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絶対観たい? お正月映画 vol.3 “今更、ジム・キャリー?”なんていわないで。『ディック&ジェーン 復讐は最高!』

人生バラ色。そんな最中にリストラに遭ったひとりの男ディック。そんな彼が災難を機に転落していく姿と、一念発起して妻のジェーンと銀行強盗を企てる—。

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人生バラ色。そんな最中にリストラに遭ったひとりの男ディック。そんな彼が災難を機に転落していく姿と、一念発起して妻のジェーンと銀行強盗を企てる—。

主演はジム・キャリー。「今更、ジム・キャリー?」なんて言わないで! 最近は、かつての勢いに翳りが見えてきたとも囁かれていますが、彼はやっぱり面白い。アメリカには、コメディアンやコメディ俳優が数多く存在するけれど、世界的に名を轟かせるのはほんのわずかです。

そんな貴重な存在の1人ではありますが、ロビン・ウィリアムスのように“名優”への転身もなかなか上手くいかず。『トゥルーマン・ショー』『エターナル・サンシャイン』では、なかなかいい演技を見せていたにもかかわらず、シリアスに受け止めてもらえないのが悩みのよう。以前はそれを自虐ネタとして披露していたのだけれど、最近では吹っ切れたのか、『ブルース・オールマイティ』では伸び伸びと笑いをとっていました。そんな彼を見ていると、『ディック&ジェーン 復讐は最高!』にも期待を寄せてしまうのも当然のこと。

実は、本作は1977年に、ジェーン・フォンダとジョージ・シーガル共演で発表された『おかしな泥棒ディック&ジェーン』のリメイク。これまで、比較的オリジナリティ溢れる作品を中心に出演していたジム・キャリーだけに、いよいよ彼もリメイク作品に出演か…と、やや時代の流れの強さを感じたりします(これまでに、パロディというのはありましたけれど)。もちろん、抜群のコメディ・センスを持っている彼のことですから、彼らしいギャグが満載なのですが。しかも、監督は私のお気に入りコメディ映画『ギャラクシー・クエスト』のディーン・パリゾット。面白くないはずがないのです。

ただ、やっぱりジム・キャリーには、これまで見たこともないような、奇妙キテレツな姿を見せて欲しいというのが本音。その類稀なる独創性を生かして、自分で脚本を書くなんてどうかな…と思いつつ、そんなことを期待するは、やっぱりお門違いなのかな。


《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

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