと作り込まれたキャラクターでぐいぐい引き込まれていく。
「あまりサプライズとか、どんでん返しをやりたいとか、『運命じゃない人』みたいに、時間軸を変えたいとかではないんです。どう面白く見せるかが大事で。今回は特に(木村に関する)“情報”というものがど真ん中にあった。すると観客が個々に深読みしてくれるんですよね。だから観客に対して、どのタイミングでどの程度“情報”を与えるのか、という遊びをやりたかった。ただ、いくら良いトリックでも、キャラクターたちにリアリティを感じなかったら、『ああ、そうですか』になってしまうんです」。

だからこそ大泉さん、佐々木さん、堺さんへの演出にもかなりのこだわりがあった。
「この映画はプロットでだます、そこにからくりがあるので、演技でうそをついちゃダメなんです。そのシーンの感情に則った論理性がないといけないんだけれども、映画の都合上、ちょっと抑えてください、みたいな感じです。そこまでやると完全なうそだけど、リアリティが壊れない、感情が壊れない程度にこう演技してください、とか。特に大泉さんに対しての要求が一番厳しかったです。役者さんたちは一番気持ち良いところで、演技ができなかったんじゃないでしょうか」。

主人公たちは30代半ば。そこも本作の面白味の一つだと監督は言う。
「僕もその年代なんですけど、人間が社会に出て迷ってる20代が終わって、『はい、そろそろもう決まりましたよ』っていう時期だと思うんです。職業的なキャリアから言っても人間としても。20代後半辺りって、実はあまり中学の頃と変わらないんです。でも30歳を過ぎてくると、顔が変わってくるんですよね。多分、その人の仕事だったり、生きてきた人生なんでしょうね。その辺りから、いろんな人になっていってる感じがして。しかも多様化されているんですよね。中学生って、ただ年齢が同じで、近所に住んでるというだけの理由で同じ学校に通っていたりするじゃないですか? いま同窓会とかで会うと、全員が結婚しているわけでもなくって、結婚して子供がいる人は同じ年代なのに、すごく落ち着いているし、逆にいまでもふらふらしているヤツもいる。そういう意味ですごく面白い年代だと思うんです」。

「何よりも作っていて、僕自身がワクワクすることが大事」。そう語る監督が作り上げた内田ワールドの中で、多様性を感じさせる主人公3人に、心ゆくまでだまされてみてほしい。
《text:cinemacafe.net》

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