堺雅人が語る太宰、そして『人間失格』——。「近代文学と“再会”できました」

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『人間失格 ディレクターズカット版』  堺雅人
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堺雅人は止まらない——。2009年、最も多忙だった俳優の一人であることに間違いはないが、“ブレイク”などという安っぽい言葉は当てはまらない。2008年は、言わずと知れたNHK大河ドラマ「篤姫」に加え、公開された映画が3本(『アフタースクール』『クライマーズ・ハイ』『ジャージの二人』)。2009年はさらに増えて、実写映画4本に連続ドラマ2本(「トライアングル」、「官僚たちの夏」)。加えて秋には2年ぶりとなる舞台出演で、劇団☆新感線の「蛮勇鬼」にも参加。“ブレイク”などではなく文字通り、作品にとって“欠かすことができない男”として、唯一無二の存在感を発揮している。

2009年もそれぞれの作品で、印象的な役柄を演じてきた彼が、もう一作、その“声”によって登場人物に生命を与えているのが、ナビゲーターを兼ねて参加しているアニメーション・シリーズ「青い文学」。太宰治に坂口安吾、夏目漱石といった文豪の作品に新たな解釈、脚色を加え、小畑健、許斐剛ら人気漫画家のキャラクター原案によるアニメーションで人気を博した。中でも好評だった太宰の代表作「人間失格」がこのほど映画化。かくして『ジェネラル・ルージュの凱旋』『ラッシュライフ』『南極料理人』『クヒオ大佐』に続く、彼の2009年最後となる5本目の映画出演作となり、現在も公開中だ。

堺さんがTVシリーズでナビゲーションおよび声優を務めたのは「人間失格」(太宰)、「桜の森の満開の下」(坂口安吾)、「こゝろ」(夏目漱石)、「走れメロス」(太宰)、「蜘蛛の糸」、「地獄変」(共に芥川龍之介)の5作。堺さんは、「今回、このテレビアニメのシリーズで近代文学と再会することができました」と感想を語り、これら、近代文学の名作を読むということについて、こう説く。
「これらの作品は、読む人によって、また同じ人でも読む時期によって、まったく違う表情をみせてくれるものだと思うんです。だから多分、解釈や楽しみ方に“正解”がない。むしろ誤解をおそれず、自分が感じたことを素直に表現することが大切なのかな、とも思います」。

映画化もされた人気漫画「DEATH NOTE」や週刊少年ジャンプで連載中の「バクマン。」の作画で知られる小畑健と堺雅人。現代を生きる2人のクリエイターを介して、太宰の傑作「人間失格」もまた、堺さんの言葉通り、新たな解釈の下で生まれ変わった。
『人間失格』は、小畑さんのキャラクター原案のおかげもあり、非常に魅力的な作品になりました。それはおそらく、たえず時代と格闘している現代の作家が、自分の責任のもとで近代の文豪の作品を解釈しようとしたからだと思います。今回の作品に参加できたこと、非常にうれしく思っています。僕自身がそうであったように、皆さんが太宰治に“再会”するきっかけになれば、さらにうれしく思います」。

太宰の自伝であり遺書でもあると言われる「人間失格」。『ジェネラル・ルージュの凱旋』でのニヒルかつ正義感あふれるニ枚目医師・速水や『南極料理人』のほんわかとした笑みを湛えた西村とはひと味違った、葉蔵(=太宰)の“冷たい狂気”とでも言うべき響き——『人間失格』の堺雅人の“声”にぜひ耳を傾けてほしい。
《text:cinemacafe.net》

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